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富士通 LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の実機レビュー
CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IGZO 光沢 |
質量 | 約1.39kg |
バッテリー | 約13.2時間 |
価格[税込] | 14万円台~ |
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)は、15インチクラスのノートPCとしては約1.39kgと軽くて使いやすい家ナカ用のノートPCです。
充電スタンドを使用すると、省スペースで収納できますし、テレビや外部ディスプレイに接続して使用するといったようなちょっと違った使い方もしやすいです。
パフォーマンス、デザイン、キーボードなども優れており、家ナカでの使い勝手は非常によく、ファミリーPCとしてもおすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1165G7、8GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の特徴」のみお読みください。
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3) の特徴
15.6型なのに約1.39kgと軽い
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)は、15.6型のノートPCですが、質量が約1.39kgと非常に軽いのが大きな特徴です。また、本体の厚みも、約18.4mmと薄めです。
家ナカでの使用を想定した機種で、非常に扱いやすく、サッと手に取り、リビング、ソファー、寝室など、どこででも気軽に使うことができます。
宅内で快適に使用できるノートPCを探している方におすすめです。
充電スタンドでより便利に
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)には、充電スタンドが用意されています。(カタログモデルのWT1/E3では、充電スタンドを選択する必要があります。)
充電スタンドは、下の画像のように、USB-Cポートで接続し、本体を縦置きで充電することができます。平置きするよりも、少ないスペースで済むので、テレビの横など狭い場所にも置くことができます。
充電スタンドは、本体への充電ができるだけでなく、HDMI出力を備えており、テレビや外部ディスプレイへの接続が可能です。下の画像のように、YouTubeなどの動画を大画面のテレビで視聴することもできます。
なお、充電スタンドに立てても、排気口がふさがれることもありませんので、放熱の面でも心配することなく使用できそうです。
外付けのキーボード・マウスを"PC側"に接続すると、デスクトップPCのような形でも使用できます。ただ、充電スタンド側にUSBポートがないのが残念です。それが出来ればドックのような使い方が出来ました。
色域広めのIGZO液晶
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)は、鮮やかな発色で、見やすいIGZO液晶を搭載しています。
当サイトの計測では、sRGBカバー率99%と、色域も広めでした。
家族の写真を見たり、ファミリームービーを作ったりするのにも適したディスプレイです。
キーボードが秀逸
富士通のこだわりだと思いますが、LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)は、シンプルながら、非常に打ちやすいキーボードを備えています。
打ち間違えないように、テンキーは少し間を空けて配置されていますし、矢印キーも一段下がって配置されています。キートップはわずかに湾曲していて、指馴染みがよく、キーストロークは、約1.7mmとやや深めなので、しっかりとした打鍵感があります。また、指の力に合わせて、キーの押下圧が2段階に調整されており、長時間のタイピングでも指が疲れにくいです。
サイズが小さいキーもなく、お手本のようなキー配置なので、非常に使いやすいです。在宅でのライティング作業などにも適していると思います。
高めのパフォーマンスを発揮
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)は、Core i7-1165G7を搭載していますが、今回のテストでは、CPUのマルチコア、シングルコア、グラフィックス性能の全てにおいて、高めのパフォーマンスが出ていました。
高負荷時でも、28W前後と高めのCPU電力をキープするため、Core i7-1165G7の性能を十分に引き出しているようです。 家ナカPCだからこそ、快適に使える性能を備えているのは嬉しいです。
テレワークなどにも十分対応できると思います。
ファブリック調のX-TEXTURE
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の天板やパームレスト部分には、X-TEXTUREという、ファブリック調の素材が使用されています。
少しデコボコした感じで、ファブリックのような温もりのある手触りです。家ナカ用のPCとして、生活空間に馴染むデザインだと思います。
なお、表面にはUVコートが施されているので、もし汚れがついても簡単に拭きとることができます。
デュアルチャンネルだけど、メモリは8GBのみ
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のメモリは、LPDDR4X-4266で、容量は8GBです。オンボードなので、換装や増設はできません。
デュアルチャンネルで動作するので、メモリ速度も速く、CPU内蔵のIntel Irsi Xeグラフィックスの性能も高いです。
ただ、複数のアプリを同時に起動することが多い場合や、タブブラウザで沢山のタブを開くような場合、またはライトに動画の編集なども行いたい場合などは、8GBメモリだとメモリ容量がやや物足りなくなる可能性もあります。16GBメモリも選択できれば、少しヘビーな使い方も出来たと思います。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動きます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | オンライン会議に特化した機能はありませんが、カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行えます。 |
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音も悪くないので、動画鑑賞は快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | CPU性能は高めにでていますし、色域がsRGBカバー率 約100%と比較的広いです。趣味レベルでファミリーフォトのRAW現像や画像編集を行うのには十分です。 |
動画編集 | △ | 広めの色域の液晶を搭載しており、CPU内蔵グラフィックスの性能も高めなので、簡単なファミリー動画などの編集であれば対応できます。ただ、本格的な動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した機種がいいでしょう。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。 |
ディスプレイのチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のディスプレイのチェックです。
FHDのIGZO液晶を搭載しています。色域も広めで、見やすい液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では321cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは約18.4mm、キーストロークは約1.7mmです。キーストロークはやや深めで、しっかりとした打鍵感がありつつ、高レスポンスキーボードなので、キーを最後まで押し込まなくても入力を検知してくれ、高速タイピングも可能です。
指がフィットするように、キートップはわずかに凹形状になっています。また、キーエリアごとに、指の力に応じてキーの重さが2段階に設定されているので、長時間のキータイピングでも疲れにくいです。標準的な4列テンキーも付いており、数字の入力もしやすいです。ノートPCとしては、トップクラスの打ちやすいキーボードだと思います。
ただし、バックライトは付いていません。
タッチパッドには、クリックボタンもあります。普通の使い心地です。
パフォーマンスのチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のCPUは、第11世代Core i7-1165G7です。
同じCore i7-1165G7を搭載した他機種と比べても、マルチコア、シングルコアの両方で、高めのスコアが出ています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリにはLPDDR4X-4266を搭載しています。メモリの速度はご覧の通りで、速いです。なお、オンボードメモリなので換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
メモリ速度が高速なので、CPU内蔵としては高いグラフィックス性能です。エントリークラスではありますが、外部グラフィックスのGeForce MX330を軽く超えるスコアが出ているので、ちょっとしたFHD動画編集や、画質を下げてライトなゲームをプレイする、といったことも出来そうです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており、十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
USB-Cポートは、Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPortに対応しており、今回試した全ての機器が使用できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
PC本体にHDMIポートはありません。
質量のチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.39kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。15.6型ノートPCとしてはかなり軽い質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.420kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 252g |
バッテリー駆動時間のチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、仕様値で50Whとなっています。15.6型ノートPCとしては、普通の容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りで、普通の駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約13.2時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 11時間30分 |
(3) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 8 Work | 4時間22分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。普通の充電速度だと思います。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
CPU電力は、cTDP-upである28W前後を維持しています。ベンチマークでも高めのスコアが出ているので、Core i7-1165G7の性能を十分に引き出しているようです。
CPU電力が高めで推移するため、CPU温度もやや高めです。それでも、ほとんど80℃台に収まっています。高負荷作業を行う場合でも、それほど心配することなく使用できると思います。
静音性のチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の動作音(静音性)のチェック結果です。
高い負荷がかかると、騒音値が上がりますが、同等他機種と比較しても普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
パフォーマンスが高めなだけあって、高負荷時はキーボード部分の温度が上がります。それでも、パームレスト部の温度はそこまで上がらないので、不快感はそれほどありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
高い負荷がかかると、ノート用の省電力CPUを搭載している機種としては高めの消費電力になります。
外観のチェック
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)の外観のチェックです。
シンプルながら、上質な作りと、デザインです。
今回のボディカラーは、インディゴブルーですが、アイボリーホワイトも選択できます。
天板です。富士通のロゴマークが主張しすぎることなく、アクセントになっています。「X-TEXTURE」という、ファブリック調の素材が使用されています。
スピーカーは底面手前側の左右に配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラには、92万画素のHDカメラを搭載しています。画質は普通です。Windows Helloの顔認証にも対応しています。
側面のポート類です。USB-C(Thunderbolt 4、DisplayPort、Power Delivery対応)x2、USB3.2、SDカードリーダーを備えています。インターフェイスの種類は少ないですが、家ナカPCとして使用する点では、それほど不足は感じないと思います。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
ACアダプターは、65Wです。サイズもコンパクトです。
まとめ
以上が、LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)のレビューです。
仕様値で約1.39kg、実測値でも1.42kgと、15.6型ノートPCとしては、とても軽く、扱いやすい機種です。
珍しい特徴としては、充電スタンドがあります。省スペースでPCを充電できるだけでなく、スタンドに立てた状態で、テレビや外部ディスプレイに接続し、デスクトップPCのように使用することもできます。
スペック面では、Core i7-1165G7を搭載し、高めの処理性能を引き出すことができる構成となっています。また、液晶は、色域広めのIGZO液晶です。そのため、日常的な用途はもちろん、ちょっとした画像・動画編集なども、そこそこ快適に行えるでしょう。
その他、温かみのあるファブリック調の素材、打ちやすいキーボードなど、特徴が多く、家ナカに馴染み、快適に使用できる作りとなっています。
ただし、メモリ容量が8GBしかないのが残念です。また、充電スタンドに、外部キーボードやマウスを接続するためのUSBポートがあればベストでした。
15.6型でも軽い家ナカノートPC
LIFEBOOK TH77/E3(WT1/E3)
特徴
- 15.6型なのに約1.39kgと軽くて扱いやすい
- キーボードが優秀
- 充電スタンドでより使いやすい
こんなあなたに
- 家族で使える上質な家ナカPCが欲しい方
- 在宅ワークにも使いやすいPCを探している方
- 価格14万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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