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レノボ ThinkPad T520の評価レビュー(2)
総合ベンチマーク
Core i7-2620M、NVS 4200Mの本機での総合ベンチマークスコアを掲載します。
プロセッサのスコアはCore i7を搭載しているだけあって高いです。
グラフィックス関連のスコアは、NVS 4200Mがビジネス向けのGPUということもあり、それほど高くはありません。CPU内蔵のグラフィックスもSandy Bridgeになって性能がだいぶ上がっており、動画を再生する程度しかグラフィックスを使う用途がなければ、NVS 4200Mは搭載しなくてもいいと思います。発熱と消費電力が上がるだけです。ただし、OpenGL描画を有効にできる画像編集ソフト(Photoshopなど)や、CAD系ソフトなどを使いたい方は、NVS 4200Mを搭載したほうが良いと思います。
Windows エクスペリエンス インデックス
CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ
SPECviewperf 11のベンチマーク
ここでは、CAD用ベンチマークソフト「SPECviewperf」の実行結果を下記に掲載します。ThinkPad W520で搭載できるQuadro 1000Mや2000Mの結果と比べるとかなりスコアは落ちます。なお、ThinkPad W520のSPECviewperfのベンチマーク結果も合わせてご覧ください。
NVS 4200MのSPECviewperfベンチマークの結果。1920*1080の解像度で実行。
ゲームのベンチマーク
NVS 4200Mは、ゲーム用のグラフィックカードではありませんが、参考までにゲームのベンチマークも計測しました。解像度を落とせば軽めのゲームならやれないことも無いですが、ゲームもするなら他のPCのほうがいいでしょう。
製品名 | レノボ ThinkPad T520 |
||
基本スペック | Core i7-2620M、 NVS 4200M(2G) | ||
重めの ゲーム |
ロストプラネット 2(テストB) | 1920*1080 | 未実施 |
1280*720 | 未実施 | ||
ファイナルファンタジー XIV | 1920*1080 | 未実施 | |
1280*720 | 1255(動作困難) | ||
中程度の ゲーム |
バイオハザード5(テストB) | 1920*1080 | RANK C(FPS:18.4) |
1280*720 | RANK B(FPS:32.9) | ||
モンスターハンターフロンティア第二弾(絆) | 1920*1080 | 1119 | |
1280*720 | 1993 | ||
軽めの ゲーム |
THE LAST REMNANT | 1920*1080 | FPS:18.76 |
1280*720 | FPS:31.28 | ||
デビルメイクライ4 | 1920*1080 | RANK D | |
1280*720 | RANK B |
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
ThinkPad T520について、動画のエンコード時間をチェックしました。
ここでは、x264によるエンコードおよび、クイック・シンク・ビデオによるエンコード、CUDAによるエンコードの3種類を計測しました。
※x264は主にCPUのみ使用。クイック・シンク・ビデオはCPU内蔵のGPUを、CUDAはNVS 4200MのGPUも使用
エンコードに用いたソフトは、定番のペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。
テストの結果は、x264でエンコードしたときは31分25秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときは12分05秒、CUDAによるエンコードは16分04秒でした。
エンコード方法 | エンコード時間 |
---|---|
x264でエンコード | 31分25秒 |
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード | 12分05秒 |
GPGPU(CUDA)でエンコード | 16分04秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
次にエンコード時のCPUとGPU負荷を見ていきます。x264のときはCPU負荷はほぼ100%です。一方GPGPU(クイック・シンク・ビデオおよびCUDA)を使ったときは、CPU負荷を減らすことができています。CUDAのときは、CPU負荷は50%しかありませんが、GPU使用率がほぼ100%になっていることから、NVS 4200Mがボトルネックになっているだけだと思われます。
エンコード時のCPU、GPUの負荷。
尚、本機はOptimusテクノロジー搭載で、用途によってCPU内蔵とNVS 4200Mのグラフィックスが自動で切り替わります。デフォルトの状態では、TMPGEncは、CPU内蔵グラフィックス(クイック・シンク・ビデオ)を使用します。もしCUDAを使いたければ、下図のような設定をする必要があります。
画面上を右クリックし、「NVIDIAコントロールパネル」を起動します。
左ペインで「3D設定の管理」をクリックし、右ペインで「プログラム設定」タブをクリックします。
項目1で「tmpgencvmw4encode.exe」を選択し、項目2で「高パフォーマンス NVIDIA プロセッサ」を選択します。
「tmpgencvmw5.exe」についても同様の設定をします。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad T520のキーボードは、非常に打ちやすいです。
キーピッチは19x19mmと十分で、キートップが凹んでいて指にフィット感があります。7列キー配列で、頻繁に使用するEnter、Delete、Escのキーが大きくなっています。PgUp、PgDnなども独立したキーになっており、Fnキーを押しながら操作する必要がありません。良く使うCtrlキーが左から2番目になっていますが、このキーも他よりもやや大きめで、小指が届きやすい位置にあるため押しづらくはありません。キーボードに関しては不満点はありません。
テンキーは搭載されていませんが、テンキーを搭載していると手の位置が左へずれて姿勢が悪くなるので、個人的にはテンキーを搭載していない本機のほうが好みです。
キーボード全体図。19x19mmのキーピッチ。操作性に文句はないです。
キートップ(キーの指が触れる部分)は凹んでおり指がフィット。
トラックポイント(キーボード中央の赤い操作ボタン)も相変わらず快適です。ただしデフォルトでは、マウスが遅い(感度が重い)ので、コントロールパネルからマウスの感度を「軽く」する設定をすると良いでしょう。
トラックポイントの操作性も抜群です。
タッチパッドの操作感も良好です。タッチパッドには点字のような凹凸があり、指が湿っていても操作しやすいようになっています。クリックボタンも軽くて押しやすいです。
尚、タッチパッドの上にあるのもクリックボタンです。トラックポイントを使う人は、手をホームポジションに置いたまま、このクリックボタンを使えるので非常に便利です。真ん中のクリックボタン(青い点線の模様が入っているボタン)を押しながら、トラックポイントを前後させると、画面をスクロールさせることもできます。
タッチパッドとクリックボタン。操作しやすいです。
バッテリ駆動時間のチェック
実測で3時間51分のバッテリ駆動
ThinkPad T520のバッテリ駆動時間を実測しました。電源コードを抜いた後、動画(DVD相当の画質)を1つ再生させ休止状態へ入るまでの時間を計測しました。画面の輝度は中間の設定にしました。
尚、今回は標準の6セルバッテリを搭載しています。
その結果、3時間51分の駆動時間でした。
3時間の計画停電でも、対応できるバッテリ駆動時間でした。
外部バッテリ装着時の駆動時間のチェック
次に、 外部バッテリの「ThinkPad バッテリー 27++ (9セル)」を搭載したときの駆動時間も実測しました。6セルバッテリも装着したままです。
その結果、10時間32分の駆動時間でした。
「モバイルパソコンでは液晶&CPU共に性能不足だけど、15.6型サイズのノートではバッテリが短すぎる」という方に良いと思います。例えば、大学生が講義室で使用したり、お客様先で電源のとれない場所で長時間作業をしなければならないときなどに最適です。
地震による電力不足解消に役立つピークシフトという機能を先ほど紹介しました。しかし3~4時間のバッテリ駆動時間では、夏場の電力消費の高い時間帯を、バッテリ状態で駆動できない可能性があります。しかし外部バッテリを装着すれば、約10時間も駆動させることができます。企業が電力不足対策をするのにも良いと思います。
オプションの外部バッテリ27++を装着したときの様子。
サウンドのチェック
スピーカーは普通。
普通のノートパソコン並の音質です。DELLのXPS 15よりは劣ります。
lenovo enhanced experience 2.0のチェック
lenovo enhanced experience 2.0(EE 2.0)に対応した機種ということで、OSの起動とシャットダウンの時間には期待をしていました。試した結果、速いと言えば速いですが、他のPCと比べてそれほど速いとは感じませんでした。SSDを搭載+EE 2.0なしのほうがよほど速いです。尚、今回搭載しているのは7200rpmのハードディスクです。
OS起動時間とシャットダウン時間。