レノボ Ideapad S540(15) の実機レビュー

更新日:2020年5月9日
CPU Core i7-10510U
Core i5-10210U
Core i3-10110U
Core i7-8565U
Core i5-8265U
Core i3-8145U
メモリ 4GB / 8GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD IPS 非光沢
質量 約1.8kg
バッテリー 約17.3時間
価格[税別] 4万円台~
2019年モデルのベストバイ

すごい製品が登場しました。

Ideapad S540(15)は、とにかくコストパフォーマンスが高い15.6型のノートPCです。

Core i5、フルHD IPS液晶、8GBメモリ、256GB SSDという鉄板構成で、税込み7万円台と、他にはない安さです。Core i3モデルなら税込み5万円台から購入できます。

安いだけでなく、IPSパネルを搭載し、15型としてはコンパクトで軽量、ボディにはアルミ素材を採用しています。

実際に使ってみても欠点が少なく、非常に満足度の高いPCとして、人気が出そうです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。

レビュー機の構成

Core i5-8265U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Ideapad S540(15)の特徴」のみお読みください。

 

Ideapad S540(15) の特徴

類を見ないコスパの高さ

Ideapad S540(15)は、スペックの割に価格が非常に安いノートPCです。

第10世代Core i5、256GB SSD、フルHDのIPS液晶の構成で約6万円(税込)と、コスパ最強といってもいいでしょう。

また、もう少し価格を抑えたければ、Core i3、256GB SSDの構成で5万円台前半(税込)のモデルもあります。一般的な軽作業であれば、こちらでも十分のスペックで、こちらも驚きのコスパの高さです。

価格の割に性能が高く、お得なPCを探しているのであれば、これ以上のPCはなかなか見つからないと思います。

非常に高いコスパ

 

フルHDのIPS液晶搭載

価格を抑えたPCは、HD液晶だったり、フルHDであっても視野角の狭い液晶を搭載することで、コストダウンが図られていることが多いです。しかし、Ideapad S540(15)は、価格がぐっと抑えられたPCなのに、フルHDのIPS液晶を搭載しています。とにかく、この価格でフルHDのIPS液晶を搭載しているのは、セールスポイントの一つです。液晶の詳細については、「液晶ディスプレイのチェック」をご覧ください。

安くてもIPSパネルのフルHD液晶

 

15型でも2kgを切る軽量さ

Ideapad S540(15)の質量は、約1.8kgと15型PCとしては軽量です。モバイルに特化したノートPCよりは重いですが、室内での移動や、主に車での移動であれば、本製品でも十分に対応できます。もちろん、軽量であれば取り回しがしやすくなるので、持ち運びしない場合でもメリットがあります。

割と軽いので、ちょっとした移動に便利

 

バッテリー駆動時間が長い

Ideapad S540(15)は、バッテリー駆動時間が約17.3時間と長いです。容量を確認したところ70Whものバッテリーを搭載していました。通常は50Wh前後であることが多いので、いかに大容量なのかが分かると思います。別の部屋で、バッテリー駆動状態で作業をよくする方や、外で使用する方に適しています。

さらに、高速充電にも対応しており、約1時間で80%まで充電することが可能です。

70Whもの大容量バッテリー

 

光学ドライブは非搭載

Ideapad S540(15)は15型のノートPCですが、光学ドライブは搭載していません。光学ドライブを使うことがある方は、外付けの光学ドライブを用意しておくといいでしょう。

光学ドライブは非搭載

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

色域は狭いものの、視野角はよく、一般ユーザーが使うのであれば、十分な品質ではないかと思います。ただし、色にこだわるなら、もう少し色域の広い液晶がいいと思います。最大輝度は、当サイトの計測では245cd/m2と普通、もしくはやや低めです。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域はやや狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は62.2%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや青色が強く発色していることがわかりますが、一般ユーザーであれば気にならないと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほとんど気になりません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Ideapad S540(15)のキーボードは普通の打ち心地です。

実測で、キーピッチは約19 x 19mm、キーストロークは約1.2mmです。キートップがほぼフラットである点と、キーストロークが浅い点が気になりますが、慣れれば普通に打てる範囲のキーボードです。

キー配列は普通ですが、「\」および「Backspace」のキーがやや小さく、これらのキーを押すときは隣のキーも誤って押してしまうことがあります。また、一部のキーが1つのフレーム内に2つ入っている点は、見た目の面でやや残念です。

タッチパッドは、手のホームポジションに合わせて左寄りに配置されている点は良いと思います。操作性は普通です。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

バックライトが付いているので、薄暗い場所でもキー入力がしやすいです。

バックライトキーボード

 

パフォーマンスのチェック

Ideapad S540(15)のパフォーマンスのチェックです。

CPU

第10世代および第8世代のCoreプロセッサーを選択できます。

Core i5-10210Uは、オフィスワークのような作業に加えて、趣味で行う写真や動画のライトな編集作業であっても十分に対応できます。いろいろやってみたい場合は、Core i5搭載モデルがいいでしょう。

Core i3-10110Uも処理能力は決して悪くないです。オフィスソフトの使用やWeb閲覧、動画の再生などであれば、十分快適に使用できます。軽めの作業しかしなければCore i3がおすすめです。

以下、各CPUのベンチマークスコアを掲載します。基本的には第8世代Coreよりも第10世代Coreのほうがスコアが高いですが、第10世代Coreはまだサンプル数が少なく、第8世代Coreよりもスコアが低いケースもあります。

CPU性能
~ CINEBENCH R20 ~
Core i5-8265U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-10210U 1418
Core i7-10510U 1387
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1236 [レビュー機で計測]
Core i3-8145U 952
Core i3-10110U 913
Celeron 3867U 294
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDを搭載していて高速です。5万円から買えるノートパソコンに、3,000MB/sを超えるPCIe SSDが搭載されているのは驚きです。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 3145 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードスロット

SDカードスロットの速度は普通です。

CrystalDiskMark 6(SDカード)
最大95MB/sのUHS-Iのカードで測定

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。Core i5-8265Uにしてはやや時間がかかっています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 32分05秒
QSVでエンコード (※2) 3分17秒
NVENCでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Core i9-9900K 9分29秒
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i5-8265U 29分29秒
Core i5-8265U 32分05秒 [レビュー機で計測]
Core i3-8145U 45分19秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

質量のチェック

メーカー仕様表では約1.8kgとなっていますが、今回、それよりもやや軽い質量でした。他の一般的な15.6型ノートPCと比較して、軽いほうです。

ACアダプターも200gを切っており軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.774kg
ACアダプター 196g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

前述しましたが、70Whものバッテリーが搭載されていました。バッテリー駆動時間は次のようになっており、非常に長いです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 最大約17.3時間
(2) 動画再生時 ※1 12時間05分
(3) PCMark 8 Work テスト ※2 7時間23分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。なお、今回はCore i5-8265Uでの計測結果を掲載します。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態の動作音も、他のノートと比較して低めです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:PowerDirector の編集画面でエフェクトを追加しプレビュー再生
左から4番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

普通の温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時を除けば、60~70℃台で推移しており、問題ないと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

負荷が低いときは気になりませんが、負荷が高くなると、左パームレストがやや暖かくなります。この真下にPCIe SSDが搭載されているためだと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Ideapad S540(15)は、薄型のアルミボディで、カラーはミネラル グレーです。

この価格帯のPCでアルミボディというのはポイントが高いと思います。狭額ベゼルを採用しモダンな見た目です。全体的に派手ではありませんが、チープさは感じません。

 

天板です。Lenovoのロゴも端にあって控えめなのが好印象です。

 

スピーカーは、側面の斜めになっている部分にあります。音質は比較的良く、勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

指紋認証装置も搭載しています。

 

電源ボタンです。安いモデルはキーボードの1つに、電源ボタンが組み込まれているケースもありますが、本製品はそうではありません。

 

液晶には段差があります。

 

液晶を閉じたときの画像です。薄いボディです。

 

液晶は約180度傾けることができます。

 

側面のインターフェースは次の通りです。USB Type-Cは、PowerDeliveryや映像出力には対応していません。光学ドライブは非搭載です。

 

底面です。

 

底面カバーを外したときの画像です。海外では外部グラフィックスを搭載できるモデルがあるのか、冷却ファンが2つ搭載できるようになっています。本機のファンは1つです。

 

8GBのメモリのモデルの場合、1つはオンボード(4GB)で、残りの4GBはメモリスロットに接続されています。メモリスロットに接続されているほうは換装できそうです。

 

M.2 SSDも換装できると思います。

 

底面カバーの裏側は、ハニカムリブ構造による補強がなされています。

 

ACアダプターは、ケーブル一体型でコンセントに接続しにくいケースもあるかもしれませんが、小型で持ち運びやすいです。容量は65Wです。

 

まとめ

Ideapad S540(15)は、驚くほどコストパフォーマンスが高い15型のノートPCです。

ただ価格が安いだけでなく、CPU、ストレージ、液晶といった基本的な構成のスペックが高いです。さらに、比較的コンパクトで軽量なボディなのに、バッテリー駆動時間がとても長く、隙が見当たりません。

実際に使ってみても、液晶の品質、キーの打ちやすさ、パーツ温度など、特別気になる部分もありません。

メーカーにこだわりがなければ、非常におすすめです。

価格の割には非常に高い品質の製品ですが、あえて欠点を絞りだして書くと、最大輝度がやや低めである点、色域が狭い点、「Backspace」と「\」キーがタイプミスしやすい点、高い負荷をかけると左パームレストがやや暖かくなる点などが挙げられます。ただ、多くの方はそれほど気になる部分ではないと思います。

コスパ最強の15.6型ノートPC

Ideapad S540(15)

特徴

  • 他に類を見ないコスパの高さ
  • IPS液晶搭載
  • 15型の割にコンパクトで軽量
  • 長いバッテリー駆動時間

こんなあなたに

  • コスパの高い15型ノートが欲しい
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  • 価格4万円台~(税別)
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