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Core Ultra H搭載でも安い、デル Inspiron 14 Plus (7440) の実機レビュー

CPU | Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 14インチ 16:10 |
画面種類 | 2240x1400 非光沢 2880x1800 非光沢 |
質量 | 1.60 kg |
バッテリー | 64Wh |
価格[税込] |
Inspiron 14 Plus (7440)は、高性能のインテル Core Ultra 7 155Hを搭載しつつ、価格が安いノートPCです。
3月8日時点では、セールをやっていることもあり、17万円台から14万円台に値下がりしています。
キーボードも比較的打ちやすいですし、2.8Kディスプレイも選択可能です。
個人的には、Core Ultra 7 155H、32GBメモリ、2.8Kディスプレイの構成もおすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 155H、32GBメモリ、1TB SSD、2880x1800液晶
目次
お忙しい方は、「Inspiron 14 Plus (7440)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 14 Plus (7440)の特徴
Core Ultra 7 155Hモデルとしては最安?
Inspiron 14 Plus (7440)は、3月8日時点ではセール中ということもあり、14万円台から購入可能です。Core Ultra 7 155Hを搭載したノートPCとしては、おそらく最安です。32GBメモリのモデルでも16万円台です。
ライバル機種となるIdeaPad Pro 5i Gen 9のCore Ultra 7モデルが16万円台、HP Pavilion Plus 14-ewのCore Ultra 7モデルが18万円台です。いかに安いかが分かると思います。

少し負荷のかかる作業をする方におすすめ
Core Ultra 7 155Hの性能の高いCPUを搭載しているので、動画編集や画像編集など、やや負荷のかかる作業をする方におすすめです。原神クラスの軽いゲームもプレイできるでしょう。

ディスプレイが綺麗
本製品は、2.2Kと2.8Kのディスプレイがあり、どちらも解像度が高いです。
特に2.8Kディスプレイであれば、一度に表示できる情報量が多いので、ウィンドウを2つ並べて作業をすることもできるでしょう。

やや残念な点
Inspiron 14 Plus (7440)のデメリットとしては、メモリがオンボードなので交換することができない点です。このPCを選ぶ方は、負荷が高めの作業をする方が多いと思うので、メモリは32GBにすることをおすすめします。
また、HDMIポートが1.4となっており、最大解像度は1920x1080/60Hzとなっています。4K/60Hzでは出力できない仕様なのでご注意下さい。ただ、当サイトでテストした限りでは、4K/60Hz/RGBで出力することができていました。
各用途の快適度
Inspiron 14 Plus (7440) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 見やすいディスプレイで、解像度も高く作業がしやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが色鮮やかで、スピーカー音もいいので、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | ディスプレイの色域が広めなので、画像編集などにも適しています。 |
動画編集 | ○ | FHD解像度の簡単な動画編集であれば可能です。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽めのゲームであればできます。軽くないゲームをするときはゲーミングノートPCがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、2.2Kと2.8Kがあり、どちらも非光沢の液晶です。有機ELではありません。
今回、2.8Kのディスプレイをチェックしましたが、解像度が高く、色域が広めで見やすいです。詳細は、以下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで計測した色域は、以下の通り比較的広いです。最大輝度は、302cd/m2と普通でした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 78% |
Adobe RGBカバー率 | 75% |

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も比較的揃っており、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢ディスプレイなので、映り込みが抑えられております。ギラつきはやや感じますが、それほど気にはなりません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 14 Plusのキーボードは、比較的タイピングしやすいです。
キートップはほぼフラットに近いですが、キーピッチが実測で横:19mm、縦:18mmと十分あり、小さいキーがなく、「半角/全角」キーや「Enter」キーなどよく使うキーが大きかったので、タイプミスしにくいです。キーストロークは実測で約1.5mmと十分な数値です。
「backspace」キーの真上が、「delete」キーではなく電源ボタンになっているので、誤って電源ボタンを押しやすいですが、電源ボタンは強く押さないと反応しないので、タイピングするような力では電源が押されてスリープになるようなことはありません。
タッチパッドは広めで使いやすいです。クリックボタンはややクリック音が大きいですが、普通に使えます。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
Inspiron 14 Plusのパフォーマンスのチェックです。
ここでは、デフォルトの「最適化」と、最もパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で、ベンチマークソフトを実行します。

CPU
CPUは、インテル Core Ultraシリーズ1のCore Ultra 7 155Hを搭載しています。
マルチコア性能が比較的高いので、負荷のかかる処理も速く終わります。
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能は、CPU内蔵のものとしては高いです。このくらいのスコアがあれば、原神、崩壊:スターレイルといった軽いゲームであれば、画質を下げることでプレイ可能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

NPU
NPUも搭載していますが、最大 11 TOPSと高くはありません。おまけ程度の性能です。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージは、比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~

SDカードスロット
micro SDカードスロットがありますが、スロットの読み書き速度はあまり速くありません。
~ SDカードスロット性能 ~


その他のベンチマーク
Core Ultra 7 155Hのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

Lightroomの書き出しは、比較的速いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

動画の書き出し時間はまずまずです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
Inspiron 14 Plusの質量のチェックです。
モバイルノートPCほど軽くはありませんが、持ち運べないこともない軽さです。
付属のACアダプターはやや重いです。USB PD充電器にも対応しているので、外へ持ち出すときは、そちらを使うといいでしょう。
質量 | |
PC本体 | 1.558kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 451g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 14 Plusのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は64Whとなっており、大きめの容量です。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、以下の通りです。バッテリー容量は大きいですが、性能が高めなので、バッテリー駆動時間は普通です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) YouTube動画再生時 | 13時間37分 |
(2) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 6時間45分 |
(2) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、Core Ultra 7 155Hのプロセッサーのベースパワーは28Wです。
CPU電力は、「最適化」モードも、「超高パフォーマンス」モードも高いCPU電力で動作しており、高いパフォーマンスが出ています。
CPU温度は、「最適化」モードであれば問題ありません。「超高パフォーマンス」モードの場合や高めです。
- 最適化時
- 超高パフォーマンス時


静音性のチェック
動作音は普通です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約20~30dB | 約32dB | 約43dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷をかけると、キーボードの中央からややひだり側が熱くなりますが、中程度の負荷であればそれほど熱くなりません。通常の作業であれば温度は気にせず使えると思います。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
アイドル時などは低めですが、エンコード時はそれなりに消費電力は上がります。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
7W | 12W | 21W | 54W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Inspiron 14 Plusの外観のチェックです。
ボディはアルミ製で質感は良いです。全体的に丸みを帯びたデザインで、女性にも合っていると思います。

天板には、Dellのロゴが入っています。

ボディはまずまずの薄さです。


スピーカーは底面の左右に配置されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

WebカメラはFHD画質で、映りはまずまず。なお、顔認証には対応していません。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
指紋認証には対応しています。

側面のポート類です。種類は揃っています。Thunderbolt4ポートは、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。HDMIポートは前述した通り、FHD/60Hzまでのサポートとなります。


ヒンジは、以下の図までしか開きません。

底面です。

大きな冷却ファンが1つで、2方向から排気しています。メモリはオンボードです。

SSDは換装できそうです。

ACアダプターは、90Wと大きめの容量です。

まとめ
以上が、Inspiron 14 Plus (7440)のレビューです。
今、3月8日時点ではセールを行っていることもあり、性能の高いインテル Core Ultra7 155Hを搭載したノートPCとしては、かなり安いです。14万円台から購入可能です。
キーボードも比較的打ちやすく、ディスプレイも高解像度で見やすいので、仕事にも、クリエイティブワークにも使いやすいです。
この機種の購入を検討している方は、やや高めの性能を望んでいると思うので、32GBメモリ、2.8K液晶のモデルがおすすめですが、この構成でも16万円台と安いです(セール時の価格)。
なお、メモリがオンボードなので交換することはできません。そういった意味でも、この機種を買うなら、32GBメモリのモデルがおすすめです。
Core Ultra H搭載でも安い
Inspiron 14 Plus (7440)

特徴
- Core Ultra7 155Hを搭載し高い性能
- 高いコストパフォーマンス
- キーボードが割と打ちやすい
こんなあなたに
- 普通のノートPCよりやや性能が高いPCが欲しい方
- 軽くゲームや動画編集をしたい方
- 価格14万円台~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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