レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)の実機レビュー - 高いCPU性能で9万円台

CPU | Core i5-13420H Core i7-13620H |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
液晶サイズ | 14.0型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 有機EL 光沢 |
質量 | 約1.39kg |
バッテリー | 60Wh |
価格[税込] | 9万円台~ |
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)は、高いCPU性能でありつつ、価格が9万円台と抑えられているノートPCです。
HシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、少し高めの処理性能で快適な動作が期待できます。
ディスプレイは、広色域の有機ELなので、綺麗な映像で動画を視聴することができます。
ただし、グラフィックス性能がやや低い点、小さい文字がやや見にくい点がデメリットです。
製品の特徴
高コスパのホームモバイルノート
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)は、少し高めの性能のCPUを備えつつ、9万円台から購入することができる、コスパの高い14型ノートPCです。第13世代Core i7を搭載する上位モデルでも10万円台です。

HシリーズのCoreプロセッサーを搭載
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)は、HシリーズのインテルCoreプロセッサーを搭載しています。これは、クリエイター向けノートPCなどにも搭載されるCPUで、少し高めの処理性能を備えています。
Core i5-13420Hでも、割と高めのCPU性能です。Core i7-13620Hであれば、もっと高いパフォーマンスが期待できます。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPU内蔵グラフィックスの性能は低い
ただし、CPU内蔵グラフィックスの性能はそれほど高くありません。ゲームや、動画編集といった用途にはあまり向いていません。また、AI処理用のNPUも内蔵していません。
CPUだけでなく、グラフィックス性能も高めの製品が良ければ、兄弟機種のIdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)がおすすめです。価格も同じくらいです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリの交換、SSDの増設が可能
本製品は、メモリの交換が可能です。後から容量が足りないと感じてきたときに、交換することが可能です。
また、空いているM.2スロットもあるので、ここにSSDを増設することもできます。
ただし、パーツの交換・増設は、全て自己責任となります。

有機ELディスプレイを搭載
本製品は、WUXGA(1920x1200ドット)の有機ELディスプレイを搭載しています。100% DCI-P3と色域が広く、動画を美しい表示で視聴することができるでしょう。
ただし、1920x1200ドットくらいの解像度で、有機ELだと、ペンタイル配列であることが影響し、文字が見にくくなりがちです。詳細は兄弟機種のIdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)のレビュー記事をご覧下さい。
また、光沢ディスプレイです。仕事で使用するような方には適しません。

扱いやすいボディ
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)は、14型サイズで、質量が約1.39kg、厚みが約16.9mmとなっています。宅内での移動や収納がしやすく、ホームモバイルノートPCとして使いやすいと思います。頻繁に持ち歩くモバイルノートPCとしては、あまり軽くありませんが、軽さにこだわらなければ持ち出すこともできるでしょう。
アルミボディなので、質感がよさそうですし、樹脂ボディのものよりも耐久性も高いです。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像が色鮮やかです。スピーカー音は普通です。ただ、光沢仕様なので、暗いシーンは周囲のものがディスプレイに映り込みやすいです。 |
RAW現像 画像編集 |
△~○ | 色域が広いので画像編集などの用途にも利用できます。ただし、GPU性能が低いので、GPU支援を使った処理は遅いです。 |
動画編集 | △ | CPU内蔵のGPUの性能が高くないので、動画編集にはあまり適していません。 |
ゲーム | △ | GPU性能が低いので、ゲーム向きではありません。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、光沢なので映り込みがあるものの、色鮮やかで綺麗な発色です。
ただ、有機ELで、解像度が高くないので、小さい文字がやや見にくいです。詳しくは兄弟機種のIdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)のレビュー記事をご覧下さい。
その他、詳細は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 画素
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
下図のとおり、色域は非常に広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99% |
Adobe RGBカバー率 | 92% |

どの色も補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、周囲の物が画面に映り込みやすいです。

輝度が上がったり下がったりを繰り返すフリッカー(ちらつき)があります。人によっては眼が疲れるかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
キートップが湾曲している点や半角/全角キーが大きいのはいい点です。ただし、BackspaceキーやEnterキーがやや小さいのはやや気になります。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUはインテル第13世代Coreプロセッサーです。末尾に「H」が付く性能の高いプロセッサーです。
今回、Core i5-13420Hを搭載しており、CINEBENCH 2024ではやや高めのスコアでした。Core i7-13620Hを搭載すれば、もっと高めのスコアが出ると思います。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能は低めです。動画再生程度の負荷なら問題ありませんが、動画編集などをしようと思った場合、スペック不足です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPUは内蔵されていません。
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
質量は、普通です。持ち運ぶにはやや重いですが、持って行けない重さでもありません。
ACアダプターは軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.392kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 175g |
バッテリー駆動時間のチェック
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)のバッテリー容量は60Whとやや大きめです。

バッテリー駆動時間は、そこそこあります。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 最大 約14.5時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 最大 約9.2時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間42分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているプロセッサーのベースパワー(PBP)は45Wです。
「適応パワー・モード」の場合、CPU電力は初動を除くと、50W前後で推移しています。PBPよりもやや高めです。このときのCPU温度は70℃台で推移しており問題ありません。
「パフォーマンス」のモードのときも、それほど変わりません。
- 適応パワー・モード時
- 最適なパフォーマンス時


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。YouTube動画の再生のような低い負荷のときも、ほぼ音は聞こえませんでした。他の状態も比較的静かです。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約20dB |
中負荷時 [動画編集] | 約30dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約34dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約38dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が高くないときは、それほど温度は上がらないので快適に使うことができます。ただ、高い負荷をかけると左パームレストが熱くなってきて、やや気になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力ですが、高負荷時はそれなりに上がります。
消費電力 | |
アイドル時 | 7W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 14W |
中負荷時 [動画編集] | 25W |
高負荷時1 [エンコード] | 45W |
高負荷時2 [ゲーム] | 50W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
コズミックブルーとルナグレーというカラーがありますが、本製品は前者です。アルミを採用しており、割と高級感があります。

天板はフラットで今風です。

最薄部は16.9mmと薄いです。


スピーカーは、2W×2で、音質は普通です。勝手に点数をつけると、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しています。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
ポート類は、USB-Aが2つ、USB-Cが2つ、HDMI、microSDカードリーダーなどがあります。USB-Cポートは、Thunderboltには対応していませんが、Power Deliveryと、DisplayPortには対応しており、本機への給電と、映像出力が可能です。HDMIは、4K/30Hzまでで、4K/60Hzはサポートされていません。


ヒンジは、180度は開きませんが、割と開きます。

底面はスッキリとしています。

内部はご覧のようになっており、冷却ファンが1つ、ヒートパイプが2つです。標準的な冷却性能です。

メモリはスロット式で換装可能です。

空いているM.2スロットもあり、SSDを増設することが可能です。

ACアダプターは65Wで、サイズは小さいです。

まとめ
以上が、IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)のレビューでした。
HシリーズのインテルCoreプロセッサーを搭載し、CPU性能が高めです。それでいて、価格が比較的抑えられています。
有機ELディスプレイを搭載し、画像や映像を綺麗に表示することも可能です。ただし、ペンタイル配列の有機ELで、解像度があまり高くないので、小さい文字がやや見にくいです。
また、CPUに内蔵されたGPUの性能が、最新のCPUと比べると低めです。動画再生程度なら問題ありませんが、動画編集なども行おうと思っているなら、スペック不足です。なお、GPU性能も高めの製品が良ければ、IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)がおすすめです。価格も同じくらいです。
HシリーズのインテルCore搭載で9万円台~
IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)

特徴
- HシリーズのCoreプロセッサー
- 有機EL(OLED)ディスプレイ
- 9万円台からと、比較的安い
こんなあなたに
- CPU性能の高いPCが欲しい方
- 価格9万円台~
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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