富士通 LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)の実機レビュー

更新日:2020年1月10日
CPU Core i7-9750H
メモリ 4~32GB
ストレージ HDD / SSD /
SSD+HDD
光学ドライブ DVDスーパー /
ブルーレイ
画面サイズ 15.6型
画面種類 4K 有機EL 光沢
質量 約2.0kg / 2.1kg
バッテリー 約4時間
価格[税別] 約15万円台~
※クーポン適用時
4K有機EL搭載のハイスペックノート

4K有機ELを搭載している点が特徴の15.6型ノートPCです。画像や映像を、色鮮やかなカラー、引き締まった黒で表現できます。

また、CPUには一般的なノートPCより性能の高い「Core i7-9750H」を搭載しています。負荷の高い処理が高速に終わり、ストレスなく作業できることでしょう。

DCI-P3 約100%の広色域ディスプレイおよび高性能CPUを搭載していることから、RAW現像などにも適した製品だと思います。

タイピングもしやすく仕事もはかどることでしょう。

標準で3年、最大で5年の保証も魅力で、初心者でも安心して使えるPCです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-9750H、32GBメモリ、256GB PCIe SSD + 1TB HDD

 

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目次

お忙しい方は、「LIFEBOOK WA-Xの特徴」のみお読みください。

 

LIFEBOOK WA-X/D3の特徴

4K有機ELを搭載

LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)は、4K有機ELを搭載したノートパソコンです。海外メーカーの製品には、4K有機ELはちらほらありますが、富士通が4K有機ELを搭載してきたのは、いい意味で驚きです。

4K有機EL

 

下図は、有機ELと一般的な液晶を比較した画像です。下図の場合、有機ELは赤の鮮やかさが明らかに違うのが分かると思います。また、一般的な液晶で黒を表示するときはバックライトがわずかに洩れてしまいますが、有機ELは黒を表示するときに発光素子が光らないため、引き締まった本物の黒を表現することが可能です。※ご覧のディスプレイによってはほとんど画像の違いが判らないこともあります。

左:有機EL、右:一般的な液晶

 

ただし、有機ELは同じ色を発光し続けると、焼き付きが起こるというデメリットがあります。そのため、本製品はダークモード(エクスプローラーなどの背景が黒いモード)に設定されています。さらに、人感センサーを取り付けて、人がPCの前に居ないときは、画面の輝度が落ちるように工夫されています。

また、有機ELパネルは薄くて曲がりやすいので、パネルメーカーからガラスを貼ってくれと言われたらしく、ドラゴントレイルのガラスを前面に貼って強度を高めています。そのため表面は光沢となっています。

狭額ベゼルにも搭載できる小型化された人感センサー

 

高い性能のHシリーズCoreプロセッサー搭載

LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)は、HシリーズのインテルCoreプロセッサーを搭載しており、CPU性能が高いです。

CPU性能が高いことに加えて、色域が広いディスプレイを搭載していることから、RAW現像や画像編集にも活用できると思います。ただし、sRGBを大きく超える色域のディスプレイは、Web系のクリエイターには逆に扱いづらいケースもあるのでご注意下さい。

一眼レフカメラで撮影した家族や自撮りのデジタル写真を、Lightroomなどのソフトで、より見栄えの良い画像に仕上げてみるのもいいと思います。

 

2.5mmもあるキーストロークで打ちやすい

LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)は、キーストロークが2.5mmもあり、キーボードが非常に打ちやすいです。通常のノートPCのキーストロークは2mm、もしくはそれ以下の場合がほとんどで、キーを押したときに浅いと感じることが多いです。一方、本製品は、押し始めの反発は少ないものの、デスクトップ用のキーボードの打鍵感に近いです。

また、キーによって重さを変えている点も非常に珍しいです。例えば、親指で押すキーは重く、小指で押すキーは軽くすることで、スムーズにタイピングできるようになっています。

2.5mmもあるキーストローク

 

光学ドライブ搭載

LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)は、海外メーカーでは省略されることが多くなった光学ドライブを搭載しています。CDやDVDをレンタルして視聴するような方は、光学ドライブがあったほうが便利でしょう。

光学ドライブ搭載

 

ダブルストレージ対応

本製品は、SSD + HDDの構成が可能です。OS領域とデータ領域を分けたり、メイン領域とバックアップ領域を分けたりできるため便利です。

ハードディスクの交換は簡単

 

標準で3年、最大で5年の保証

他社メーカーの場合、標準保証は1年であるケースが多いですが、本製品は標準で3年の保証が付いておりお得です。さらに、他社メーカーは、延長保証が最大3年のケースが多いですが、本製品は、最大で5年もの保証を付けられます。長く使おうと思っている方は安心かと思います。

最大5年の保証(価格や内容は変わる可能性があります)

 

各用途の快適度

本製品の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
CPU、メモリ、ストレージとも十分です。画面も見やすいです。ただ、色域が広すぎて普段使いには色が鮮やか過ぎると感じる方もいると思います。色域を変換する機能があれば尚良かったです。
動画鑑賞 色鮮やかな4Kディスプレイで、NetFlixなどの動画を楽しめます。
RAW現像
画像編集
CPU性能が高く、色域も広くRAW現像向きです。ただし、sRGBへ変換する機能はないため、sRGB領域で作業したいWebクリエイターなどには扱いづらいかもしれません。
動画編集 動画編集には、高めのグラフィック性能が必要な処理が多いので遅く感じることも多いと思いますが、CPU性能は高くディスプレイも綺麗なので、ある程度はこなせると思います。ただし、本格的に使うなら外部グラフィックスを搭載したPCのほうがいいと思います。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありません。ただし、軽めのPCゲームやブラウザゲームならプレイ可能です。

 

ディスプレイのチェック

前述の通り、有機ELを搭載しています。DisplayHDR 500 True Black認証を取得済みで、DCI-P3カバー率:約100%の色域です。最大輝度は当サイトの計測では499cd/m2と高いです。以下詳細を記載します。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は非常に広いです。当サイトの計測では、DCI-P3カバー率は100%、Adobe RGBカバー率は97.5%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線に近く、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはありません。

画面拡大

光沢ですが、反射はやや抑えられています。

画面への映り込み

フリッカーが発生していました。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードは前述した通り打ちやすいです。

おかしな配列のキーもないですし、矢印キーが一段下がったところにある点も良いです。さらにテンキーも搭載しています。ボディの端ギリギリまでキーを配置することで、テンキーを搭載しても、キーのサイズが小さくならずに済んでいます。

また、手をホームポジションに置いたときの左右の手の中間にタッチパッドが配置されています。これにより、手が誤ってタッチパッドに触れて、マウスポインターが意図せず動くことが少ないです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードにはバックライトも搭載しています。従来機種よりプリズムクリアキーボード(キーの側面が透明)を採用していることから、バックライトがよく映えます。

バックライトキーボード

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

Core i7-9750Hを搭載し、高い処理性能です。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
Core i7-9750H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3552
Core i7-9750H 2640 [他のPCで計測]
2164 [レビュー機で計測]
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1880
Core i7-10510U 1459
Core i5-10210U 1418
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-10110U 922
Celeron 3867U 294
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。さらにHDDも搭載しており、多くのデータを保存できます。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
512GB PCIe SSD
1TB HDD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 2954 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 128
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードリーダー/ライター

SDカードリーダー/ライターは高速です。

CrystalDiskMark 7(SDカード)
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i7-9700
16GBメモリ
69秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
86秒
Core i7-9750H
32GBメモリ
92秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
Core i7-8565U
16GBメモリ
136秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 18分7秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 2分46秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i7-9700 12分21秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Core i7-9750H 15分37秒 [他のPCで計測]
18分07秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10710U 21分43秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

質量のチェック

メーカー仕様値では約2.0~2.1kgです。当サイトの計測値は下表の通りです。

ACアダプターはやや重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.125kg
ACアダプター 475g

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時でもやや動作音が聞こえます。エンコード時(高負荷時)は普通の動作音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時の温度がやや高めです。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト後、70℃台まで落ちますが、徐々に温度が上がっていき、後半は80℃台で推移しています。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

普通の温度です。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

HシリーズのCoreプロセッサーに、4Kディスプレイを搭載しているため、一般的なノートPCよりはやや高めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

最後に、外観の画像を掲載します。ボディカラーはやや明るいブラックとなっています。

 

天板です。

 

パームレストはヘアライン加工が施されています。

 

ディスプレイが開く最大の角度です。

 

左右の側面です。主要なポートは揃っています。

 

正面側が鋭角にカーブし、より薄く見えるような工夫がなされていますが、このようなデザインにしたところ、そのままではハードディスクが入らないので斜めに配置するようにしたそうです。ハードディスクを斜めに配置すると耐久性が心配ですが、メーカーが言うには検証の結果、問題ないそうです。

 

底面です。ネジを1つ外せば、メモリのほうは換装できそうです。

 

今回、高い性能のCore i7-9750Hを搭載したことで、冷却ファンが大きくなっています。

 

ACアダプターは小型で持ち運びやすいです。容量は100Wです。

 

まとめ

以上が、富士通 LIFEBOOK WA-X/D3(AH-X/D3)のレビューです。

4K有機ELを搭載している点が特徴で、色鮮やかで、黒が引き締まった画像・映像を楽しむことができます。

また、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、CPU性能も高いです。サクサク仕事が進むでしょう。

キーボードも打ちやすいため、タイピングすることが多い方にもおすすめです。

最近では搭載されることが減った光学ドライブも搭載しています。

4K有機EL搭載のハイスペックノート

LIFEBOOK WA-X/D3

特徴

  • 有機ELを搭載し色鮮やか
  • Core i7-9750Hの高性能CPU
  • タイピングしやすい

こんなあなたに

  • 動画視聴、画像表示をよくする方
  • ノートでRAW現像をして印刷する方
  • 作業をサクサクこなしたい方
  • タイピングすることが多い方
公式サイトはこちら

 

 

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