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レノボ ThinkPad W520 のレビュー(2)
静音性のチェック
ThinkPad W520 の静音性をチェックしました。
テストは下記の3つの状態のときに、騒音計で騒音値を測定しました。
(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)
テストの結果は、非常に優れた静音性でした。特に負荷を高くしても、騒音値があまり高くならないのが印象的でした。体感でも高負荷時は明らかに他のPCよりも静かです。ただし、一度高負荷にすると、処理が終わってもファンが回り続け、なかなかアイドル時ようの静かさに戻りません。
計測した騒音値は下の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dB(※1)あり、この値を基準にするとアイドル時で+0.2dB、バイオハザード実行時で+2.7dB、エンコード時で+2.3dBでした(※2)。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。
※1 今まで、部屋を極力無音にしたときは41.1dBでしたが、環境を変えたことで、40.4dBとなりました。
アイドル時と高負荷の騒音値。負荷をかけても静かです。
パーツの温度のチェック
CPUの温度を計測し、きちんとパーツが冷却できているかをチェックしました。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
テストは下記の3つの状態のときに、HWMonitorのソフトで温度を測定しました。
(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)
テストの結果は、(2)や(3)のように負荷をかけるとやや高い値でしたが、Quadroを搭載した本機であれば、このくらいの温度になると思います。
CPUの温度をHWMonitorで測定。負荷をかけたときの温度はやや高めです。
表面温度のチェック
表面の温度を計測し、作業中に手のひらが熱くならないかを確認しました。
テストは、また下記の3つの状態のときに、計測には赤外線温度計を用いました。室内温度は24℃にしています。
(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)
テストの結果は、非常に低い表面温度でした。負荷をかけても全て34℃以下となっており、実際に作業しても不快になることはありませんでした。ただ、これにはカラクリがあります。実はキーボードの左横のスピーカーの部分は38℃位にまで上昇しているのですが、手が触れない部分なので熱く感じないのです。計測するときも手が触れる部分を計測しているため、低い値になっています。上手い設計になっていると思いました。
本体キーボード側の表面温度。全体的に低い温度です。
消費電力のチェック
Core i5-2520M、Quadro 1000Mを搭載したThinkPad W520の消費電力です。
アイドル時と、高負荷時(バイオハザード5実行時)と、さらに省電力モード時の消費電力をワットチェッカーで計測しました(下図)。
テストの結果は、アイドル時はそれほどでもありませんが、高負荷時はやや高めの消費電力でした。
消費電力の計測結果。高負荷時はやや高い。
外観のチェック
ThinkPad W520の外観のチェックです。昔から変わっていない一目でThinkPadと分かるボディです。どこを触っても指紋が付きにくい素材です。
天板も指紋が付きにくいです。天版のlenovoの文字はくどいので要らなかったですね。ThinkPadだけのほうがすっきりしていて良かったです。
ThinkPad W520の側面です(下図)。Display Portを搭載している点と、USB3.0を2つ搭載している点が特徴です。
天版は、下図の角度まで開きます。
パーツの選び方
パーツの選び方を考察します。尚、BTOという性質上、時期によって選択できるパーツは異なりますのでご注意ください。ここでは2011年4月26日現在、搭載できるパーツでの選び方をコメントします。
CPU
選択できるCPUは、下記のCPUです。
ThinkPad W520に搭載できるCPUは、性能の高いものが多いです。
用途によっておすすめは変わりますが、W520のような高級PCを買うなら、Core i7- 2820QMあたりが良いのではないかと思います。Core i7- 2920XMは価格が跳ね上がる割には、大きな性能向上にはなりません。
仕様 | Core i7- 2920XM |
Core i7- 2820QM |
Core i7- 2720QM |
Core i7- 2630QM |
Core i7- 2620M |
Core i5- 2540M |
Core i5- 2520M |
---|---|---|---|---|---|---|---|
コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 | 2 |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 | 8 | 4 | 4 | 4 |
動作周波数 | 2.50GHz | 2.30GHz | 2.20GHz | 2.00GHz | 2.70GHz | 2.60GHz | 2.50GHz |
Turbo Boost時周波数 | 3.50GHz | 3.40GHz | 3.30GHz | 2.90GHz | 3.40GHz | 3.20GHz | 3.20GHz |
キャッシュ | L1:128KB L2:512KB L3:8MB |
L1:128KB L2:512KB L3:8MB |
L1:128KB L2:512KB L3:6MB |
L1:128KB L2:512KB L3:6MB |
L1:128KB L2:512KB L3:4MB |
L1:128KB L2:512KB L3:3MB |
L1:128KB L2:512KB L3:3MB |
消費電力 | 55W | 45W | 45W | 45W | 35W | 35W | 35W |
3DMark 06 ベンチ | 5944 | 5634 | 5507 | 4841 | 3556 | 3649 | 3380 |
PassMark CPU ベンチ | 7821 | 7653 | 7506 | 6357 | 3945 | 3745 | 3731 |
※ PassMark CPU ベンチのスコアはPassMark様のサイトから一部引用しています。尚、スコアは日々更新されています
グラフィックス
選択可能はグラフィックスは次の2種類です。ベンチマークの結果と合わせて見てみると、倍近い性能差があります。換装できないパーツなので、(用途にもよりますが)性能の良いQuadro 2000のほうが良いかと思います。
SPECviewperf11のベンチマーク | Quadro 2000M | Quadro 1000M |
---|---|---|
catia-03(1920*1080) | 30.44 | 18.24 |
ensight-04(1920*1080) | 20.31 | 11.44 |
lightwave-01(1920*1080) | 58.45 | 37.46 |
maya-03(1920*1080) | 61.14 | 36.79 |
proe-05(1920*1080) | 10.19 | 8.16 |
sw-02(1920*1080) | 43.16 | 26.26 |
tcvis-02(1920*1080) | 25.32 | 19.90 |
snx-01(1920*1080) | 22.24 | 13.72 |
ストレージ
ストレージは主に、(1)ハードディスク、(2)SSD、(3)ハードディスク2台のRAIDから選びます。RAIDは、0または1を選べます。SSD2台のRAIDは構成できません。また、(3)を選ぶと、光学ドライブ(DVDスーパーマルチ)が内蔵されなくなります。
ハードディスクでRAID 0を構成しても、SSDと比べると大きなパフォーマンス向上にはならないと思います。また、2台のうち1台のハードディスクが故障するとデータが消えてしまうので、可用性が下がります。
ハードディスクでRAID 1を構成した場合は、可用性は上がりますが、パフォーマンス向上になりません。また、トラブル時の対応が面倒です。RAID 1を構成しなくても、バックアップをきちんと取っていれば十分だと思います。
個人的にはSSDでRAID 0 を構成できるならまだいいですが、ノートPCでハードディスクでのRAIDの必要性をあまり感じません。
カラー・センサー
カラー・センサー(カラーマッチングツール)は購入時に選択する必要があります。忘れないようにしましょう。
まとめ
以上が、レノボ ThinkPad W520のレビューでした。
Quadro 2000Mや、Core i7- 2920XM、ハードディスクでのRAIDなどを選択できる高級パソコンです。液晶の色域が広くキャリブレーション可能な点も、他のPCには無い特徴です。キーボードの操作性や、静音性もよく、優れた製品だと思います。
基本的には3D CG制作者、または写真家向けのノートパソコンですが、高性能CPUが欲しい人や、写真を綺麗に鑑賞したい人などが購入しても良いと思います。
ただし、Quadroシリーズのグラフィックスは用途が限られているため、ゲームや動画編集目的なら別のPCがいいと思います。
Wシリーズと言えば、ワークステーションと名付けられているだけあって、高級品というイメージがありましたがレノボ 公式サイトを使えば、約14万円で購入可能です。
レノボ 公式サイト ※購入時はレノボ 公式サイトを忘れずにお使いください |