dynabook PZ55/M、PZ55/Pの実機レビュー

更新日:2020年4月4日
CPU Core i7-10510U
Core i5-10210U
メモリ 8GB
ストレージ 256GB PCIe SSD
+1TB HDD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD 非光沢
質量 約1.79kg
バッテリー 約9.5時間
価格[税込] 4万円台~
PC初心者におすすめのスタンダードノートPC

dynabook PZシリーズは、Core プロセッサー、SSD、15.6型FHD液晶といったスタンダードな構成のノートPCです。

富士通、NEC、Dynabook(旧東芝)といった知名度が高い3大メーカーの中では価格が安いのも特徴です。信頼できるメーカーですし、サポートも安心感があり、PC初心者の方におすすめです。

SSDの他にHDDも搭載しており、データ領域などを分けることもできます。

なお、(最近のノートPCはほとんどがそうですが)光学ドライブは搭載されていないため、ご注意下さい。

公式サイトはこちら

※一般価格と会員価格が全然異なるため、価格を確認するときは、SHARPのココロメンバーの会員になってから確認するといいでしょう。なお、会員には無料で入会できます。

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は、次の構成でレビューを行っています。

レビュー機の構成

Core i5-10210U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD +1TB HDD

 

目次

お忙しい方は、「dynabook PZシリーズの特徴」のみお読みください。

 

dynabook PZ55の特徴

国内での有名メーカーの中では安い

国内でノートパソコンを購入する場合、富士通、NEC、Dynabookの3つの有名メーカーの中から選ぶという方も多いと思います。これらのメーカーのスタンダードな構成のノートPCを、スペックをできるだけ合わせて価格を比較すると、dynabook PZ55が最も安くなっています。しかも、唯一、第10世代インテルCoreプロセッサーを搭載しています。

富士通、NECとの比較
  dynabook PZ55 富士通
LIFEBOOK WA3/D3
NEC
LAVIE Direct NS
CPU Core i5-10210U Core i5-8265U
ストレージ 256GB PCIe SSD+1TB HDD
メモリ 8GB
光学ドライブ なし あり あり
価格 8万円台~ 13万円台~ 17万円台~
レビュー レビュー
スペックをできるだけ合わせて価格を比較

 

同様に海外メーカーと比較すると、さすがに価格はかないませんが、大分健闘していると思います。

デル、レノボとの比較
  dynabook PZ55 デル
Inspiron 15 3000
(3593)
レノボ
Ideapad S540(15)
CPU Core i5-10210U Core i5-1035G1 Core i5-10210U
ストレージ 256GB PCIe SSD
+1TB HDD
256GB PCIe SSD
メモリ 8GB
光学ドライブ なし なし あり
価格[税別] 8万円台~ 5万円台~ 5万円台~
レビュー  ― レビュー レビュー
スペックをできるだけ合わせて価格を比較

 

安心のマニュアル類

Dynabook製品は、マニュアル類が充実しています。レノボやデルなどはほとんど冊子のマニュアル類が入っておらず、Webサイトからダウンロードするような形になっていますが、初心者にはハードルが高いです。Dynabook製品であれば、スタートアップマニュアルや、使い方が書かれたマニュアル、サポートへの電話番号が書かれた紙などが入っており、初心者でも安心です。

冊子マニュアルが充実

 

デュアルストレージ搭載

dynabook PZ55は、M.2 SSDと2.5インチHDDの2台が搭載されています。HDDをデータ保存領域にしたり、バックアップ領域にしたりできるので便利です。OS領域とデータ領域とを分けておけば、OSがおかしくなっても、データが比較的簡単に救出できます。

デュアルストレージ搭載

 

アルファベットキー等が見やすい

dynabook PZ55は、アルファベットキーが通常よりも大きく表示されており見やすいです。タイピングに慣れていない方は、アルファベットキーを見ることも多いと思うので、初心者に優しいキーボードだと思います。

大きいアルファベットの文字

 

光学ドライブは無いもののその他のポートは充実

dynabook PZ55は、光学ドライブを搭載していないものの、USB Type-C、HDMI、LAN、SDカードスロットなどインターフェースは充実しています。USB Type-Cについては、試したところ、DisplayPort(映像出力)およびUSB PowerDeliveryに対応していました。

光学ドライブはありませんが、最近はネットから動画や音楽などを鑑賞できるので、多くの方には必要ないと思います。必要な方は、その場合は外付けのDVD/ブルーレイドライブなどを購入し、必要なときだけ繋げるようにするといいでしょう。2,000円前後で購入できます。

インターフェース

 

Wi-Fi 6対応

dynabook PZ55は、Wi-Fi 6にも対応しています。搭載されていたカードは、インテル AX200でした。これからは、Wi-Fi 6の規格がスタンダードになっていくと思うので、この規格に対応していると安心です。

ネットワークアダプター 

 

店頭モデルとの違い

dynabook PZ55は、店頭モデルのdynabook C8とポート類の配置が全く一緒です。ただし、スペックやカラーについては大きく異なります。

dynabook C8は、IGZOパネルを搭載し色鮮やかで、6コアの高性能CPUに、GeForce MX250の外部グラフィックスも搭載しています。画像編集や動画編集などをするような方はdynabook C8のほうがいいでしょう。ボディカラーも光沢感があって華やかです。

一方、dynabook PZ55については、デザインが地味で、これといって尖った部分はありませんが、悪い点もあまりなく、一般ユーザーにちょうどいいスペックだと思います。なにより価格がかなり安い点が魅力です。

店頭向けモデルとの違い
  dynabook C8 dynabook PZ55
Windows Home Home / Pro
ディスプレイ FHD IGZO FHD
CPU Core i7-10710U Core i7-10510U
Core i5-10210U
GPU GeForce MX250 CPU内蔵
ストレージ 512GB PCIe SSD
+32GB Optane
256GB PCIe SSD
+1TB HDD
メモリ 16GB 8GB
質量 約1.84kg 約1.79kg
バッテリー 約13.5時間 約9.5時間
Office あり あり / なし
ボディ ブルー、光沢 ブラック、マット
価格 22万円台~ 8万円台~

 

各用途の快適度

dynabook PZ55の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
スペックは十分で、Web閲覧やOffice作業などしやすいです。
動画鑑賞 CPU性能は十分ですが、液晶の色鮮やかさはやや物足りないです。また、スピーカー音もそこまで良くはありません。
RAW現像
画像編集
液晶の色域が狭いので、RAW現像などの用途には向いていません。外部ディスプレイを使うなら大丈夫です。
動画編集 外部グラフィックスを搭載していないため動画編集向きではありません。家庭で行う簡単な編集なら大丈夫だと思いますが、エフェクトや色補正などをたくさん行う場合、スペック不足でしょう。書き出し時間も長いです。
ゲーム こちらも、外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありません。ただし、軽めのPCゲームやブラウザゲームならプレイ可能です。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

FHDと普通の解像度で、視野角も良く、一般的な作業なら問題なく使えると思います。ただし、色域が狭いので、画像編集などをしたい方には適しません。最大輝度は、当サイトの計測で、272cd/m2と、普通の最大輝度です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率が61.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや青と赤が強調されていることがわかります。ただし、色域が狭いのでこのくらいの調整のほうが自然に見えると思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。

画面拡大

非光沢液晶ですので、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、フリッカーは感じませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

dynabook PZ55のキーボードは、普通の打ち心地だと思います。

メーカーサイトには、キーピッチ:18.7mm、キーストローク:1.5mmと書かれています。キートップはやや湾曲しているようにも感じますが、ほぼフラットです。どのキーもほぼ同じ大きさである点はいいと思います。矢印キーも逆Tの字になっており、見なくても探しやすいです。キーボードバックライトは搭載されていません。

タッチパッドの操作性は普通です。クリックも普通の力で押せます。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

dynabook PZシリーズは、第10世代Coreプロセッサーを搭載しており標準的な性能です。一般的な作業ならストレスなく使用できると思います。

ただし、他のPCで計測したときよりも、やや低めのベンチマークスコアでした。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
Core i5-10210U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3552
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1880
Core i7-10510U 1459
Core i5-10210U 1418 [他のPCで計測]
1211 [レビュー機で計測]
Core i7-8550U 1211
Core i3-10110U 922
Celeron 3867U 294
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、前述の通り、256GB PCIe SSDと1TB HDDの2台搭載されています。高速なSSDでPCの起動が速く、大容量HDDで沢山のデータを保存できます。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
256GB PCIe SSD
1TB HDD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 2327 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 131
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードスロット

SDカードスロットの読み込み、書き込み速度は高速です。

CrystalDiskMark(SDカード)
最大275MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

実際のソフトで計測した処理時間

以下、ベンチマークソフトではなく、実際のソフトウェアで計測したデータを掲載します。

TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  Core i5-10210U
x265でエンコード (※1) 31分50秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分28秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-9700 12分21秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i7-10710U 21分43秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
31分50秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

下図は、x265でエンコードしたときのCore i5-10210UのCPUクロックです。"安定時"のCPUクロックを見ると、約2.3GHzで推移していますが、やや低めのCPUクロックといえます。処理にやや時間がかかりますが、その分、CPU温度は低めに推移しています。安定稼働重視の設定と言えます。

Core i5-10210U

 

質量のチェック

dynabook PZシリーズの質量は、15.6インチクラスのノートPCとしては、比較的軽いと思います。

メーカー仕様値では約1.79kgとなっており、当サイトによる計測値は下表のようになっています。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.766kg
ACアダプター 179g

 

バッテリー駆動時間のチェック

dynabook PZ55の内部を確認したところ、バッテリー容量は38.1Whでした。

バッテリー駆動時間は次の通りです。普通の駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約9.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work 5時間16分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行

 


 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

比較的低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

温度は"やや低め~普通"です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃前後で推移しており、問題ない温度です。

x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

やや低めの温度です。ただし、HDDが右パームレストの真下に搭載されており、HDDに負荷がかかる作業をすると、ここが熱く感じると思われます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

dynabook PZシリーズの外観写真を掲載します。

ブラックのカラーで、プラスチック感のあるボディで、やや地味なデザインです。

 

天板は横に凹凸があり、ホコリが挟まりそうです。

 

パームレストも横に凹凸のあるラインが入っています。

 

スピーカーは底面に配置されています。音質はそれほど良くなく、勝手に点数をつけると、10点満点で4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

顔認証に対応しています。

 

液晶が傾く最大の角度です。十分でしょう。

 

前述しましたが、インターフェースは次の通りです。

 

底面です。

 

底面の小さなカバーを外すと、メモリが換装できるようになっています。シングルチャンネルのメモリなので、デュアルチャンネルへ換装するのもいいと思います。少し処理速度が速くなります。

 

底面カバーを空けたときの画像です。

 

ACアダプターです。

 

まとめ

以上が、dynabook PZシリーズのレビューです。

第10世代Coreプロセッサーに、FHD液晶、SSDを搭載したスタンダードな構成のノートPCです。

昔から国内で有名なNEC、富士通、Dynabook(旧東芝)の中では価格が安い点が特徴で、マニュアル類も揃っており、初心者でも安心して購入できる製品です。

また、SSDとハードディスクの両方を搭載しており、1台をデータ領域やバックアップ領域にできるので便利です。

デザインが多少地味なのが難点ですが、「外に持ち出すわけではないのでデザインは気にしない」という方には問題ないでしょう。

なお、Dynabookの製品は、会員登録するとかなり価格が下がります。価格を確認する際は、会員登録するといいでしょう。無料で登録できます。

 

PC初心者におすすめのスタンダードノートPC

dynabook PZ55

特徴

  • 一般ユーザー向けのスタンダードな構成
  • 富士通、NECより価格が安い
  • SSD + HDDの構成

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