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頂上対決:ThinkPad X220 vs Let's note S10
今回は、モバイルノートPCの中でも特に人気の高いThinkPad X220と、Let's note S10 を徹底比較いたします。
尚、製品の優劣をつけるものではありません。それぞれの製品のメリットとデメリットを把握してもらい、皆様に最適な製品を購入していただければと思い作成しました。
ちなみに、2つとも本当に自腹で購入しています。公平に比較していきたいと思います。
ThinkPad X220 と Let's note S10 の概要
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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ThinkPad と言えば、世界的に人気のあるモバイルノートで、国際宇宙ステーションでも使われているほどです。ちなみに、地球圏外宇宙でのシェアはほぼ100%だそうです。なぜ宇宙でThinkPadが選ばれるかというと、「厳しい環境に耐えられる品質と性能を持ったノートPCが、唯一ThinkPadのみだから」だそうです。レノボに売却された今も、開発は日本の大和事業所で行われており、安定した品質を保っています。 |
Let's noteと言えば、日本国内でビジネスマンに絶大な人気を誇るモバイルノートです。他社との打ち合わせ、新幹線の中などLet's note 率は非常に高く、Let's noteを持っているだけで一流のサラリーマンにさえ見えます。日本でのモバイルノートPCのカテゴリではシェアNo.1を誇っています。またサポートも手厚く、企業で選ばれる理由の1つになっています。 |
【スペック・購入価格】 |
【スペック・購入価格】 |
頑丈さの比較
まずはパソコンを落下&加圧させてもパソコンが起動するか実際に試して動画に撮りました。
ただし、この動画は旧モデルのThinkPad X201sとLet's note S9でテストしたときの動画です。
新モデルのThinkPad X220とLet's note S10での落下テストは、もったいないのでやっていません。ただし、両者とも基本的な構造はそれほど変わっていないので、参考にはなるかと思います。
テストでは、それぞれのパソコンを約1mの高さから落下させた後、約75kgの体重の私が上から踏んでみました。尚、メーカーの落下テストでは、机の高さを想定し50~80cmから落下させることが多いです。今回はそれ以上の高さから落とすことになりますので、故障しても仕方のないことです。
※ThinkPad X201sではカバンに入れて壁にぶつけるテストもしてみましたが、たいして負荷をかけられないのと、テストの様子がかっこ悪いので、Let's noteではやめました。
ThinkPad X201s |
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まずはThinkPad X201sのテストです。 落下させたときにかなり大きな音がしましたが、衝撃を吸収するゴム足のおかげか、本体はそれほど飛び跳ねませんでした。特に故障もありません。 踏んだときの感触は、フレーム部分は頑丈に感じましたが、液晶の中央部分ほど「ふにゃ」とたわむのが足に伝わってきました。液晶中央につま先立ちすると壊れるかもしれません。 尚、リハーサルも含めると、合計3回実施しています。それでもどこも壊れずにすみました。
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Let's note S9 |
次はLet's note S9 のテストです。 動画を見ると、故障が無いように見えますが、実はDVDドライブの蓋が開かなくなってしまいました。 DVDドライブ以外は問題ありませんでした。 踏んだ感触としては、天板のボンネット部分が反対側にへこんだので、一瞬心配しましたが、液晶パネルがたわんでいるような感触はなく、ちゃんと守られているような感じがしました。 |
ThinkPad X201sはDVDドライブを搭載しておらず、Let's note S9 はDVDドライブを搭載しており、今回故障したのはDVDドライブのみでした。そのため、どちらが頑丈であるとかは言えませんが、両ノートPCとも、OS自体は起動し、PC診断ツールでチェックしても問題は発見されませんでしたので、両方頑丈であると言えると思います。
個人的にはモバイルノートは、ぶつけたり落としたりしやすいので、DVDドライブは搭載しないほうがいいと思っています。そのためLet's noteを購入するときは光学ドライブのない「N10」シリーズもおすすめです。
パソコン本体の重さの比較
次は重さの比較です。重さはLet's note S10のほうが、200g以上軽かったです。ThinkPad X220も重くはないのですが、Let's note S10が軽すぎます。尚、SSDモデルの場合は、両PCとも数十g軽くなります。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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1523g | 1312g |
ACアダプタの重さの比較
長期出張などACアダプタを持ち歩くときも多いと思うので、ACアダプタの重さも計測しました。ACアダプタの重さもLet's note S10のほうがやや軽いです。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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299g | 249g |
薄さの比較
薄さ(高さ)は、ThinkPad X220のほうが1cm近く薄かったです。カバンに入れたときに、カバンが分厚くなりにくいです。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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約3.60cm | 約4.50cm |
サイズ(縦x横)の比較
次は本体のサイズ(縦と横)の比較です。縦幅は両者とも同じくらいでしたが、横幅はLet's noteのほうがやや狭かったです。ただ、Let's noteはヒンジ部分が横に出っ張っているので、それほど大きな違いではありません。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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バッテリ駆動時間の比較
バッテリ駆動時間は、Let's noteのほうがかなり長いです。
両者ともセキュリティソフトはアンインストールし、液晶の輝度は中間にし、ローカルディスクに保存したDVD画質相当の動画を再生させて駆動時間を計測しました。
今回テストした、ThinkPad X220のバッテリは、6セルバッテリですが、9セルバッテリにした場合は、7時間42分駆動しました。ただし、重量も約170g増えます。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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5時間03分 | 9時間45分 |
キーボードの比較
キーボードは、ThinkPad X220のほうが優れていると感じます。
一番大きな相違点は、キーピッチです。横のキーピッチは両PCとも19mmです。しかし縦のキーピッチは、ThinkPad X220が19mmと十分にある一方、Let's note S10は16mmしかありません。おそらく右下のパームレスト部分にDVDドライブを入れるスペースを確保しなくてはいけなかったので狭くなったのだと思います。また、ThinkPad X220はキーが凹んでいて指にフィットするのですが、Let's noteはフラットに近くフィット感が足りません。
キー配置をチェックすると、Let's note は「半角/全角」キーが最上段にあるため届きにくく、さらに左から2つ目にあり押し間違いが多くなります。個人的には「半角/全角」キーはよく使うので、この位置にあるのは不満です。ThinkPad X220の「半角/全角」は一般的なキーボードと同じ位置にあり押しやすいです。また、ThinkPad X220は「Home」、「End」、「PgUp」、「PgDn」、ボリュームキー等が独立しており、Fnキーを押さなくて良いので、打ちやすいです。「Esc」や「Delete」キーが大きくなっている点も良いと思います。
その他の特徴的な機能を紹介すると、ThinkPadにはトラックポイントがあります。指で圧力をかけマウスの代わりに使います。古くからのThinkPadユーザには大変好評です。また下にある真ん中のクリックボタンを押しながらトラックポイントを動かすと、画面をスクロールさせることもできます。一方、Let's note にはホイールパッドがあります。これは指でクルクル回すと画面がスクロールする機能です。こちらも一般的には好評ですが、私は指が乾燥しているせいか反応が悪いです。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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表面温度/CPU温度の比較
パソコンに負荷をかけたときのPCの表面温度および、CPUの温度は、ThinkPad X220のほうが低かったです。
テストは、バイオハザード5ベンチを実行し、パソコンに負荷をかけ、そのときの表面温度および、CPU温度を計測しました。テストに用いたソフトはHWMonitorです。
ThinkPad X220は、キーボード面の左上側がやや熱くなりますが、手のひらではなく指が触れる部分であるため、体感としてそれほど熱くは感じません。しかし、Let's noteは、左手のひら部分が熱くなり、しかも約40℃にもなるため、長時間手のひらをつけていると熱いと感じます。
パソコンの裏面に関しては、最大温度は両者とも同じくらいでした。膝の上にパソコンを載せて、長時間作業すると低温火傷の可能性があります。
CPU温度については、ThinkPad X220のほうが低かったです。Let's note S10のCPUの温度は90℃以上にもなりかなり高かったです。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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静音性の比較
静音性は、ThinkPad X220のほうが優れています。ThinkPad X220は、負荷をかけるとCPUファンが結構回るのですが、動作音はわりと静かです。一方、Let's noteはうるさいと感じます。
テストでは、バイオハザード5ベンチ実行時の騒音値を計測しました。尚、無反響室で測定したわけではないので、下図の騒音値は正確な値ではありません。相対的な違いを確認する程度にしてください。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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43.2dB | 46.7dB |
パフォーマンスの比較
パフォーマンスは、搭載するパーツによってことなりますが、今回比較したPCに関して言えば、ThinkPad X220の方が良かったです。両者のスペックは冒頭をご覧ください。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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液晶ディスプレイの比較
液晶ディスプレイについては、どう感じるかは個人差がありますが、私はThinkPad X220のほうが見やすいと思います。視野角に関してだけ言えば、明らかにThinkPad X220のほうが広いです。
ThinkPad X220はIPS液晶を搭載可能で、この液晶ならば視野角が広く斜めから見ても、文字や画像を認識できます。やや色温度が低いように感じますが、テキスト文字はこのほうが見やすいです。解像度は1366x768です。
Let's note S10の液晶は、発色は普通ですが、視野角は良くありません。解像度は1280x800であり、横の解像度はやや狭いものの、その分、縦の解像度が高くなっています。
また、気になるのがディスプレイの開閉角度です。Let's noteは約140度までしか開きません。床にパソコンを置いてしゃがんで作業しなければならないときに、視野角が狭いこともあり画面が見づらいです。一方、ThinkPad X220は180度以上も開きます。モバイルノートは、色々な体勢で使うことが多いので、ここまで開くThinkPad X220の液晶は貴重です。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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指紋認証装置の比較
ThinkPad X220は指紋認証を搭載可能です。Let's noteには搭載できません。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
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なし | |
指紋認証装置を選択可能 | 指紋認証装置は選択不可 |
内蔵できる通信モジュールの比較
無線LANについてはThinkPad X220は最大450Mbpsの通信モジュールを選択できます。WiMAXについては、両者とも選択できます。
ワイヤレスWANの通信モジュールについては、Let's note S10のみ内蔵可能(FOMA)です。ただしワイヤレスWANを選択できるのはプレミアムエディションのみです。
ThinkPad X220 | Let's note S10 | |
---|---|---|
無線LAN | 最大450Mbps対応 | 最大300Mbps対応 |
WiMAX | 選択可能 | 選択可能 |
ワイヤレスWAN | × | 選択可能(FOMA) ※プレミアムエディションのみ |
価格の比較
価格はThinkPad X220のほうが断然安いです。Core i3を選択した最も安い構成なら(クーポンを使って)10万円以下で購入可能です。
ThinkPad X220 | Let's note S10 |
---|---|
約95,000円~(レノボ 公式サイト適用時) |
店頭モデル: 約180,000円~ |
サポート(保証)の比較
サポートはLet's note S10のほうが手厚いでしょう。ただし手厚いサポートを期待するなら、Web直販モデル(マイレッツ倶楽部)のほうが良いです。日経の満足度調査でも高い支持を得ています。
X220は、別途追加料金を払えば、意外と広い範囲で保証してくれます。ただ外資ということもあり、日経の満足度調査ではあまり高いランクではありません。ちなみに、購入したThinkPad X220について技術的な質問をしたところ、意外と電話はすぐに繋がり、対応してくれた人も日本人でした。受け答えも的確でした。たまたま”当たり”のサポートの方だったのかもしれませんが、個人的には良い印象でした。
ThinkPad X220 | Let's note S10 | ||
---|---|---|---|
店頭モデル | Web直販モデル | ||
故障の保証 | 当日引き取り修理サービス |
1年 無償 | 3年 無償 |
上記プラス 火災、落雷、台風、水漏れなどの 偶然の事故による保証 |
拡張引取り修理サービス |
なし | 3年 12,600円 |
上記プラス 盗難の保証 |
なし | 3年 プレミアムエディションのみ無償 | |
導入方法や技術的質問 | 30日間無償 |
無期限 無償 年中無休:9:00~20:00 | |
日経 2010年 Windowsパソコン満足度 (サポート満足度) |
7位 | 2位 |
その他
その他に気付いたことを書きます。
ThinkPad X220は、天板がフラットなので上に用紙を置いて持ち運ぶときや、カバンに入れるときに扱いやすいです。
Let's note S10 はHDMIの出力端子があり、大画面テレビにつなぐことができます。この辺は日本製っぽいです。ThinkPad X220にはHDMIポートがありません。
USB3.0ポートは、ThinPad X220の場合、Core i7モデルのみに搭載されます。レッツノートは2011年夏モデルから搭載されます。
まとめ
以上が、比較結果となります。どちらも高い水準の機能をもったモバイルノートであると思います。
では最後に今までの結果を、簡単に表にまとめます。
ThinkPad X220 | Let's note S10 | |
---|---|---|
頑丈さ | ◎ | ◎ |
本体の重さ | ○ | ◎ |
ACアダプタの重さ | ○ | ◎ |
薄さ | ○ | △ |
サイズ(縦x横) | ○ | ○ |
バッテリ駆動時間 | ○ | ◎ |
キーボード | ◎ | △ |
表面/内部温度 | ○ | △ |
静音性 | ◎ | △ |
パフォーマンス | ◎ | ○ |
液晶ディスプレイ | ◎ | ○ |
内蔵通信モジュール | ○ | ○ |
価格 | ◎ | △ |
サポート | ○ | ◎ |
キーボードの打ちやすさや画面の見やすさ、静音性などの操作性を重視するならThinkPad X220で、重量やバッテリ駆動時間などを重視するならLet's note S10が良いと思います。