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レノボ ThinkPad W520 のレビュー(2)

更新日:2011年4月26日
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  目次  

静音性のチェック

ThinkPad W520 の静音性をチェックしました。

テストは下記の3つの状態のときに、騒音計で騒音値を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、非常に優れた静音性でした。特に負荷を高くしても、騒音値があまり高くならないのが印象的でした。体感でも高負荷時は明らかに他のPCよりも静かです。ただし、一度高負荷にすると、処理が終わってもファンが回り続け、なかなかアイドル時ようの静かさに戻りません。

計測した騒音値は下の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dB(※1)あり、この値を基準にするとアイドル時で+0.2dB、バイオハザード実行時で+2.7dB、エンコード時で+2.3dBでした(※2)。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。

※1 今まで、部屋を極力無音にしたときは41.1dBでしたが、環境を変えたことで、40.4dBとなりました。


アイドル時と高負荷の騒音値。負荷をかけても静かです。

パーツの温度のチェック

CPUの温度を計測し、きちんとパーツが冷却できているかをチェックしました。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

テストは下記の3つの状態のときに、HWMonitorのソフトで温度を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、(2)や(3)のように負荷をかけるとやや高い値でしたが、Quadroを搭載した本機であれば、このくらいの温度になると思います。


CPUの温度をHWMonitorで測定。負荷をかけたときの温度はやや高めです。

表面温度のチェック

表面の温度を計測し、作業中に手のひらが熱くならないかを確認しました。

テストは、また下記の3つの状態のときに、計測には赤外線温度計を用いました。室内温度は24℃にしています。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、非常に低い表面温度でした。負荷をかけても全て34℃以下となっており、実際に作業しても不快になることはありませんでした。ただ、これにはカラクリがあります。実はキーボードの左横のスピーカーの部分は38℃位にまで上昇しているのですが、手が触れない部分なので熱く感じないのです。計測するときも手が触れる部分を計測しているため、低い値になっています。上手い設計になっていると思いました。


本体キーボード側の表面温度。全体的に低い温度です。

消費電力のチェック

Core i5-2520M、Quadro 1000Mを搭載したThinkPad W520の消費電力です。

アイドル時と、高負荷時(バイオハザード5実行時)と、さらに省電力モード時の消費電力をワットチェッカーで計測しました(下図)。

テストの結果は、アイドル時はそれほどでもありませんが、高負荷時はやや高めの消費電力でした。


消費電力の計測結果。高負荷時はやや高い。

外観のチェック

ThinkPad W520の外観のチェックです。昔から変わっていない一目でThinkPadと分かるボディです。どこを触っても指紋が付きにくい素材です。

 

天板も指紋が付きにくいです。天版のlenovoの文字はくどいので要らなかったですね。ThinkPadだけのほうがすっきりしていて良かったです。

 

ThinkPad W520の側面です(下図)。Display Portを搭載している点と、USB3.0を2つ搭載している点が特徴です。

 

天版は、下図の角度まで開きます。

パーツの選び方

パーツの選び方を考察します。尚、BTOという性質上、時期によって選択できるパーツは異なりますのでご注意ください。ここでは2011年4月26日現在、搭載できるパーツでの選び方をコメントします。

CPU

選択できるCPUは、下記のCPUです。

ThinkPad W520に搭載できるCPUは、性能の高いものが多いです。

用途によっておすすめは変わりますが、W520のような高級PCを買うなら、Core i7- 2820QMあたりが良いのではないかと思います。Core i7- 2920XMは価格が跳ね上がる割には、大きな性能向上にはなりません。

2011/4/26時点で選択可能なCPU
仕様 Core i7-
2920XM
Core i7-
2820QM
Core i7-
2720QM
Core i7-
2630QM
Core i7-
2620M
Core i5-
2540M
Core i5-
2520M
コア数 4 4 4 4 2 2
スレッド数 8 8 8 8 4 4
動作周波数 2.50GHz 2.30GHz 2.20GHz 2.00GHz 2.70GHz 2.60GHz 2.50GHz
Turbo Boost時周波数 3.50GHz 3.40GHz 3.30GHz 2.90GHz 3.40GHz 3.20GHz 3.20GHz
キャッシュ L1:128KB
L2:512KB
L3:8MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:8MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:6MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:6MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:4MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
消費電力 55W 45W 45W 45W 35W 35W 35W
3DMark 06 ベンチ 5944 5634 5507 4841 3556 3649 3380
PassMark CPU ベンチ 7821 7653 7506 6357 3945 3745 3731
※3DMark 06 ベンチのスコアは、NOTEBOOKCHECK様のサイトから引用しています。尚、スコアは日々更新されています
※ PassMark CPU ベンチのスコアはPassMark様のサイトから一部引用しています。尚、スコアは日々更新されています

グラフィックス

選択可能はグラフィックスは次の2種類です。ベンチマークの結果と合わせて見てみると、倍近い性能差があります。換装できないパーツなので、(用途にもよりますが)性能の良いQuadro 2000のほうが良いかと思います。

2011/4/26時点で選択可能なグラフィックス
SPECviewperf11のベンチマーク Quadro 2000M Quadro 1000M
catia-03(1920*1080) 30.44 18.24
ensight-04(1920*1080) 20.31 11.44
lightwave-01(1920*1080) 58.45 37.46
maya-03(1920*1080) 61.14 36.79
proe-05(1920*1080) 10.19 8.16
sw-02(1920*1080) 43.16 26.26
tcvis-02(1920*1080) 25.32 19.90
snx-01(1920*1080) 22.24 13.72
※Quadro 1000Mのスコアは実測。Quadro 2000Mのスコアは、TechEYE.net様からの引用

ストレージ

ストレージは主に、(1)ハードディスク、(2)SSD、(3)ハードディスク2台のRAIDから選びます。RAIDは、0または1を選べます。SSD2台のRAIDは構成できません。また、(3)を選ぶと、光学ドライブ(DVDスーパーマルチ)が内蔵されなくなります。

ハードディスクでRAID 0を構成しても、SSDと比べると大きなパフォーマンス向上にはならないと思います。また、2台のうち1台のハードディスクが故障するとデータが消えてしまうので、可用性が下がります。
ハードディスクでRAID 1を構成した場合は、可用性は上がりますが、パフォーマンス向上になりません。また、トラブル時の対応が面倒です。RAID 1を構成しなくても、バックアップをきちんと取っていれば十分だと思います。
個人的にはSSDでRAID 0 を構成できるならまだいいですが、ノートPCでハードディスクでのRAIDの必要性をあまり感じません。

カラー・センサー

カラー・センサー(カラーマッチングツール)は購入時に選択する必要があります。忘れないようにしましょう。

まとめ

以上が、レノボ ThinkPad W520のレビューでした。

Quadro 2000Mや、Core i7- 2920XM、ハードディスクでのRAIDなどを選択できる高級パソコンです。液晶の色域が広くキャリブレーション可能な点も、他のPCには無い特徴です。キーボードの操作性や、静音性もよく、優れた製品だと思います。

基本的には3D CG制作者、または写真家向けのノートパソコンですが、高性能CPUが欲しい人や、写真を綺麗に鑑賞したい人などが購入しても良いと思います。

ただし、Quadroシリーズのグラフィックスは用途が限られているため、ゲームや動画編集目的なら別のPCがいいと思います。

Wシリーズと言えば、ワークステーションと名付けられているだけあって、高級品というイメージがありましたがレノボ 公式サイトを使えば、約14万円で購入可能です。

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※購入時はレノボ 公式サイトを忘れずにお使いください