Apple iPad Air 2の実機レビュー

更新日:2014年11月11日

完成度を高めたiPad

Apple iPad Air 2は、iPad Airよりもさらに薄型・軽量化した9.7インチタブレットです。

指紋認証センサー「Touch ID」が追加され、スペック面も強化されています。あらゆる操作が快適にサクサク進み、Webや電子書籍、ゲームなどのコンテンツを最大限に楽しむ事ができます。

SIMフリーモデルもあります。

タブレットとしては高級機種になりますが、スペック・デザインともに完成度の高いタブレットです。

公式サイトApple Store

※レビュー機は当サイトでの購入品です

目次

主な仕様

まず、iPad Air 2と前モデルiPad Airの主な仕様を比較しす。赤文字がバージョンアップした点です。

iPad Air 2は、デザインに大きな変更はありませんが、スペック面での改良が加えられています。なお、iPad Air はストレージ容量の小さいモデルしか選択できなくなりましたのでご注意ください。

iPad Air2とiPad Airの主な仕様
  iPad Air 2 iPad Air
OS iOS iOS
液晶 9.7インチ (2048x1536, 264ppi) 9.7インチ (2048x1536, 264ppi)
プロセッサー Apple A8X 1.5GHz Apple A7 1.4GHz
メモリ 2GB 1GB
内部ストレージ 16/64/128GB 16/32GB
オーディオ ステレオスピーカー ステレオスピーカー
カメラ フロントカメラ
8Mリアカメラ
フロントカメラ
5Mリアカメラ
主なスロット Lightning端子
ヘッドフォン
Lightning端子
ヘッドフォン
指紋センサー Touch ID なし
重量 ※1 約437g 約469g
価格 ※1 ¥53,800 ¥42,800
※1 Apple Storeで販売されているWi-Fi16GBモデルの重量、実勢価格です(2014年11月3日時点)

 

デザインを比べるとiPad Airと大きな差はありません。最高のスペックや、指紋センサーが不要であれば、低価格設定のiPad Airも選択肢の一つとなります。


iPad Air 2とiPad Airのデザインを比較

特徴1 - さらに薄く・軽くなったボディ

先代のiPad Airも十分に軽い薄型ボディでしたが、iPad Air 2はさらに軽量化・薄型化しています。

iPad Air 2の薄さはメーカー公表値6.1mmで実測も同じ結果でした。iPad Air(約7.5mm)と比べても一回り薄くなっている事が分かります。世界最薄をうたっていたSONY Xperia Z2の薄さは6.4mmですので、それよりもさらに薄型化されています。

薄くても、硬質な感触であるため、構造が弱いとは感じません。


iPad Air 2とiPad Airの薄さを比較

 

また、iPad Air 2は、iPad Air と比べてわずかに軽くなっています。メーカー公表値はWi-Fiモデルで437g、Wi-Fi+Cellularモデル(SIMカードを接続してモバイルデータ通信が可能なモデル)でも444gです。

実測値ではそれよりもやや重い結果でしたが、それでも十分に軽量です。ちなみに先代のiPad Airは、Wi-Fiモデルが469g、Wi-Fi+Cellularモデルが478gでした。

付属品のAC電源アダプターとLightning-USBケーブルはiPad Airと同じものが付属しています。


iPad Air 2本体(Cellularモデル)と付属品の重量を計測

特徴2 - 反射を抑えた新型液晶

iPad Air 2のディスプレイは画素数こそiPad Airと変わりませんが、表面処理やディスプレイ構造が改良されています。

iPad Air 2とiPad Airに蛍光灯を写し込んで比較してみたところ、iPad Air 2は光源部分がやや青みがかりながらも、反射による白飛びが抑えられ、全体的に映り込みが少なくなっている事が分かります。Apple公式サイトではフルラミネーションディスプレイと反射防止コーティングが採用されたと記載されています。

反射が抑えられたからと言って、ギラつきがあるわけでもなく見やすい液晶です。


蛍光灯下で光源の反射を比較

スリープ状態の画面で比較した結果でも、iPad Airは反射によって白っぽくなっていますが、iPad Air 2は暗さを保っています。


スリープ状態の画面を同じ条件下で撮影して比較

 

iPad Air 2とiPad Airの画面端を見比べると、ディスプレイ周囲の黒ふち部分が、iPad Air 2のほうが、濃くなっている事が分かります。実際に使用した印象でも、解像度は変わらないはずなのにiPad Air 2の方が画面がハッキリとしているように感じました。


iPad Air 2とiPad Airのディスプレイ端を比較

特徴3 - 指紋認証センサー(Touch ID)

最新のiPad Air 2ではホームボタンに指紋認証センサー(Touch ID)が搭載されました。Touch IDは初期設定時もしくは設定画面から設定可能です。最大5つの指紋が設定であるため、家族それぞれの認証を設定する事もできますし、一人の両手親指と人差し指を設定する事も可能です。

実際に使ってみた印象としては、感度もよくレビュー中は認証ミスは一度もありませんでした。またホームボタンに天地逆や横向きから触っても認証されます。ちなみに足の指でも登録する事ができました。

Touch IDで指紋認証が行われるのは、ロック解除とApple Store、iTuneの購入画面のみです。パスワード変更や最初のApple Storeの登録では通常のPINコードを入力する必要があります。


iPad Air 2から採用されたTouch ID


最大5つの指紋を設定可能


設定した指紋はどのアングルでタッチしても認証してくれる

特徴4 - 新型A8Xチップ搭載

iPad Air 2ではプロセッサーも最新型のA8Xにバージョンアップしています。先代のiPad Airに比べても、体感的により軽快に動作していると感じますし、より古いモデルのiPadと比べると、その差は明らかです。後述するベンチマークの数値でも差は出ています。

負荷のかかる3Dゲーム等は試していませんが、通常のWebやアプリの切り替え、電子書籍の閲覧でもストレス無く動作すると感じます。


これまでのどのiPadよりも高性能(メーカーサイトより引用)

特徴5 - 追加されたゴールドカラー

これまでスペースグレーとホワイトしかなかったiPadにゴールドカラーが選択できるようになりました。本レビューでもゴールドカラーのWi-Fi+Cellularモデルを使用していますが、見た目に高級感があってオシャレです。


ゴールドカラーが追加された

 

エッジ部分と背面にカラーが反映されています。多くの方がカバーケースを使用されると思うので、あまり問題ないでしょうが、背面のロゴ部分はやや指紋汚れが目立ちやすいです。


ロゴもゴールド仕様

特徴6 - 選べるSIMフリー版

iPad Air2からは発売当初からApple StoreでSIMフリーバージョンの「Wi-Fi+Cellularモデル」が選択可能になりました。iPadのSIMカードはnano-SIMが採用されています。利用頻度や求める通信速度に応じて通信サービスを選んで利用する事ができます。

SIMの利用については、本サイトのiPad Air 2速報レビューでも紹介しているので、そちらもご確認ください。


SIMフリー版も選択できる

Webページを見る

iPad Air 2でWebページを閲覧しました。標準ブラウザは「Safari」です。

画面サイズは9.7インチ、画面解像度も2048×1536pxあるので、細かな文字もはっきりと読めます。アスペクト比は4:3です。16:10が多いAndroidタブレットに比べて、縦位置で表示させたときの横幅が広いため、Webページが見やすいです。


当サイト「the比較」を縦位置で表示


当サイト「the比較」の文字部分を拡大

 

次に、ブラウザでのベンチマーク結果を掲載します。

PEACEKEEPER

先代のiPad Air(1908点)や他のAndroid端末の中と比較してもダントツのスコアを出しています。実際の使用感でもその差は感じられます。ちなみにGoogleのブラウザアプリ"Chrome"でも同じベンチマークを測定してみましたが、スコアは1401でした。


PEACEKEEPER(Futuremark社)・・・Webブラウザベンチマークテスト

テレビ・動画配信を観る

テレビをライブで視聴する方法は幾つかありますが、今回はnasneを使う方法とPIX-BR310Lを使う方法を試しました。

nasneを使ってテレビ視聴

アプリ"Twonky Beam"をインストールし、nasneを使ってテレビを視聴しました。アプリとnasne本体の設定もスムーズに進み、問題なくライブ視聴する事ができました。なお"Twonky Beam"は無料でダウンロードする事ができますが、TV視聴にはアプリ内で有料版を購入する必要があります。

Wi-Fi環境にも依存すると思いますが、他のiPadシリーズと比べてアプリの起動や番組切り替えが速いと感じました。


nasneを使ってテレビ視聴可能

PIX-BR310Lを使ってテレビ視聴

ピクセラ製「PIX-BR310L」でのテレビ視聴も試しました。アプリはワイヤレスTV(StationTV)を使用しましたが、こちらも問題なく、視聴可能でした。縦位置でWeb閲覧とTV視聴を同時に利用できる”ながらみ機能”や録画機能も利用する事ができました。


ピクセラ製のPIX-BR310Lでもテレビ視聴可能

 

通常の動画は16:9のやや横長の画面になっているため、ipad Air2で動画を視聴した場合は、上下に余黒ができます。そのためアスペクト比を保ったままの全画面表示はできませんが、視聴画面に重ならずにメニューが表示されるため、使いやすい点もあります。


TVや映画の視聴時には上下に余黒ができる

動画配信サービス

Huludビデオ バンダイチャンネルを試してみましたが、すべて視聴可能でした。ただ、テレビ視聴と同様に、上下に余黒が表示されます。

電子書籍を読む

電子書籍を読んだ時の快適さのチェックです。

小説、マンガなどの書籍はとてもスムーズに読めます。画面サイズも大きいため、細かな文字も拡大しなくともハッキリと読む事ができます。


雑誌の電子書籍PDFを縦位置表示


細かな文字もハッキリと表示される

 

漫画を横位置で表示しました。上下の余白も少なく表示されます。スペックが高いので、ページの切り替えもスムーズで、ストレスがありません。


横位置で電子書籍を表示

カメラのチェック

iPad Air 2に搭載されたリアカメラとフロントカメラをチェックしました。

カメラ搭載位置はリアカメラが本体裏面上部左、フロントカメラは本体上部中央です。


フロントカメラは表面上部中央


リアカメラは裏面上部左

 

iPad Airと比べ、iPad Air 2ではリアカメラの画素数が500万画素から800万画素にアップしています。同じ被写体を撮影した画像を拡大比較してみると、ディテールがより鮮明になっていますが、タブレット上で比較した限りではあまり差は感じられませんでした。


リアカメラの解像度を比較

 

Exifで表示された各カメラのスペックは次の通りでした。ちなみに動画の場合は1080pのHDビデオで撮影できます。

ipad Air2搭載カメラのスペック
スペック* フロントカメラ リアカメラ
ファイル形式 jpeg jpeg
画像サイズ 1280×960px 3264×2448px
最小絞り f2.4 f2.4
35mm換算焦点距離 31mm 31mm
※撮影ファイルをmacのプレビューでExif表示したデータに基づく。

 

標準で搭載されているカメラアプリの撮影機能には、新たにバーストモードとスローモーション撮影が追加されています。他にもタイマー機能やHDR、タイムラプス撮影、パノラマモードもあります。

App Storeにはカメラアプリも豊富にラインナップされていますが、標準カメラだけでも十分に使える機能が揃っています。


ipad Air2のカメラ撮影画面

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

視野角は広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネジメントツールでディスプレイの色域をチェックしました。1:1の直線に近く、素直な発色です。


i1 Display Proで作成したガンマ曲線
※Air Display 2 でWindows PCの画面を転送して計測しているため、誤差がある可能性があります

 

色域も十分な広さです。


i1 Display Proで作成したプロファイルをMacのColorSyncでグラフ表示
※Air Display 2 でWindows PCの画面を転送して計測しているため、誤差がある可能性があります

 

画素の拡大図です。シンプルな形状で開口率も良いと思います。ギラつきも感じません。


画面表面の拡大図

パフォーマンスのチェック

CPU、メモリ、GPUのいずれも、iPad Airをさらに上回る非常に高い水準の性能です。

下記にベンチマーク結果を掲載します。


PassMark PerformanceTest Mobile


AnTuTu Benchmark

Geekbench 3 - Processor Benchmark

3DMark

3DMark - Sling Shot using ES 3.0

表面温度のチェック

本体表面の温度チェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、タブレットを持つ手が熱くなり不快になります。

本体の裏面を計測した結果、発熱はかなり抑えられています。体感でもほとんど気になりませんでした。


バッテリー駆動時間のチェック

iPad Air 2のバッテリ―駆動時間は、メーカー公表で約10時間となっています。

当サイトでの実測値は下の表の通りです。標準的なバッテリー駆動時間です。

バッテリー駆動時間
負荷内容 バッテリー駆動時間
動画再生時 ※1 10時間42分
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生。

スリープ時のバッテリー残量の変化

MAXまで充電し、バッテリー駆動状態にした後、本体をスリープ状態にして24時間後のバッテリー残量を確認しました。スリープ状態ではほとんどバッテリー消費がなく、省電力性能はかなり高いです。

ただし、通信機能のON/OFFやバックグラウンドで動作しているアプリなどによっても結果は変わってきます。


24時間スリープした後にアプリ"Battery"でバッテリー性能を計測

外観のチェック

外観です。

表面です。シンプルで洗練されたデザインです。

 

ホームボタンの□マークはなくなりました。ボタンの縁もゴールドになっています。押しやすさはiPad Airと変わりません。

 

側面はダイヤモンドカットで滑らかなエッジがつけられています。引っかかりもなく、手になじみます。

 

裏面です。裏面のカラーは選択したカラーによって異なります。

 

Cellularバージョンの場合は、裏面上部に白色のユニット部分が追加されます。でっぱりはありません。

スピーカーはステレオで、下側面に配置されています。音質は悪くありませんが、本体を手に持って再生すると、本体が薄いためか、本体がけっこう振動します。

充電と有線接続は中央のLightning-USB端子で行います。

 

イヤホン端子は上側面にあります。

 

SIMカードスロットは右側面にあります。

電源ボタンは上側面、音量ボタンは右側面上部にあります。ミュートボタンはなくなりました。マイクもカメラの脇に2方向に配置されています。

 

なくなってしまったミュートボタンの変わりとなるミュート機能はコントロールセンターに追加されています。画面表示中に画面下からスライド操作すると表示されます。コントロールセンターの他の機能はiPad Airと同じです。

 

各側面です。シンプルで洗練されています。そして何より薄いです。

まとめ

以上がApple iPad Air 2のレビューでした。

iPad Airからさらに完成度も高まり、タブレットとしては十分すぎるスペックを備えています。動画再生やゲームなど、今回のレビューで使用したどのアプリでも動作がもたつくような事はありませんでした。特に古い世代のiPadなどからの買い替えの場合はその快適性はハッキリと体感できることでしょう。

新たに搭載された指紋認証センサーは感度も良好で、一度使うとPINコードを入力するのが億劫になってしまうほど便利です。

MVNOのSIMカードが使える「Wi-Fi+Cellularモデル」であれば、外出先でインターネットへ接続することも可能です。なお、SIMカードの比較ページも用意していますので、興味のある方は「SIMカードの比較」のページもご覧ください。

一世代前のiPad Airもデザイン面では大きな差はないので、予算状況に応じて購入候補になるでしょう。ただ、iPad Air は容量の少ないモデルしか現在購入できません。microSDカードを挿入して容量増設することもできないため、画像やアプリをたくさん保存する場合や、動画を保存する場合は、容量の多いiPad Air 2 のほうが良いと思います。

詳細はこちら
公式サイト:Apple Store

 

このタブレットで使用できるSIMカードは、下のページをご覧ください。

SIMカード比較