レノボ ThinkPad P1(Gen2)の特徴

更新日:2019年7月11日
CPU 第9世代Core(H)
Xeon E
GPU Quadro
T1000 / T2000
メモリ 最大64GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD 非光沢
FHD 非光沢 高輝度
4K-UHD 非光沢
質量 約1.7kg
バッテリー 最大約16.6時間
価格[税別] 22万円台~
ミドルレンジスペックの超軽量ワークステーション

ThinkPad P1(Gen2)は、ミドルレンジのスペックで、非常に軽いワークステーションです。

15型クラスのサイズに、高性能CPUおよびQuadroの外部グラフィックスを搭載しながら、約1.7kgと持ち運びやすい質量です。

輝度の高いフルHD液晶や、4K液晶も選択することができます。

バッテリー駆動時間も約16.6時間と長く、モバイルワークステーションとしての完成度が高いです。

公式サイトはこちら

ThinkPad P1(Gen2)の特徴

ワークステーションとしては超軽量

ThinkPad P1(Gen2)の最大の特徴は、Quadroの外部グラフィックスを備えたワークステーションなのに、2kgを軽く切る約1.7kgという軽量さです。また、厚みも約18.4mmと薄いです。

実際に、Quadro T2000やP2000などに、HシリーズCoreプロセッサーを搭載できる他社の15型ワークステーションと比較してみましたが、その中でも最軽量でした。ワークステーションではない通常のノートPCでも、15型で2kgを下回れば軽量な部類であることを考えると、このスペックでこれ以上軽量なワークステーションはないのではと思います。

15型ワークステーションの質量比較
  [本製品]
ThinkPad P1(Gen2)
HP
ZBook 15 G6
デル
Precision 5530
CPU 第9世代Core(H)
Xeon-E
第9世代Core(H) 第8世代Core(H)
Xeon E-2176M
GPU Quadro T1000
Quadro T2000
Quadro T1000
Quadro T2000
Quadro RTX 3000
Quadro P1000
Quadro P2000
質量 約1.7kg 約2.6kg 約1.78kg~

 

Adobe 100%、10ビットカラーの4K液晶を選択可能

ThinkPad P1(Gen2)は、フルHD 300nit、フルHD 500nit、もしくは4K-UHD 500nit、の3種類から液晶を選択できます。全て、IPS 非光沢の液晶なので、映り込みが少なく、作業に集中しやすいでしょう。作業場所や、作業内容に合わせて選択するといいと思います。

フルHD液晶の色域は、海外のサイトを確認すると「72% NTSC」と書かれています。4K-UHD液晶についてはサポートに確認したところAdobe RGB 100%で、10ビットカラーにも対応しているそうです。

4K液晶も選択可能

 

作業しやすいキーボード

ThinkPadシリーズなので、キーボードも打ちやすいです。さらに英語キーボードも選択できるため、Premiere Proなどでショートカットキーを多用する方などは便利です。トラックポイントも搭載し、外出先でもタイピングしやすいでしょう。テンキーは搭載されていませんが、その代わり小さいキーなどがなく、打ちやすいと思います。

キーボード(英字)

 

ISV認証

ThinkPad P1(Gen2)は、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)により、アプリケーションの安定動作や、互換性、運用性をテストされて、認証を取得しています。専門性の高いアプリを安心して使用できる、ワークステーションのメリットとなります。

使用しているソフトウェアがThinkPad P1(Gen2)でISV認証を受けているかは、こちらで確認できます。

 

初代ThinkPad P1との比較

初代ThinkPad P1との比較を行い、変化した部分を確認します。

CPUが第8世代Core(H)から、第9世代Core(H)へ、GPUがQuadro P1000、P2000から、Quadro T1000、T2000へと順当にアップしており、これが主な変化となります。アップしたCPUとGPUの性能差については、パフォーマンスのチェックをご覧ください。

さらに、選択できる液晶の種類に変化が見られ、タッチ液晶がなくなり、フルHD液晶では、通常の輝度と、高輝度の液晶の2種類から選択できるようになっています。また、バッテリー駆動時間も1割ほど延びています。

質量やボディサイズ、インターフェイスがほぼ同じなので、基本的なボディの部分には大きな変化がありませんが、4K-UHD液晶搭載モデルのみ、天板のデザインが変化しています。

旧モデルとの比較
  [本製品]
ThinkPad P1(Gen2)
[旧モデル]
ThinkPad P1
画像
CPU Xeon-E
第9世代Core (H)
Xeon E-2176M
第8世代Core (H)
GPU Quadro T2000
Quadro T1000
Quadro P2000
Quadro P1000
液晶種類 フルHD 300nit
フルHD 500nit
4K-UHD 500nit
フルHD
4K-UHD タッチ
質量 約1.7kg 約1.71kg~
バッテリー 最大約16.6時間 最大約15時間
※液晶はいずれも15.6型 IPSパネル

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックを行います。

CPU

ThinkPad P1(Gen2)が搭載するCPUは、第9世代Core(H)、もしくはXeon Eシリーズのプロセッサーです。

第9世代のHシリーズのプロセッサーは、Core i7-9750HまたはCore i7-9850Hを搭載でき、コスパが高く、通常であればこちらで大丈夫だと思います。

Xeon Eシリーズのプロセッサーは、純粋にCore i7よりも処理性能が高いというわけではなく、ベンチマークソフトによってはHシリーズのCore i7よりも低いスコアとなる場合もあります。Xeon Eシリーズのプロセッサーの最大の特徴は、ECCメモリに対応している点です。ECCメモリは、メモリエラーを検出し、エラーを正しい値に訂正することができます。このため、高いデータの正確性が求められる場合に、Xeon E + ECCメモリの組み合わせにはメリットがあります。なお、Xeon Eプロセッサー搭載モデルは2019年の秋ごろに登場する予定のようです。

CINEBENCH R15(マルチコア)
Core i9-8950HK 1231
Core i7-9850H ???
Core i7-9750H 1212
Core i7-8750H 1133
Xeon E-2176M 1095
Core i5-8300H 805
Core i5-9300H 751
Core i7-8565U 602
Core i7-8550U 580
Core i5-8265U 542
Core i5-8250U 536
Core i3-8145U 340
Core i3-8130U 313
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※スコアは他のPCで計測した代表値です
※実際の製品で計測したわけではありません

 

グラフィックス

ThinkPad P1(Gen2)は、Quadro T1000、もしくはQuadro T2000を搭載しています。

ラップトップ用のQuadroシリーズの中でも新しいGPUで、性能はミドルスペックです。

レベルとしては、旧モデルのThinkPad P1が搭載していたQuadro P1000やP2000の後継となるGPUです。CUDAコア数や、メモリ帯域幅が増加しており、より速い処理が可能になっています。

QuadroシリーズのGPUの詳細データについては、こちらをご覧ください。

Quadro TシリーズとPシリーズの比較
  P1000 T1000 P2000 T2000
CUDAコア 512 768 768 1024
メモリ帯域幅 96GBps 128GBps 96GBps 128GBps
T1000とT2000が本製品で選択可能なグラフィックス

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkPad P1(Gen2)は、80Whのバッテリーを搭載しています。

JEITA2.0による計測では、最大約16.6時間のバッテリー駆動が可能です。Hシリーズのプロセッサー、Quadro Tシリーズを搭載した15型のワークステーションとしては、かなり長めの駆動時間だと思います。

ただし、高負荷の作業、高輝度での使用、4K液晶を選択する場合など、使用状況によってバッテリー駆動時間は大きく異なるため、ご注意ください。

 

外観のチェック

ThinkPad P1(Gen2)は、天板のデザインがアレンジされており、4K-UHD液晶搭載モデルはカーボン柄の天板となっています。

分かる人には分かる、ThinkPadだけど、ちょっと通常のThinkPadとは異なる部分が、かっこいいです。

フルHD液晶モデルは、ThinkPad特有の通常デザインの天板のようです。

ボディの素材には、カーボンファイバーとマグネシウム合金を使用しており、スペックに見合ったハイグレードな質感とデザインです。

ディスプレイは180度開くので、好みの角度に調節できますし、対面する相手に作業中の画面を見せる、といった使い方もできます。

カーボン柄の天板
シンプル・スタイリッシュ
フラットになるディスプレイ

 

インターフェイスは、USB3.1 x2、USB3.1 Type-C(Thunderbolt対応)x2、HDMI、LAN拡張、SDリーダーを備えています。HDMI出力だけでなく、Thunderboltに対応したUSB Type-Cポートを使用しても、外部ディスプレイへの出力が可能です。

有線LANポートは、拡張コネクタ―を使用する必要があります。光学ドライブはありませんが、物足りなさを感じることは少なそうです。

インターフェイス構成

 

まとめ

ThinkPad P1(Gen2)は、約1.7kgと軽く携帯しやすいモバイルワークステーションです。

しかも、最新の第9世代Core(H)、もしくはXeon E、GPUにはQuadro T1000 / T2000を搭載でき、ミドルクラスのスペックを備えています。

軽量、かつパワフルですが、バッテリー駆動時間も最大約16.6時間と長く、モバイル機としてのバランスがいいです(ただしクリエイティブな作業をする場合、3分の1程度の駆動時間になると思います)。

さらに、液晶には、フルHDの高輝度液晶や、4K-UHD液晶も選択でき、作業内容に合った構成にできます。

ミドルレンジスペックの軽量モバイルワークステーション

ThinkPad P1(Gen2)

特徴

  • 非常に軽い15型ワークステーション
  • Xeon Eや、Quadro T1000/T2000を搭載可能
  • ISV認証取得

こんなあなたに

  • OpenGLを使用したアプリを使用する
  • 色々な場所で仕事がしたい
  • 価格22万円台~
  • 一言P53sのようにぜひLTE対応を
公式サイトはこちら

 

後日、実機レビュー予定

後日、実機でのレビューを予定しています。記事公開後、通知しますので、よろしければブックマークや、twitterfacebookでのフォローをしていただけると、嬉しいです。

 

関連ページ