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F-Secure SAFEの評価レビュー
ディープガードで強固にブロック
F-Secure SAFEは、ディープガード機能により新種ウイルスの検出率が高く、動作も軽いセキュリティソフトです。多くの第三者機関で高い評価を得ています。
ただし、2015年に、エフセキュアの元社員が、Twitterで不適切なツイートをしたとして、ネット上では問題になりました。この影響で、日本のショッピングサイトでの口コミ評価が下がり、個人向けソフトを扱うショップも少なくなってしまいました。性能は良かったので、残念です。
また、以前は価格が非常に安かったのですが、現在はかなり値上がりしています。上記のことがあってから、個人向けソフトには、あまり注力していないのかもしれません。
目次
リンクをクリックするとページ下へスクロールします。お忙しい方は「1」をお読みください。特徴を簡潔にまとめています。
1 F-Secure SAFEの特徴 | |
2 マルウェア対策性能 | 3 動作の軽さ |
4 ランサムウェア対策 | 5 ネットバンキング保護 |
6 Web脅威対策 | 7 迷惑メール対策 |
8 脆弱性対策 | 9 ファイアウォール |
10 ID・パスワード管理 | 11 ペアレンタルコントロール |
12 操作画面 | 13 価格 |
14 ユーザーの評判・口コミ | 15 まとめ |
F-Secure SAFEの特徴
セキュリティソフトの性能を評価する第3者機関で高い評価
F-Secureの多層防御
ディープガード機能の実装により、セキュリティソフトにとって最も大切な点であるウイルスやマルウェア対策において、F-Secure SAFEはどの第三者機関でも高い評価を得ています。
AV-Test、AV-Comparatives、MRG Effitasなどの第三者テスト機関の関連アワードにおいて、多くの受賞実績が高い性能を物語っています。
2015年に、元社員が不適切なツイートで問題に
2015年に、エフセキュアの元社員が、Twitterで不適切なツイートをして問題となりました。
はすみとしこさんがFacebookで「他人の金で。そうだ難民しよう!」という難民を中傷するイラストを公開し賛否両論ありましたが、このイラストに「いいね!」した人の個人情報約400人分を、エフセキュアの元社員がTwitterで公開しました。
Twitterで公開した情報は、元々公開されている情報をまとめただけとし、元社員による顧客情報や業務情報の漏えいはないとされていますが、セキュリティ企業の社員が、個人情報を公開したことに対し批判が集まりました。
この影響で、ショッピングサイトでの口コミ評価が下がり、個人向けソフトの扱いを継続しているショップも、かなり少なくなってしまいました。
昔は安かったが、今はそうでもない
↑2015年の価格↑
↑2018年の価格↑
昔は、非常に価格が安く、非常にお買い得でしたが、最近は価格が約2倍も上がり、それほどお得ではありません。
他社のセキュリティソフトと比較しても、それほど安くありません。
現在は、個人向け商品はあまり注力していないのかもしれません。
マルウェア対策性能
F-Secure SAFEのマルウェア(ウイルス、ワーム、ルートキットなど)の対策性能は比較的高いと考えます。
F-Secureは、下図のような多層防御にて、マルウェアからデバイスを保護します。
2006年に、この図の中のディープガードが実装されて以降、未知ウイルスに対する保護性能が飛躍的にUPしました。その後、ディープガードは、レピュテーション、脆弱性を突くマルウェアからの保護強化などの機能が追加され、進化を続けています。
F-Secureの多層防御
ディープガード機能について
F-Secureは複数のスキャンエンジンを用いることで、昔から既知ウイルスに関しては高いウイルス検出力を持っていましたが、以前は動作が重く、新種のウイルス検出率についてはそれほど高いものではありませんでした。
しかし、2006年にディープガード、2008年にディープガード 2.0が開発され、ふるまい検知や静的ヒューリスティック、サンドボックスによる仮想実行などによるチェックを行うことにより新種のマルウェア検出率が飛躍的に上がりました。また、ディープガード 2.0で新たに追加されたクラウド技術を用いた「ネットワーク ルックアップ」機能により、動作も劇的に軽くなりました。
ディープガード 2.0当時のスキャンの流れについて、ホワイトペーパーを確認すると、次のようになっています。
(1)パターンファイルによって既知マルウェアを検知。
(2)検知されなかったファイルについて、クラウド上に、ファイルが「良性」か「悪性」かを問い合わせ。
(3)クラウド上では「良性」の実行ファイルと、「悪性」の実行ファイルがデータベース化されており判定結果を返信。不明なファイルは詳細なふるまい分析、静的分析、ファイルを実行しているユーザ数などに基づいて判定。それでも怪しい場合は、「不明」と返答しアナリストが手動分析。
(4)「不明」とされた場合、PC側ではサンドボックスでの実行や、静的ヒューリスティックなどにより分析。
サンドボックスでの実行や、静的ヒューリスティック機能は、他社でもありますが、このディープガードは性能が良く第三者機関による調査でも高い評価を得ています。
さらに、2011年公開のディープガード 3.0では、レピュテーション機能を取り入れ、実行ファイルの普及率、ダウンロードURL、ファイルの作成日などを評価しマルウェアかどうかを判断するようになりました。
そして、JRE、Adobe Reader、MS Officeの脆弱性を突くマルウェアが多くなってきていることから、2013年公開のディープガード 5.0では、このような攻撃を防御する機能が強化されました。
関連リンク(外部リンク):
ディープガード 3.0について
ディープガード 5.0について(PDF)
第3者機関による検出率
有名な第3者機関による評価結果を確認します。
最初に、有名なオーストリアのAV-Comparativesの評価結果を掲載します。下表のReal-World Protection Testは、Webサイトを閲覧中の実利用環境で、どの程度マルウェアを防ぐかをテストしたものです。過去3回の評価結果を見ると、保護率は非常に高いです。ただし、誤検出が多く、AWARD LEVELSでは、最高ランクから1つ落ちる「ADVANCED」となっております。
2016年7〜11月 | 2017年2〜6月 | 2017年7〜11月 | |
---|---|---|---|
保護率 | 99.9% | 99.7% | 99.9% |
AWARD LEVELS |
※AWARD LEVELSは、最高評価がADVANCED+(★★★)となります
次に、ドイツの独立機関であるAV-TEST.orgの評価結果を確認します。こちらも同様の結果で、Protectionは、いずれも6点ですが、誤検出を含むUsabilityの項目は、低めの点数となっています。
2017年6月 | 2017年10月 | 2017年12月 | |
---|---|---|---|
Protection | 6点 | 6点 | 6点 |
Performance | 5点 | 5.5点 | 5.5点 |
Usability | 5.5点 | 4.5点 | 5点 |
認定 |
※Protection:ウイルス、ワーム、トロイの木馬などマルウェア全般からの保護能力
※Performance:コンピュータのスピードへの影響
※Usability:誤検出などコンピュータの利便性を損なわないようにする能力
※各項目の最高点は、6点となります
他のセキュリティソフトについては、下のリンク先をご覧ください。
動作の軽さ
F-Secureの動作の軽さは、総合的に見て"普通~やや軽い"といったところです。
AV-ComparativeのPerformance Testsの結果を見ると、"ADVANCED"以上の評価でした。ただし、このテストは、半数前後のセキュリティソフトが"ADVANCED+"となっており、テスト対象の全セキュリティソフトの中では、平均的です。
2016年10月 | 2017年5月 | 2017年10月 | |
---|---|---|---|
AWARD LEVELS |
※AWARD LEVELSは、最高評価がADVANCED+(★★★)となります
また、上の章で掲載したAV-TEST.orgの「Performance」評価を見ると、5点~5.5点となっており、普通~やや良いといったような結果になっています。
また、当サイトでは、スキャン速度、メモリ使用量など、軽さに関するテストを9項目チェックしていますが、F-Secure SAFEは他のソフトウェアに比べると、やや良い結果でした。詳細は下のリンク先をご覧ください。
ランサムウェア対策
第3者機関での調査対象に含まれていないため、不明です。ただし、ランサムウェアに特化した特別な機能は備えていないようです。
ネットバンキング保護
F-Secure SAFEのバンキング保護機能とは、ネットバンクでの取引がより安全に行えるようになる機能です。ネットバンクのログインページへアクセスすると、下図のような「バンキング保護が有効です」というダイアログが表示されます。このバンキング保護のセッションが開いている間は、他の接続はブロックされ、取引中に、悪意のあるサイトへのセッションは成立せず、IDやパスワードなどの不正送信、及び不正送金を防ぐことが可能です。
ネットバンクへアクセスした時の表示
セキュリティソフトのオンラインバンキング保護技術を評価しているMRG Effitasの「Online Banking Certification」を確認すると、ネットバンキング保護機能は、"普通"だとなっています。詳細については、下のリンク先にまとめてありますので、詳細はこちらをご覧ください。
Web脅威対策
AV-ComparativesのWebサイト閲覧中の保護能力を評価するReal-World Protection Tests(詳細は上で記載)の過去3回のテストでは、脅威に対しての実際のブロック率は高いです。ただし、誤検知が多いため、最高の「Advanced+」ではなく「Advanced」の評価になっており、性能は"比較的良い"と言えそうです。
ブラウザ保護の設定画面
F-Secure SAFEはブラウザ用にプラグインをインストールする
迷惑メール対策
現在のF-Secure SAFEには、迷惑メールかどうか判別する機能は明示的に搭載されておりません。
脆弱性対策
OSやアプリの脆弱性パッチがあるかどうかをスキャンするような機能はありません。ただし、ディープガードにより、脆弱性をつくマルウェアを防御する機能が備わっています。
ファイアウォール
F-Secure SAFEのファイアウォール機能は、実際には搭載されておらず、設定画面からはWindows Defenderを呼び出すだけです。
ID・パスワード管理
ID・パスワード管理とは、WebサイトのID・パスワードを安全に管理する機能です。難しいパスワードを覚える必要がなく、簡単にWebサイトへログインできます。全てのWebサイトで、複雑で異なるパスワードを設定できるので、セキュリティレベルがあがります。
ただし、F-Secureの場合、パスワード管理ソフトが必要ならば、別途インストールする必要があります。さらに、他のデバイスと同期するにはプレミアム版を購入する必要があります。
また、通常のパスワード管理ソフトは、サイトに訪れると、自動でID&パスワードが入力されますが、本ソフトは手動で行う必要があります。下図のように、IDやパスワードを「コピー」ボタンを押した後、ペーストして入力する必要があるため、他のソフトと比較して面倒です。
F-Secure Key
ペアレンタルコントロール
F-Secure SAFEのペアレンタルコントロール機能では、ブロックしたいジャンル(例えばアダルトなど)を指定できるのはもちろん、利用できる時間や曜日の設定や、スマートフォンなら利用できるアプリケーションの制御まで行えます。
ただし、1台のデバイスを1人が使用していることが前提となっている設定のため、1台のデバイスを複数人で使用している場合は、ユーザーごとに設定を変更することができません。複数台のデバイスを1人が使用しているケースは大丈夫です。
ペアレンタルコントロール(アプリ制御)
ペアレンタルコントロール(時間制限)
ペアレンタルコントロール(コンテンツのフィルタ)
デバイスは、1人のユーザーに紐づけられる
他ソフトのペアレンタルコントロール機能の詳細は、下のリンク先をご覧ください。
F-Secure SAFEの操作画面
メイン画面
F-Secure SAFEのメイン画面は図のようになっています。
画面構成は大変シンプルで、大きな括りで4個の機能が左カラムのメニューとして表示されています。
この画面から手動で直接ウイルススキャン(ディスクスキャン)を行えます。
F-Secure SAFEのメイン画面
家族のルール画面
F-Secure SAFEの家族のルール画面は図のようになっています。
各項目の設定はここでは行えず、My F-Secureにログインして行います。My F-Secureのログイン画面については後述します。
F-Secure SAFEの家族のルール画面
ツール画面
F-Secure SAFEのツール画面は図のようになっています。
アイコンをクリックして各項目の設定を行います。
F-Secure SAFEのツール画面
My F-Secure画面
My F-Secure画面は次のようになっています。
この画面から、ライセンスの管理と、どのユーザーがどのデバイスを使用しているかを設定します。上で掲載したペアレンタルコントロール機能も、このMy F-Secureから行います。
WebブラウザでMy F-Secureページにログインした画面
価格
価格は下表のようになっており、"やや高め"です。
ただし、コンシューマー向けの製品でも、25台までのライセンスが用意されており、数多くのデバイスを持っている方や、SOHO、個人事業主などで、デバイスをたくさん管理しなければならない方には、管理が簡単だと思います。
台数 | 年数 | 標準価格 |
---|---|---|
3台 | 1年 | 6,755円 |
2年 | 12,499円 | |
5台 | 1年 | 9,570円 |
2年 | 18,135円 | |
7台 | 1年 | 11,900円 |
2年 | 22,800円 |
※販売はF-Secure株式会社が行っていますので、お問い合わせはF-Secure株式会社までお願いします。
F-Secure製品一覧
F-Secure製品の一覧表です。(すべて有料ですが、サイトには無料体験版が用意されています。)
F-Secure Anti‑Virus |
F-Secure SAFE |
F-Secure FREEDOME |
F-Secure TOTAL |
|
---|---|---|---|---|
ウイルス保護 | ○ | ○ | ○ | |
ブラウザ保護 | ○ | ○ | ○ | |
ランサムウェア保護 | ○ | ○ | ||
バンキング保護 | ○ | ○ | ||
家族のルール | ○ | ○ | ||
ファインダー | ○ | ○ | ||
パーソナル VPN | ○ | ○ | ||
Wi-Fi 保護 | ○ | ○ | ||
仮想ロケーション | ○ | ○ | ||
トラッキング保護 | ○ | ○ | ||
カスタマー サポート | ○ | ○ | ○ | |
My F-Secure アカウント | ○ | ○ |
ユーザーの評判・口コミはこちら
ユーザーが投稿する口コミ情報・評価はこちらです。セキュリティソフトを実際に購入したユーザーが、どのような製品を検討し、最終的にどのソフトを選んだのかが書かれています。
まとめ
F-Secure SAFEは、性能は高いセキュリティソフトです。
エフセキュアの元社員が、Twitterで不適切なツイートをしてしまった影響で、日本での信用度は低くなり、ユーザー数もかなり少なくなってしまったと思います。性能は良かっただけに残念です。
また、数年前は、価格が非常に安く、個人向けセキュリティソフトの中でも、1、2位を争うほどの安さでしたが、現在はかなり値上がりしてしまっています。個人向けセキュリティソフトにはあまり注力していないのだと思います。
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