※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
デル Inspiron 24 オールインワン(5415) の実機レビュー
CPU | Ryzen 3 7330U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | 256GB ~ 1TB SSD |
液晶サイズ | 23.8インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
価格[税込] | 7万円台~ |
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、23.8型液晶を搭載した一体型PCです。
大画面で見やすいことに加えて、色域が広めなので、写真や動画を色鮮やに表示することができます。省スペースで設置することができますし、HDMI入力に対応しており、外部モニターとしても使うことができ、便利です。
このような特徴を備えた機種が7万円台(税込)からなので、コスパが高いです。
ただし、中身は一般向けノートPCとほぼ同じです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 3 7330U、8GBメモリ(8GB x1)、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 24 オールインワン(5415)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 24 オールインワン(5415)の特徴
見やすい23.8型の大画面搭載で7万円台~
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、23.8型の大画面を搭載した一体型パソコンです。
一般的なFHD(1920x1080)解像度なので、1画面を広く使えるというわけではありませんが、ノートPCよりも画面が大きいため、100%スケールで表示しても文字が見やすいです。「ノートPCだと文字が小さくて、ちょっと見づらいな・・」と感じている方にもおすすめです。
また、sRGBカバー率99%(仕様値)と色域が広めなので、写真や動画を色鮮やかに表示することができます。ネット動画などを視聴することが多い方にも適しています。
なお、ノートPCでも、色域が広めの液晶を搭載したモデルだと10万円台(税込)ぐらいからの価格になることが多いですが、Inspiron 24 オールインワン(5415)は7万円台(税込)から購入することができるので、コスパが高いです。
机上のスペースを有効に活用できる
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、23.8型の大きな液晶を備えたパソコンですが、設置時の机上の占有スペースが意外と狭いです。
本体の幅は約542.7mm、スタンドの長さは約200mmで、下図のようにスタンドの間にキーボードを収納することができます。そのため、机の奥側に配置しておけば、手前側を有効に活用できます。また、キーボードとマウスを手前に移動するだけで、すぐにパソコンを使用することができ、収納しているノートPCを取り出す場合よりも使い勝手がいいです。
電源ケーブル1本で簡単設置
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、キーボード、マウスも無線タイプのものが付属しています。そのため、電源ケーブルを1本つなぐだけで、簡単に設置することができます。
机の上をスッキリした状態に保つことができますし、部屋の模様替えをするときなどでも、簡単にパソコンを移動することができます。
スピーカー音が良い
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、スペースに余裕があるため、一般的なノートPCが搭載するようなスピーカーよりも大きめのスピーカーを搭載しています。
仕様では、スピーカーの平均出力:5Wとなっていました(一般的なノートPCは、1W~2Wぐらい)。そのため、一般のノートPCよりもサウンドがいいです。
パソコンを使ってBGMを流したり、ネット動画を少しいい音で視聴するのにいいと思います。
外部ディスプレイとしても使える
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、HDMI出力ポートを備えており、別のディスプレイをつないで、2画面で使用することができます。
また、HDMI入力ポートも備えています。モバイルノートPCなどをつないで大画面で作業したり、家庭用ゲーム機をつないでゲームをしたり、TVチューナーをつないでテレビを見たりすることもできます。Fire TV Stickをつないで、Primeビデオを手軽に楽しむこともできますし、何かと便利です。
なお、HDMI入力と、PC画面の切り替えは、底面のモニターモードスイッチ(下図の左側の小ボタン)で行います。
一般ノートPCと同程度の処理性能
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、一体型のデスクトップPCですが、CPUには一般ノート向けの「Zen 3」世代Ryzenプロセッサーを搭載しています。簡単に言うと、中身は一般向けノートPCとほぼ同じなので、デスクトップPCほどの処理性能は備えていません。
今回は、Ryzen 3 7330U搭載モデルをチェックしました。下のベンチマーク結果を見てもわかるように、処理性能は高くありません。Web閲覧や、ネット動画の視聴などがメインであれば、Ryzen 3 7330U搭載モデルでもいいと思いますが、ある程度快適に使用したいのであれば、Ryzen 5 7530U以上がおすすめです。
8GBメモリはシングルチャネル構成
Inspiron 24 オールインワン(5415)では、Ryzen 3 7330U / Ryzen 5 7530U搭載モデルは8GBメモリ、Ryzen 7 7730U搭載モデルは16GBメモリを搭載しています。
そして、8GBメモリの場合、1枚挿しのシングルチャネル構成となります。シングルチャネルだと、メモリ帯域が狭くなり、CPU内蔵グラフィックスの性能が低くなってしまいます。
ネット動画の視聴や、Officeソフトでの作業であれば、グラフィックス性能をそれほど気にする必要はありませんが、グラフィックス性能が求められる作業をする場合は、注意が必要です。例えば、写真や動画を簡単に編集して、ファミリー動画などを作りたいという方は、Ryzen 7 7730U、16GBメモリのモデルの方がいいと思います。
各用途の快適度
Inspiron 24 オールインワン(5415) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
○ | 処理性能は十分です。見やすい大画面で作業ができます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 23.8型の大画面液晶は、sRGBカバー率99%(仕様値)と色域が広めなので、色鮮やかな表示が可能です。スピーカー音もよく、動画鑑賞は快適です。 |
オンライン会議 | ○ | デスクトップPCですが、ウェブカメラ、マイク、スピーカーを搭載しており、外付け製品を購入しなくても、すぐにオンライン会議をすることができます。 |
RAW現像 画像編集 |
△~○ | ディスプレイの色域は広めですが、一般のノートPC向けのCPUなので、処理に時間がかかります。たまに簡単な編集作業を行う程度なら問題ないと思いますが、その場合は、Ryzen 7、16GBメモリの構成がいいでしょう。 |
動画編集 | △~○ | 8GBメモリのモデルは、シングルチャネル構成なので、動画編集には向いていません。Ryzen 7、16GB(デュアルチャネル)の構成であれば、FHD動画の簡単な編集ならできなくもないと思います。なお、本格的に動画編集を行う方は、外部GPUを搭載したPCの方がおすすめです。 |
ゲーム | △ | ゲーム向きの製品ではありませんが、Ryzen 7、16GBメモリ(デュアルチャネル構成)のモデルであれば、画質を落とすことで、軽めのゲームならある程度プレイできるとは思います。また、HDMI入力があるので、SwitchやPS5をつないで、ディスプレイとして使用することができます。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 24 オールインワン(5415)のディスプレイは、23.8型のFHD液晶です。タッチ操作には対応していません。
23.8型と大きいディスプレイなので、画面が見やすいです。「ノートPCだと小さな文字が見づらく感じる」という方にもいいと思います。また、色域が広めなので、色鮮やかな表示で写真や動画を見ることができます。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は当サイトの計測では271cd/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびマウスのチェック
Inspiron 24 オールインワン(5415)には、Dell Pro ワイヤレス キーボード&マウスが付属しています。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約2.5mmです。フルサイズのキーボードで、一般的なノートPCよりも深めのキーストロークです。
主要なキーのサイズが揃っていますし、しっかりと打ち込むことができるので、打ちやすいキーボードだと思います。標準的な配置の4列テンキーがついているので、数字の入力もしやすいです。
マウスは、普通のホイールマウスです。
パフォーマンスのチェック
続いて、パフォーマンスのチェックを行います。
CPU
Inspiron 24 オールインワン(5415)は、ノートPC向けの「Zen 3」世代Ryzenを搭載しています。デフォルトTDP:15Wクラスのプロセッサーで、Ryzen 3 7330U、Ryzen 5 7530U、Ryzen 7 7730Uのいずれかを選ぶことができます。
今回は、Ryzen 3 7330U搭載モデルをチェックしました。ベンチマークの結果は以下のとおりです。
シングルコア、マルチコアともに、スコアは低めです。とはいっても、マルチコアでは、第11世代Core i7-1165G7の代表的なスコアよりも高い数値が出ているので、Web閲覧、ネット動画の視聴、Officeソフトでの簡単な作業など、それほど負荷が重くない作業であれば、それなりに使用することができると思います。
ある程度快適に、長く使いたいのであれば、Ryzen 5搭載モデルがおすすめです。また、複数のアプリを立ち上げて作業するような方は、Ryzen 7搭載モデルを選ぶといいでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリは、DDR4-3200です。8GBメモリの場合は、1枚挿しのシングルチャネル構成になっているので、メモリ帯域幅は狭いです。16GBメモリの場合は、8GB x2のデュアルチャネル構成になるので、メモリ帯域がもう少し広くなるはずです。
なお、スロットメモリなので、メモリの増設・換装ができると思いますが、メモリスロットにアクセスするのは少し手間がかかりそうです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
続いて、グラフィックス性能のチェックです。
Inspiron 24 オールインワン(5415)のグラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。
ベンチマークの結果は下のとおりです。
今回は、メモリがシングルチャネル構成だったので、ベンチマークのスコアは低かったです。ただ、Web閲覧や、ネット動画の視聴などを行う分には問題のない性能です。なお、メモリを2枚挿しのデュアルチャネル構成にすると、グラフィックス性能はもう少し高くなります。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※本製品以外のメモリはデュアルチャネル
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載していました。チップセットがPCIe Gen3までしか対応していないので、PCIe Gen3 SSDに近い速度になっていますが、一般向けのパソコンとしては、十分な速度が出ています。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。また、SDカードスロットが背面にあるので、SDカードの抜き差しはしにくいです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、ポップアップタイプで、使用時は前方に少し傾けることができます。Webカメラを使用しないときは、収納しておくことができ、セキュリティ面でも安心です。
なお、Webカメラは、FHDカメラです。
スピーカー
本製品は、液晶の下の部分にスピーカーを搭載しています。"ノートPC基準"で点数を付けるならば、10点満点で8点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。
CPU電力は、25W前後でしばらく動作した後、15W前後に下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、最大でも67℃程度と低く、問題のない温度です。欲を言えば、少し高めのCPU電力で動作して、CPUのパフォーマンスをもう少し引き出せると良かったかなと思います。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも、エンコードのような高い負荷をかけた時も、ファンの騒音値はほぼ同じです。常にファンの音がしますが、それほどうるさくはありません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
ノートPC向けの15Wクラスのプロセッサーを搭載しているので、消費電力は低いです。
外観のチェック
Inspiron 24 オールインワン(5415)の外観をチェックします。
液晶フレームが4辺とも非常に細いです。電源ケーブル1本で設置でき、全体的にスッキリしたイメージで、設置場所を選びません。
今回のカラーはパールホワイトですが、ダークシャドウグレーのボディも選択することができます。
背面もカバーで覆われていて、見た目がいいです。背面が見えるような場所にも設置しやすいです。
本体は、上部も下部もスリムです。
スタンドは、本体の両端に付いています。キーボードを収納するなど、本体下部のスペースも使用しやすいです。
なお、ダークシャドウグレーのボディの場合は、Y字型のアーチスタンドとなり、形状が少し異なります。
インターフェースは、下図の通りです。
右側面にUSB3.1 Type-Cを備えています、背面には、USB3.1 Gen1 Type-A x2、USB3.1 Gen1 Type-A、HDMI出力、HDMI入力、LANポート、SDカードリーダーがあります。ほとんどのポート類が、背面に配置されているので、壁側に設置すると、ケーブルやSDカードの抜き差しがしにくくなります。
液晶面の傾き角度は下の画像の通りです。一体型PCとしては、十分な角度だと思います。
底面には、電源ボタン(右側の大きいボタン)と、HDMI入力とPC画面の切り替えを行う、モニターモードスイッチ(左側の小さいボタン)が配置されています。
ACアダプターは90Wです。
まとめ
以上が、Inspiron 24 オールインワン(5415)のレビューです。
23.8型液晶を搭載した、一体型パソコンです。
画面サイズが大きなFHD液晶で、画面が見やすいです。ノートPCだと文字が小さくて見づらく感じている方にもおすすめです。また、sRGBカバー率99%と色域が広めなのもポイントです。写真や動画を色鮮やかな表示で見ることができます。
通常、色域広めの液晶を搭載すると、ノートPCでも10万円台(税込)くらいの価格になるのですが、Inspiron 24 オールインワン(5415)は、上記のような大型液晶を搭載しながら、7万円台(税込)から購入することができるので、コストパフォーマンスが高いです。
大型液晶ですが、省スペースでの設置が可能なので、机の上のスペースを有効に活用することができますし、設置も簡単です。また、サウンドもなかなかいいです。
別の特徴としては、HDMI入力ポートを備えており、ノートPCや、家庭用ゲーム機などをつないで、外部ディスプレイとして使うことができます。
なお、一体型デスクトップPCですが、中身は一般的なノートPCとほぼ同じです。CPUがノートPC向けの「Zen 3」世代Ryzenなので、デスクトップ用CPUを搭載した機種ほどの処理性能ではありません。特に、Ryzen 3搭載モデルは、ライトユーザー向けです。ある程度快適に使いたい場合は、Ryzen 5以上がおすすめです。また、メモリ構成を考えると、画像・動画のライトな編集もしたいというような場合は、Ryzen 7、16GBメモリのモデルがいいでしょう。
見やすい大画面のオールインワンPC
Inspiron 24 オールインワン(5415)
特徴
- 見やすくて、色域広めの23.8型大画面を搭載
- 簡単・省スペースでの設置が可能
- HDMI入力対応で外部モニターとしても使える
こんなあなたに
- 大きくて見やすい液晶を備えたパソコンを使いたい方
- ネット動画などを見ることが多い方
- 価格7万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ