ドスパラ DX-C5の実機レビュー

更新日:2020年6月28日
CPU Core i5-10210U
メモリ 8~32GB
1st ストレージ PCIe SSD
2nd ストレージ SSD / HDD
光学ドライブ なし
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD 非光沢
質量 約1.85kg
バッテリー 約 7.7時間
価格[税込] 7万円台~
一般ユーザーにちょうどいいノートPC

DX-C5は、標準的な構成の一般ユーザー向けノートパソコンです。

Core i5、8GB、250GB SSDといった初期構成で、6万円台から購入可能です。十分なスペックで価格も比較的安いと思います。

また、この価格帯のPCとしては、ディスプレイの色域が比較的広いため、色の再現性が高いです。

メモリやストレージをカスタマイズすることも可能で、ストレージについては、最大2台搭載することができます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i5-10210U、8GBメモリ、250GB SATA SSD

 

目次

お忙しい方は、「DX-C5の特徴」のみお読みください。

 

DX-C5の特徴

無難に使える標準的スペックのノートPC

DX-C5は、これといって尖った部分はありませんが、不足する部分もなく、無難に使えるスタンダードなノートPCです。Core i5-10210U、8GBメモリ、250GB SSDの初期構成で、一般ユーザーに最適なスペックです。

標準的な構成

 

価格も比較的安い

DX-C5は価格も比較的安くなっています。レノボやデルといった外資メーカーのノートPCと比較すると、やや高いですが、大きく違うわけでもなく、「安心できる国内メーカーがいい」という方には、非常にお買い得だと思います。

また、メモリ、ストレージのカスタマイズが可能で、比較的安く大容量パーツへ変更できます。メモリ、ストレージ容量を増やした場合、他機種よりもコストパフォーマンスが高くなるケースもあります。

高コスパの15インチノートPCの比較
  ドスパラ
DX-C5
レノボ
IdeaPad S540
デル Inspiron 15
5000 (5593)
CPU Core i5-10210U Core i5-10210U Core i5-1035G1
メモリ 8GBメモリ 8GBメモリ 8GBメモリ
ストレージ 250GB SSD 256GB SSD 512GB SSD
価格 67,980円 60,420円 66,383円

 

液晶の色域がやや広い

DX-C5の液晶は、視野角が広く、色域がやや広めで、比較的見やすいです。6万円台で購入できるノートPCにしては、液晶の品質は良い方だと思います。

比較的広い色域

 

意外に軽い

DX-C5の質量はメーカー公表値を確認すると約1.85kgとなっていますが、当サイトによる計測値では1.535kgと公表値よりも軽いです。15インチクラスのノートPCの中でも軽い部類に入ると思います。外出先へ気軽に持ち運べるような軽さではありませんが、別の部屋へ移動したり、使わないときは引き出しに収納したりするような方には適していると思います。

当サイトによる計測値では1.535kg

 

ダブルストレージ構成が可能

DX-C5は、M.2 SSDと2.5インチストレージを搭載することができます。1台をOS領域、もう1台をデータ領域なといったように分けることができるので便利です。

ダブルストレージ構成が可能

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
問題ないスペックです。
動画鑑賞 スペックは十分で、液晶も比較的見やすいです。ただし、スピーカー音はそこまで良くありません。
RAW現像
画像編集
sRGBカバー率は91.6%で、頻繁に画像編集する方には物足りない色域ですが、趣味でたまに使う程度なら、アリなんじゃないかと思います。CPU性能も同様です。メモリは16GBへカスタマイズしたほうがいいでしょう。
動画編集 PowerDirectorのような軽めのソフトで、簡易的に動画編集することは出来ますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲームには適していません。ただし、「Intel UHD 630でどこまでゲームができるか?」で記載したようなゲームなら、出来なくもないです。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

一般ユーザーが使うには十分な品質の液晶でしょう。最大輝度は、当サイトの計測では288cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は6万円台のPCとしてはやや広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は91.6%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、やや青色が強く発色していることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはありません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、輝度を0にしてもフリッカーは確認できませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

DX-C5のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmです。キーストロークは約1.6mmと標準的です。キートップはほぼフラットで、反発がやや強めです。見た目も打ち心地も、やや安っぽさを感じます。また、テンキーは3列になっており、「+」や「-」の位置が通常とは異なるため、テンキーを頻繁に使う方は注意しましょう。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

標準的な性能です。

CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-10210U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 4900HS 4250
Core i9-10980HK 3713
Core i7-10875H 3557
Core i7-10750H 2965
Core i7-10710U 2211
Core i5-10300H 2113
Core i7-1065G7 1484
Core i7-10510U 1459
Core i5-1035G1 1424
Core i5-10210U 1418
1213 [レビュー機で計測]
Core i3-10110U 922
Celeron N4100 459
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

デフォルトではSATA SSDですが、より高速なPCIe SSDを搭載することも可能です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB SATA SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD ~3200
SATA-AHCI SSD 558 [レビュー機で計測]
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大275MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。以下のグラフでは、レビュー機で計測したもののみ緑色にしています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 30分55秒
QSVでエンコード (※2) 3分26秒
NVENCでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Core i7-10875H 11分54秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i7-10710U 19分05秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
30分55秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-10110U 42分20秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれていないものは、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.85kg」とありますが、当サイトの計測値はそれよりも大分軽い1.535kgでした。ただし、2.5インチストレージやメモリを追加すると、もっと質量は重くなると思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.535kg
ACアダプター+電源ケーブル 267g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は34.18Whでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りで、やや短いです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約7.7時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 5時間42分
(4) PCMark 8 Work
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

カメラ・マイク・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラの解像度は1280x720で、画質はそこまで良くはありません。

Webカメラの前にマネキンなどを置いて、Windows 10標準のカメラアプリで撮影
Webカメラの画質
左:本製品、右:Logicool StreamCam

 

マイク性能

マイク性能については、Zoomのアプリでビデオ通話をしたときの音声を確認しました。ややエコーがかかったような状態になりますが、十分オンライン会議などで使えると思います。ただし、1万円台の少しいいマイクと比べると、音質はやや落ちます。

Zoomでミーティング中の音声を録音
本製品のマイク
[参考]1万円台のマイク
audio-technica AT2020USB+
※音声を再生するには、audioタグをサポートしたブラウザが必要です。

 

スピーカー

スピーカーは底面にあり、音質は、10点満点で4~5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷をかけたときの動作音も割と静かです。ファンレスではないため、無音とまではいきませんが、ファン音がうるさくて作業に集中できない、といったことは少ないと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

60℃台で推移しており、問題ない温度です。

x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

低めの温度です。パームレスト部分の温度には、ほとんど変化がないので、作業中でも不快に感じることはありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

UシリーズのCoreプロセッサーであるため、やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ややプラスチック感のある外観で、高級そうには見えません。

 

天板はロゴなど無くシンプルです。

 

ボディは比較的薄いです。

 

インターフェースは充実していると思います。ただし、USB-Cは、PowerDeliveryおよび映像出力には対応していません。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

底面カバーを外したときの画像です。

 

メモリは2スロットあります。

 

M.2 SSDは換装できると思います。

 

2.5インチベイにはケーブルがないので、増設するなら自分でやるより、購入時のカスタマイズ画面で追加したほうが手間がかからないと思います。

 

ACアダプターのサイズは小さめですが、電源ケーブルは太めです。容量は40Wです。

 

まとめ

DX-C5は、第10世代Core i5プロセッサー、8GBメモリ、250GB SSDを初期構成としたスタンダードなノートパソコンです。一般ユーザーにちょうどいいスペックだと思います。価格も比較的安く、コストパフォーマンスは高いです。

カスタマイズをすれば、最大32GBメモリ、2基のストレージを搭載することも可能です。

他の安いノートPCとは違い、液晶の色域がやや広めなのも良かったです。普通の液晶よりも鮮やかに表示されるので、画像などが綺麗に見えます。

質量も比較的軽いので、取り扱いしやすいと思います。

ただし、ボディやキーボードは、ややチープさを感じます。この辺りを気にしない方であれば、お得感な買い物だと思います。

 

一般ユーザーにちょうどいいノートPC

DX-C5

特徴

  • 標準的なスペックで、割と安い
  • 価格の割には液晶が見やすい
  • ダブルストレージ構成が可能

こんなあなたに

  • 多くの一般ユーザー
  • デザインはあまり気にしない方
  • 価格7万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

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