レノボ ThinkBook 15p の実機レビュー

更新日:2020年12月19日
CPU Core i7-10750H
GPU GTX 1650Ti Max-Q
メモリ 8GB ~ 32GB
ストレージ 最大1TB PCIe SSD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD IPS 非光沢
4K-UHD IPS
質量 約1.99kg
バッテリー 約12.2時間
価格[税込] 11万円台~
動画編集や写真編集もできるノートPC

ThinkBook 15pは、一般的なノートPCよりも、全体的にワンランク上のスペックのノートPCです。

PCに負荷のかかる仕事もサクサク終わらせることができるでしょう。また、動画編集やゲーム、写真編集などの入門機としてもちょうどいいスペックのノートPCです。

画面に関しては、sRGB 100%クラスのFHDディスプレイの他に、Adobe RGB 100%クラスの4K-UHDディスプレイも選択できます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-10750H、GeForce GTX 1650Ti Max-Q、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「ThinkBook 15pの特徴」のみお読みください。

 

ThinkBook 15p の特徴

スペック高めで動画編集やゲームもできる

ThinkBook 15pは、高性能プロセッサーと外部グラフィックスに加えて、広めの色域の液晶を搭載していながら、税別11万円台(税込みでは12万円台)からと安いことが特徴です。

少し重いアプリを使う方でも、快適に使うことができるでしょう。また、動画編集、ゲームなどもできるスペックで、これらの用途の入門機としてもいいと思います。

スペック高めのノートPC

 

4K 100% Adobe RGBも選べ、写真編集もできる

ThinkBook 15pでは、以下の2種類の液晶を選択することができます(詳細)。

ディスプレイラインナップ

(1) FHD IPS, 非光沢, 100% sRGB, 300nit

(2) 4K-UHD IPS, 100% Adobe RGB, 600nit

 

(1)は、標準的なFHD解像度で、100% sRGBと広めの色域です。ウェブコンテンツの作成などに適しているでしょう。

(2)は、4K-UHDの高解像度で、100% Adobe RGBと、さらに色域が広いです。また、ファクトリー・カラー・キャリブレーションにも対応しています。より正確な色表現を必要とするの写真編集などをする方におすすめです。

 

最大32GBメモリを搭載可能

ThinkBook 15pは、カスタマイズで最大32GBのメモリを搭載することができます。CPUとGPUの性能を活かした作業を行うためには、16GB以上がおすすめです。それほど価格も高くないので、クリエイティブな作業をする方は、最初から32GBメモリを選択してもいいと思います。

メモリは意外と安い

 

ThinkShutter付きカメラ

ThinkBook 15pは、ウェブカメラにThinkShutterという物理シャッターが付いています。カメラに姿が映らないことを目視で確認できるので、安心感があります。

なお、IRカメラは搭載していないので、顔認証でのログインには対応していません。

ThinkShutter付きカメラ

 

指紋認証でのログインが可能

ThinkBook 15pの電源ボタンには、指紋センサーが統合されており、指紋認証でのログインが可能です。

指紋センサーが統合された電源ボタン

 

ディスプレイ面は180度開く

下の画像のように、ディスプレイ面は180度開き、フラットになります。

フラットになるディスプレイ

 

ライバル機種の紹介

ThinkBook 15pと同様に、高性能CPUに外部グラフィックスを搭載し、価格も安い「Inspiron 15 7000 (7501)」と比較すると、質量とバッテリー駆動時間の面では、Inspiron 15 7000のほうが優位です。

グラフィックスは異なりますが、ThinkBook 15pのGTX 1650Ti Max-QとInspiron 15 7000のGTX 1650Tiの3DMark Time Spyのスコアはほとんど変わりませんでした。

4Kディスプレイを選べる点と最大メモリが多い点はThinkBook 15pのほうが優れており、よりクリエイター向けの製品かなと思います。

高性能でFHDディスプレイを搭載した機種との比較
  [本機器]
ThinkBook 15p
Inspiron 15 7000
(7501)
画像
CPU Core i7-10750H Core i5-10300H
Core i7-10750H
メモリ 最大 32GB 最大 16GB
GPU GTX 1650Ti Max-Q GTX 1650
GTX 1650Ti
液晶種類 FHD / 4K FHD
質量 約1.99kg 1.75kg~
バッテリー 57Wh 56Wh / 97Wh
Core i7モデルの価格[税別] 11万円台~ 11万円台~

 

次に、4K 100% Adobe RGBディスプレイを搭載したクリエイター向けPC「ThinkPad X1 Extreme」と比較しています。最大のCPUやメモリ容量などは、ThinkPad X1 Extremeのほうが全体的に優れています。ただし、価格はThinkBook 15pのほうが優れており、そこそこのスペックで十分である方は、ThinkBook 15pのほうが適しているでしょう。

4K 100% Adobe RGBディスプレイを搭載した機種との比較
  [本機器]
ThinkBook 15p
ThinkPad X1 Extreme
画像
CPU Core i7-10750H 最大Core i9-10885H
メモリ 最大32GB 最大64GB
GPU GTX 1650Ti Max-Q
PCIe SSD 1基(最大1TB) 2基(最大4TB)
質量 約1.99kg 約1.7kg
バッテリー 57Wh 80Wh
4Kモデルの価格[税別] 13万円台~ 22万円台~

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
高いスペックなので、非常に快適に動きます。
動画鑑賞 ディスプレイの表示が綺麗ですし、スペックも高いPCなので、快適に動画鑑賞できます。スピーカー音は普通です。
RAW現像
画像編集
高いCPU性能に、外部グラフィックスを搭載し、4Kディスプレイを選べばAdobe RGB 100%をカバーしています。RAW現像や画像編集も快適です。
動画編集 エントリー向けながら外部グラフィックスを搭載し、初めて動画編集をするような方にちょうどいいスペックです。
ゲーム FHD/60Hz液晶なら、グラフィック品質を中程度にすることで、快適にプレイできるゲームが多いと思います。

 

ディスプレイのチェック

ThinkBook 15pのディスプレイは、sRGB 100%クラスのFHDと、Adobe RGB 100%クラスの4K-UHDが選択できます。

今回は、FHD液晶を搭載しており、パネルは「BLP156WFF-SPF1」でした。色域が比較的広く、フリッカーも無く、見やすいディスプレイです。最大輝度は、当サイトの計測では295cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は96.5%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も1:1の直線に近く、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほとんど感じません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkBook 15pのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークは約1.2mmです。「半角/全角」、「\」など一部小さいキーがあります。打ちやすさは普通です。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkBook 15pのパフォーマンスのチェックです。

ThinkBook 15pは、電源スマート設定により、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」の他に、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」、省電力動作になる「バッテリー省電力」といったモードを選ぶことが可能です。

電源スマート設定

 

今回、Core i7-10750Hを搭載していますが、デフォルト時と、エクストリーム・パフォーマンス時のPL1は、次のようになっています。ここでは、この2つのモードの各種ベンチマークスコアを確認していきます。

デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス

 

CPU

ThinkBook 15pのCPUは、Core i7-10750Hを搭載しており高いパフォーマンスです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-10750H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-10875H 10369
Core i7-10750H 6839 [エクストリーム・パフォ]
5309 [デフォルト]
Ryzen 7 4700U 6499
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4000
Core i7-1065G7 3965
Core i3-1115G4 2454
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1165G7 1447
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277 [エクストリーム・パフォ]
1263 [デフォルト]
Core i3-1115G4 1265
Ryzen 7 4700U 1214
Ryzen 5 4500U 1142
Core i7-1065G7 1126
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。デフォルトの状態だと、CPU電力が45Wと20Wを行ったり来たりしています。エクストリーム・パフォーマンスにすると、45W一定で動作しています。エクストリーム・パフォーマンスでもCPU温度は70℃台で推移しており問題ありません。CPUに負荷のかかる作業をするときは、常時エクストリーム・パフォーマンスでいいと思います。

  • CPU電力
  • CPUクロック
  • CPU温度
Prime95で負荷をかけたときのCPU電力
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPUクロック
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPU温度
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行

 

メモリ

メモリはPC4-23400(DDR4-2933)を搭載しています。今回はデュアルチャネルですが、シングルチャネルのモデルもあるのでご注意下さい。速度は次の通りで、十分な速さです。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ

 

グラフィックス

グラフィックスは、エントリーモデルのGTX 1650Ti Max-Qを搭載しています。デフォルト時とエクストリーム・パフォーマンス時のGraphics scoreはほとんど変わりません(今回は全く一緒)。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
GTX 1650Ti Max-Q
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 2080Ti
12388
デスクトップ用
RTX 2080 SUPER
10674
デスクトップ用
RTX 2070 SUPER
9583
RTX 2080 9456
RTX 2070
SUPER
8322
RTX 2080
Max-Q
8068
RTX 2070 7778
RTX 2070 SUPER Max-Q 7425
RTX 2080
SUPER Max-Q
7302
RTX 2070
Max-Q
7216
RTX 2060 6163
RTX 2060 Max-Q 5676
GTX 1660Ti 5667
Radeon RX 5500M 4342
GTX 1650Ti 3653
GTX 1650Ti Max-Q 3553
GTX 1650 3494
GTX 1050Ti 2201
GTX 1050 1689
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650Ti Max-Qの情報は次の通りです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

次に3Dmark Wild Life STress Testを実行したときの結果です。このテストでは同じ処理を20回連続で実行しますが、最も良いスコアと、最も悪いスコアではほとんど違いがありませんでした。長時間負荷をかけてもフレームレートが落ちることはないでしょう。

3DMark Time Spy Stress Test
~ グラフィックス性能が時間と共に落ちていかないかの評価 ~
GeForce GTX 1650Ti Max-Q

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。PCIe SSDにしてはそこまで速くありませんが、実用上は十分快適な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1500 ~ 3600
2288
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。ただし、挿入後のSDカードは、本体からはみ出ます。またアクセス速度も遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-10750H
16GBメモリ
81秒
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i9-10980HK
RTX 2080 Super Max-Q
4分18秒
Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i7-10750H
GTX 1650Ti Max-Q
6分35秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
17分33秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

ここでは、いずれのゲームもエクストリーム・パフォーマンスで実行しています。ゲームにもよりますが、グラフィック品質を中程度にすれば、多くのゲームが快適に動く(平均フレームレートが約60fpsで動く)と思います。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
1920x1080 軽量品質 70 fps
標準品質 54 fps
高品質 39 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2070 SUPER 88 fps
RTX 2080 Max-Q 83 fps
RTX 2070 80 fps
RTX 2080 SUPER Max-Q 78 fps
RTX 2070 Max-Q 70 fps
RTX 2060 66 fps
GTX1660Ti 63 fps
RTX 2060 Max-Q 62 fps
GTX 1650Ti 43 fps
GTX 1650 40 fps
GTX 1650Ti Max-Q 39 fps
Radeon RX 5500M 39 fps
GTX1050Ti 26 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
1920x1080 標準(ノート) 15224 / 116 fps
高(ノート) 13437 / 93 fps
最高品質 10180 / 69 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2070 SUPER 127 fps
RTX 2080 SUPER Max-Q 118 fps
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 114 fps
RTX 2060 99 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
GTX 1660Ti 95 fps
RTX 2060 Max-Q 91 fps
Radeon RX 5500M 73 fps
GTX 1650Ti 73 fps
GTX 1650Ti Max-Q 69 fps
GTX1650 64 fps
軽い部類のゲーム
フォートナイト
1920x1080 低設定 143 fps
高設定 82 fps
最高設定 69 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高設定)
RTX 2070 SUPER 151 fps
RTX 2080 SUPER Max-Q 136 fps
RTX 2060 110 fps
Radeon RX 5500M 103 fps
RTX 2060 Max-Q 93 fps
GTX 1650Ti 78 fps
GTX 1650 74 fps
GTX 1650Ti Max-Q 69 fps
※バトルラボで計測

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートは、Power DeliveryおよびDisplayPort出力に対応していません。

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、 RGBで出力出来ていました。また、外部ディスプレイへはCPU内蔵のグラフィックスではなく、外部グラフィックスから出力出来ていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkBook 15pの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.99kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じ質量です。外部グラフィックスを搭載していることを考慮すると、やや軽めの質量かなと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.954kg
ACアダプター+電源ケーブル 585g

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkBook 15pのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は約57Whです。バッテリー駆動時間は下の通りです。(4)のようにゲームを実行したときのバッテリー駆動時間が短いのは仕方がありませんが、動画再生時などは長めの駆動時間です。高い負荷をかけなければ、意外と長く持ちます。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法 約12.2時間
(2) PCMark 10 Modern Office 8時間42分
(2) 動画再生時 8時間35分
(4) PCMark 10 Gaming 1時間31分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。比較的速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
68%(約38Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 


 

 

以下、パーツの温度、静音性、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度です。問題ない温度だと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。デフォルトの状態で計測しています。

普通もしくはやや高めの温度です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特にパームレストの温度は重要です。

こちらもデフォルトの状態で計測しています。FF14ベンチを実行すると、パームレストがほんのり暖かく感じます。低めの負荷のときは問題ありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

HシリーズのCoreプロセッサーに、外部グラフィックスを搭載しているため、消費電力はやや高めです。ただし、アイドル時は、外部グラフィックスが使われないため、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkBook 15pの外観のチェックです。

シルバーのカラーのボディで、どんな用途でも使える無難な色です。また、指紋やほこりが目立ちにくいカラーです。

 

天板は、陽極酸化サンドブラスト加工が施されたアルミ製です。上下で色が異なる、珍しいデュアルトーンとなっており、見た目もいいです。なお、パームレスト部分は樹脂製です。フルメタルボディではありません。

 

スピーカーは底面の端にあります。音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

薄いボディです。

 

ThinkBook 15pは、ギガビット対応LANポートを備えており、有線でのネット接続が可能です。なお、Wi-Fi 6にも対応しています。また、フルサイズのSDカードリーダーがあるので、写真や動画の取り込みなどもしやすいです。その他に、USB3.1 x2、USB-C、HDMIを備えています。前述しましたが、USB-Cポートは、Power DeliveryとVideo-outには非対応です。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。いつもは底面カバーを開けていますが、今回は貸出機なので開けていません。なお、メーカーの仕様表を見る限りでは、メモリスロットは2つあり、自分で換装することもできそうです。ただし、換装はメーカー保証外となるため、自己責任でお願いします。

 

ACアダプターは135Wです。

 

まとめ

ThinkBook 15pのレビューです。

Core i7-10750Hに外部グラフィックスを搭載し、高めのスペックを備えた15.6型のノートPCです。

Adobe RGBカバー 100%の4K液晶を選択することも出来ます。

Officeなどを使って仕事をサクサクしたい方はもちろん、動画編集を始めて見たい方、ライトにゲームもしたい方、Webページを作ってみたい方、写真編集をしたい方などにも適しています。価格も高くないですし、こういったクリエイティブ作業の入門機としてちょうどいいと思います。

ただし、ThinkPad X1 Extremeなどの上位のクリエイター向けノートPCとは異なり、大容量メモリ、大容量ストレージなどは選択できません。また、Legion 550PiのようなゲーミングノートPCとは異なり、高リフレッシュレート液晶やGeForce RTXシリーズのような高性能グラフィックスは選択できません。このあたりは、それ専用に作られたPCより見劣りするので、ご注意下さい。

 

動画編集や写真編集もできる

ThinkBook 15p

特徴

  • 広色域液晶を搭載し、4K液晶も選択可能
  • 動画編集にも適したハイスペック
  • ビジネスノートPCとしては価格が安い

こんなあなたに

  • コスパの高いハイスペックビジネスノートが欲しい
  • 正確な色表現ができる液晶が必要
  • 価格11万円台(税込)~
  • 一言動画編集にちょうどいい
公式サイトはこちら

 

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