dynabook PZ55/M、PZ55/Pの実機レビュー
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB PCIe SSD +1TB HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約1.79kg |
バッテリー | 約9.5時間 |
価格[税込] | 4万円台~ |
dynabook PZシリーズは、Core プロセッサー、SSD、15.6型FHD液晶といったスタンダードな構成のノートPCです。
富士通、NEC、Dynabook(旧東芝)といった知名度が高い3大メーカーの中では価格が安いのも特徴です。信頼できるメーカーですし、サポートも安心感があり、PC初心者の方におすすめです。
SSDの他にHDDも搭載しており、データ領域などを分けることもできます。
なお、(最近のノートPCはほとんどがそうですが)光学ドライブは搭載されていないため、ご注意下さい。
※一般価格と会員価格が全然異なるため、価格を確認するときは、SHARPのココロメンバーの会員になってから確認するといいでしょう。なお、会員には無料で入会できます。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は、次の構成でレビューを行っています。
レビュー機の構成
Core i5-10210U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD +1TB HDD
目次
お忙しい方は、「dynabook PZシリーズの特徴」のみお読みください。
dynabook PZ55の特徴
国内での有名メーカーの中では安い
国内でノートパソコンを購入する場合、富士通、NEC、Dynabookの3つの有名メーカーの中から選ぶという方も多いと思います。これらのメーカーのスタンダードな構成のノートPCを、スペックをできるだけ合わせて価格を比較すると、dynabook PZ55が最も安くなっています。しかも、唯一、第10世代インテルCoreプロセッサーを搭載しています。
dynabook PZ55 | 富士通 LIFEBOOK WA3/D3 |
NEC LAVIE Direct NS |
|
CPU | Core i5-10210U | Core i5-8265U | |
ストレージ | 256GB PCIe SSD+1TB HDD | ||
メモリ | 8GB | ||
光学ドライブ | なし | あり | あり |
価格 | 8万円台~ | 13万円台~ | 17万円台~ |
レビュー | ― | レビュー | ― |
同様に海外メーカーと比較すると、さすがに価格はかないませんが、大分健闘していると思います。
dynabook PZ55 | デル Inspiron 15 3000 (3593) |
レノボ Ideapad S540(15) |
|
CPU | Core i5-10210U | Core i5-1035G1 | Core i5-10210U |
ストレージ | 256GB PCIe SSD +1TB HDD |
256GB PCIe SSD | |
メモリ | 8GB | ||
光学ドライブ | なし | なし | あり |
価格[税別] | 8万円台~ | 5万円台~ | 5万円台~ |
レビュー | ― | レビュー | レビュー |
安心のマニュアル類
Dynabook製品は、マニュアル類が充実しています。レノボやデルなどはほとんど冊子のマニュアル類が入っておらず、Webサイトからダウンロードするような形になっていますが、初心者にはハードルが高いです。Dynabook製品であれば、スタートアップマニュアルや、使い方が書かれたマニュアル、サポートへの電話番号が書かれた紙などが入っており、初心者でも安心です。
デュアルストレージ搭載
dynabook PZ55は、M.2 SSDと2.5インチHDDの2台が搭載されています。HDDをデータ保存領域にしたり、バックアップ領域にしたりできるので便利です。OS領域とデータ領域とを分けておけば、OSがおかしくなっても、データが比較的簡単に救出できます。
アルファベットキー等が見やすい
dynabook PZ55は、アルファベットキーが通常よりも大きく表示されており見やすいです。タイピングに慣れていない方は、アルファベットキーを見ることも多いと思うので、初心者に優しいキーボードだと思います。
光学ドライブは無いもののその他のポートは充実
dynabook PZ55は、光学ドライブを搭載していないものの、USB Type-C、HDMI、LAN、SDカードスロットなどインターフェースは充実しています。USB Type-Cについては、試したところ、DisplayPort(映像出力)およびUSB PowerDeliveryに対応していました。
光学ドライブはありませんが、最近はネットから動画や音楽などを鑑賞できるので、多くの方には必要ないと思います。必要な方は、その場合は外付けのDVD/ブルーレイドライブなどを購入し、必要なときだけ繋げるようにするといいでしょう。2,000円前後で購入できます。
Wi-Fi 6対応
dynabook PZ55は、Wi-Fi 6にも対応しています。搭載されていたカードは、インテル AX200でした。これからは、Wi-Fi 6の規格がスタンダードになっていくと思うので、この規格に対応していると安心です。
店頭モデルとの違い
dynabook PZ55は、店頭モデルのdynabook C8とポート類の配置が全く一緒です。ただし、スペックやカラーについては大きく異なります。
dynabook C8は、IGZOパネルを搭載し色鮮やかで、6コアの高性能CPUに、GeForce MX250の外部グラフィックスも搭載しています。画像編集や動画編集などをするような方はdynabook C8のほうがいいでしょう。ボディカラーも光沢感があって華やかです。
一方、dynabook PZ55については、デザインが地味で、これといって尖った部分はありませんが、悪い点もあまりなく、一般ユーザーにちょうどいいスペックだと思います。なにより価格がかなり安い点が魅力です。
dynabook C8 | dynabook PZ55 | |
Windows | Home | Home / Pro |
ディスプレイ | FHD IGZO | FHD |
CPU | Core i7-10710U | Core i7-10510U Core i5-10210U |
GPU | GeForce MX250 | CPU内蔵 |
ストレージ | 512GB PCIe SSD +32GB Optane |
256GB PCIe SSD +1TB HDD |
メモリ | 16GB | 8GB |
質量 | 約1.84kg | 約1.79kg |
バッテリー | 約13.5時間 | 約9.5時間 |
Office | あり | あり / なし |
ボディ | ブルー、光沢 | ブラック、マット |
価格 | 22万円台~ | 8万円台~ |
各用途の快適度
dynabook PZ55の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分で、Web閲覧やOffice作業などしやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | 〇 | CPU性能は十分ですが、液晶の色鮮やかさはやや物足りないです。また、スピーカー音もそこまで良くはありません。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 液晶の色域が狭いので、RAW現像などの用途には向いていません。外部ディスプレイを使うなら大丈夫です。 |
動画編集 | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため動画編集向きではありません。家庭で行う簡単な編集なら大丈夫だと思いますが、エフェクトや色補正などをたくさん行う場合、スペック不足でしょう。書き出し時間も長いです。 |
ゲーム | △ | こちらも、外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありません。ただし、軽めのPCゲームやブラウザゲームならプレイ可能です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
FHDと普通の解像度で、視野角も良く、一般的な作業なら問題なく使えると思います。ただし、色域が狭いので、画像編集などをしたい方には適しません。最大輝度は、当サイトの計測で、272cd/m2と、普通の最大輝度です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
dynabook PZ55のキーボードは、普通の打ち心地だと思います。
メーカーサイトには、キーピッチ:18.7mm、キーストローク:1.5mmと書かれています。キートップはやや湾曲しているようにも感じますが、ほぼフラットです。どのキーもほぼ同じ大きさである点はいいと思います。矢印キーも逆Tの字になっており、見なくても探しやすいです。キーボードバックライトは搭載されていません。
タッチパッドの操作性は普通です。クリックも普通の力で押せます。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
dynabook PZシリーズは、第10世代Coreプロセッサーを搭載しており標準的な性能です。一般的な作業ならストレスなく使用できると思います。
ただし、他のPCで計測したときよりも、やや低めのベンチマークスコアでした。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、前述の通り、256GB PCIe SSDと1TB HDDの2台搭載されています。高速なSSDでPCの起動が速く、大容量HDDで沢山のデータを保存できます。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
SDカードスロットの読み込み、書き込み速度は高速です。
実際のソフトで計測した処理時間
以下、ベンチマークソフトではなく、実際のソフトウェアで計測したデータを掲載します。
Core i5-10210U | |
x265でエンコード (※1) | 31分50秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ー |
QSVでエンコード (※3) | 3分28秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
下図は、x265でエンコードしたときのCore i5-10210UのCPUクロックです。"安定時"のCPUクロックを見ると、約2.3GHzで推移していますが、やや低めのCPUクロックといえます。処理にやや時間がかかりますが、その分、CPU温度は低めに推移しています。安定稼働重視の設定と言えます。
質量のチェック
dynabook PZシリーズの質量は、15.6インチクラスのノートPCとしては、比較的軽いと思います。
メーカー仕様値では約1.79kgとなっており、当サイトによる計測値は下表のようになっています。
質量 | |
PC本体 | 1.766kg |
ACアダプター | 179g |
バッテリー駆動時間のチェック
dynabook PZ55の内部を確認したところ、バッテリー容量は38.1Whでした。
バッテリー駆動時間は次の通りです。普通の駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約9.5時間 |
---|---|
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | ― |
(4) PCMark 8 Work | 5時間16分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
比較的低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
温度は"やや低め~普通"です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。70℃前後で推移しており、問題ない温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの温度です。ただし、HDDが右パームレストの真下に搭載されており、HDDに負荷がかかる作業をすると、ここが熱く感じると思われます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
dynabook PZシリーズの外観写真を掲載します。
ブラックのカラーで、プラスチック感のあるボディで、やや地味なデザインです。
天板は横に凹凸があり、ホコリが挟まりそうです。
パームレストも横に凹凸のあるラインが入っています。
スピーカーは底面に配置されています。音質はそれほど良くなく、勝手に点数をつけると、10点満点で4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
顔認証に対応しています。
液晶が傾く最大の角度です。十分でしょう。
前述しましたが、インターフェースは次の通りです。
底面です。
底面の小さなカバーを外すと、メモリが換装できるようになっています。シングルチャンネルのメモリなので、デュアルチャンネルへ換装するのもいいと思います。少し処理速度が速くなります。
底面カバーを空けたときの画像です。
ACアダプターです。
まとめ
以上が、dynabook PZシリーズのレビューです。
第10世代Coreプロセッサーに、FHD液晶、SSDを搭載したスタンダードな構成のノートPCです。
昔から国内で有名なNEC、富士通、Dynabook(旧東芝)の中では価格が安い点が特徴で、マニュアル類も揃っており、初心者でも安心して購入できる製品です。
また、SSDとハードディスクの両方を搭載しており、1台をデータ領域やバックアップ領域にできるので便利です。
デザインが多少地味なのが難点ですが、「外に持ち出すわけではないのでデザインは気にしない」という方には問題ないでしょう。
なお、Dynabookの製品は、会員登録するとかなり価格が下がります。価格を確認する際は、会員登録するといいでしょう。無料で登録できます。
PC初心者におすすめのスタンダードノートPC
dynabook PZ55
特徴
- 一般ユーザー向けのスタンダードな構成
- 富士通、NECより価格が安い
- SSD + HDDの構成
こんなあなたに
- PC初心者でスタンダードな構成のPCが欲しい方
- 価格4万円台[税込]~
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