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ASUS ROG Zephyrus M GU502の実機レビュー
CPU | Core i7-9750H |
---|---|
GPU | GTX 1660Ti |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
液晶 | 15.6型 FHD 非光沢 240Hz |
質量 | 約1.95kg |
バッテリー | 最大 約6.8時間 |
価格[税別] | 25万円台~ |
ROG Zephyrus M GU502シリーズは、ボディが非常に薄くて、質量も2.0kgを切るゲーミングノートです。バッグに入れやすく、軽いので、持ち運びに便利です。
また、Core i7-9750H + GTX1660Tiのミドルスペック構成にしては勿体ないくらいの液晶を搭載しており、240Hz駆動で3msの応答速度に対応し、sRGBも100%あります(メーカー仕様値)。
また、ゲーミングノートにしては珍しく、USB PowerDeliveryに対応しています。カフェや新幹線などで軽作業をしながら充電したいときに便利でしょう。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-9750H、GeForce GTX 1660Ti、16GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ROG Zephyrus M GU502シリーズの特徴」のみお読みください。
ROG Zephyrus M GU502シリーズの特徴
薄型・軽量ボディ
ROG Zephyrus M GU502シリーズは、ゲーミングノートとしては非常にボディが薄く、さらに質量も2kgを切っており、持ち運びに便利な製品です。出張先でゲームやクリエイティブワークを行う方に最適な一台だと思います。
240Hz対応 & sRGB100%
ROG Zephyrus M GU502は240Hzの液晶を搭載しており、滑らかな映像でゲームを楽しめます。グラフィックス性能がミドルクラスのGeForce GTX 1660Tiなので、240 fps前後のフレームレートを出すのは難しいですが、ゲームによってはグラフィック設定を下げれば、100 fps前後のフレームレートが出ます。また、応答速度も3msとゲーミングノートにしては非常に速く、残像も少ないです。
メーカー仕様ではsRGB100%となっており、RAW現像や画像編集、動画編集などをするWeb系クリエイターにも適しています。
ゲーミングノートなのにUSB Type-C充電が可能
ROG Zephyrus M GU502は、ゲーミングノートとしては珍しく、USB Type-Cポートで充電することが可能です。最大65Wの充電であるため、ゲームをしながら充電をするのは難しいですが、Web閲覧しているだけとか、Officeで文書を作っているだけとかなら十分充電することができます。
カフェや新幹線などで充電したいときに、ゲーミングノートの大きいACアダプターを使うには邪魔になり、目立ってしまいますが、USB Type-C充電器なら小型であるため邪魔になりません。外出先では、ゲームではなく、一般的な作業をするような方には便利でしょう。
ハイレゾオーディオ認証取得のDAC搭載
ASUS ROG Zephyrus M GU502は、ハイレゾオーディオ認証を取得したDACを内蔵しており、ハイレゾ対応ヘッドフォンを接続すれば、クリアな音でゲームなどを楽しむことができます。
ゲームベンチマーク
GeForce GTX 1660Tiを搭載した本製品でのゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。
本製品は、通常は「パフォーマンス」というモードになっていますが、下図の画面から「Turbo」というモードに切り替えられます。Turboのモードにすると、騒音値が高くなる代わりにフレームレートがやや向上します。ここでは「パフォーマンス」と「Turbo」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
本製品なら、重い部類のゲームでも高めのグラフィック設定でゲームができます。
ただし、GeForce GTX 1660Tiにしてはやや低めのフレームレートでした。これはメモリがデュアルチャンネルではなく、シングルチャンネルであるためだと思われます。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 73 fps (Turbo 78 fps) |
標準品質 | 67 fps (Turbo 70 fps) | |
高品質 | 54 fps (Turbo 56 fps) |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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1920x1080 | 標準(ノート) | 106 fps (Turbo 107 fps) |
高(ノート) | 99 fps (Turbo 101 fps) | |
最高品質 | 83 fps (Turbo 85 fps) |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
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1920x1080 | 低品質 | 70 fps (Turbo 71 fps) |
高品質 | 63 fps (Turbo 64 fps) | |
最高品質 | 60 fps (Turbo 61 fps) |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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1920x1080 | 最高品質 | 15206 (Turbo 15259) |
他のゲームについては、下のリンク先を参照下さい。ただし、リンク先で掲載したフレームレートより、本製品はやや低めになると思われます。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
240Hz駆動に対応し、応答速度も3msと速いです。色域もメーカー仕様値ではsRGB100%(当サイトの計測では個体差・計測誤差もありsRGBカバー率98.8%)となっておりWeb系のクリエイターでも十分使える品質の液晶だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では257cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
表示遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約28msでした(3回平均)。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延はかなり少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
応答速度が3msとあるように、残像は非常に少ないです。
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、普通のノートPCは2フレーム前くらいまで残像が表示されているのに対し、本製品は240Hz駆動とフレームの切り替えが速いにも関わらず、1フレーム前がうっすら見える程度でした。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ROG Zephyrus M GU502シリーズのキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19x19mm、キーストロークは約1.2mmです。底付きの衝撃が少なく、比較的打ちやすいキーボードだと思います。また、Nキーロールオーバーにも対応しています。
ただし、英語キーボードのみとなっており、特殊キーの配置や、Enterキーの形状などがやや異なります。ここは好き嫌いが分かれると思います。
タッチパッドについては、クリックボタンのクリック音がやや大きいものの、操作は比較的しやすいです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
本製品は、通常は「パフォーマンス」というモードになっていますが、下図の画面から「Turbo」というモードに切り替えられます。Turboのモードにすると、騒音値が高くなる代わりにパフォーマンスがやや向上します。ここでは「パフォーマンス」と「Turbo」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
CPU
ゲーミングノートによく採用されるCore i7-9750Hを搭載しています。ベンチマークスコアは「パフォーマンス」モードだと普通のスコアですが、「Turbo」にすると、10%ほどスコアが上昇しました。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
3DMarkも、「パフォーマンス」モードだと普通のスコアですが、「Turbo」にするとスコアがやや伸びます。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
ゲームベンチマークと同様に速度が遅いです。これも、メモリがシングルチャンネルであるためだと思われます。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Premiere Proも同様に遅いです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間は速いです。Turboモードにするとさらに速くなります。
パフォーマンス | Turbo | |
x265でエンコード (※1) | 15分48秒 | 14分25秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分17秒 | 1分17秒 |
QSVでエンコード (※3) | 3分21秒 | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
パフォーマンスのモードにしたときのCPUクロックです。普通のクロックだと思います。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.95kg」とあり普通です。当サイトの計測値は下表の通りです。ゲーミングノートおよびクリエイターノートとしては軽量です。
質量 | |
PC本体 | 1.916kg |
ACアダプター | 780kg |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量をフリーソフトで確認すると約76Whです。
バッテリー駆動時間は下の通りで普通の駆動時間です。前述した通り、USB Typ-C充電器で充電できるため、外出先のカフェなどで充電するときは、このような充電器をうまく活用しましょう。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約6.8時間 |
(2) 動画再生時 | 5時間43分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | 4時間26分 |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
「パフォーマンス」のモードにしたときは、アイドル時は普通の騒音値ですが、他の状態はやや高めの騒音値です。「Turbo」モードにすると、さらに騒音値は上がります。
- パフォーマンス
- Turbo
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
薄型ボディですが、温度は普通です。「パフォーマンス」モードと「Turbo」モードで計測しましたが、「Turbo」モードのほうがやや低めの温度でした。
- パフォーマンス
- Turbo
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。「パフォーマンス」モードで計測した数値です。70℃台で推移しており、普通の温度だと思います。
FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。「パフォーマンス」モードで計測した数値です。こちらも70℃台で推移しており、普通の温度だと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。こちらは「パフォーマンス」モードで計測した数値です。
キーボード中央部分は熱いですが、パームレストおよびWASDキーはそれほど熱くありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
ゲーミングノートなので、一般的なノートPCよりも消費電力は高いです。
外観のチェック
ROG Zephyrus M GU502の外観のチェックです。
ボディには、マグネシウム-アルミニウム合金が採用されています。3辺狭額ベゼルで、見た目もモダンです。
天板です。ロゴはうっすらと赤く光ります。
液晶が開く最大の角度です。
側面のインターフェースです。ポートの種類は豊富です。
底面です。
スピーカーは底面にあります。音質は悪くありませんがややこもった感じがあります。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5~6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
ACアダプターは、230W(19.5V、11.8A)と大容量です。
まとめ
ROG Zephyrus M GU502シリーズは、非常に薄型で、ボディも軽いゲーミングノートです。
スペックは、Core i7-9750H、GeForce GTX 1660Tiのミドルスペックとなっています。液晶については、240Hz対応、3msの応答時間で遅延も少なく、sRGB100%となっており優秀です。
外出や出張時に、ノートPCを持ち運びたいゲーマー、クリエイターに最適な一台です。
また、USB Type-CによるPowerDeliveryに対応しており、小型のPD充電器が使えるため、カフェなど軽作業を行うとき、サイズが大きい230WものACアダプターを繋げなくてもいいので便利です。
非常に薄くて軽いゲーミングノート
ROG Zephyrus M GU502シリーズ
特徴
- 薄型・軽量で持ち運びに便利
- 240Hz対応、3msの応答速度で液晶の品質が高い
- USB Type-Cによる充電が可能
こんなあなたに
- 外出先にノートを持ち出したいゲーマー
- 外出先にノートを持ち出したいクリエイター
- 価格25万円台[税別]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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