マイクロソフト Surface Laptop 3 15インチの実機レビュー

更新日:2019年10月31日
CPU Ryzen 5 3580U
Ryzen 7 3780U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ SSD
液晶サイズ 15インチ
液晶種類 2496x1664 タッチ
質量 約1.542kg
バッテリー 最大約11.5時間
価格[税別] 14万円台~
軽くて携帯しやすい15インチノート

Surface Laptop 3 15インチは、約1.542kgと、15インチクラスのノートPCにしては非常に軽い製品です。大画面ノートを外に持ち運びたい方に最適な1台でしょう。

また、液晶の解像度が2496x1664と高く、アスペクト比も3:2と縦方向の表示領域が広くなっており、仕事がしやすいです。

また、Radeon内蔵のRyzenプロセッサーを搭載し、グラフィックス性能がやや高い点も特徴です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。

レビュー機の構成

Ryzen 5 3580U、16GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Surface Laptop 3 15インチ」のみお読みください。

 

Surface Laptop 3 15インチの特徴

新登場の15インチモデル

前モデルのSurface Laptop 2は、13.5インチの1サイズ展開でしたが、Surface Laptop 3では、15インチモデルが新登場し、2サイズでの展開となります。

グラフィック性能が高い点と、13.5型と15インチの2サイズ展開している点から、かなりMacBook Proを意識しているのと思われます。

13.5インチと15インチの2サイズ展開

 

15インチノートとしては軽い

本製品の質量は約1.542kgとなっています。

ライバル機種と言える、高めの性能のグラフィックスを搭載した15インチクラスの製品と比較すると、かなり軽いことが分かります。大きな画面のノートPCを外出先へ持ち運びたい方に適しています。

ライバル機種との質量の比較
dynabook Z (ZZ) 約1.399kg~
Surface Laptop 3
15インチ
約1.542kg
Inspiron 15 7000 (7590) 約1.59kg~
ThinkPad X1 Extreme 約1.70kg~
XPS 15 (7590) 約1.80kg~
MacBook Pro 15インチ 約1.83kg
GALLERIA GCR1660TGF-QC 約1.87kg

 

アスペクト比3:2で高解像度の液晶を搭載

Surfaceシリーズ全般の特徴ですが、Surface Laptop 3 15インチもアスペクト比3:2の液晶を備えています。さらに解像度は2496x1664で、フルHD(1920x1080)よりも特に縦方向の情報量が増えるため、Officeソフトなどを使用しての作業などの効率が上がります。

アスペクト比3:2の液晶

 

アルミニウムを採用した剛性の高いボディ

Surface Laptopというと、アルカンターラというファブリック素材のパームレストを思い浮かべるかもしれませんが、Surface Laptop 3 15インチモデルではアルミボディのみとなっています。ひねっても曲がりにくく剛性の高いボディで、非常にいい質感です。

剛性の高いボディ

 

グラフィック性能の高いAMD Ryzen搭載

一般的なAMDプロセッサーは、グラフィックスにRadeon Vega 8を搭載するRyzen 5 3500Uと、Radeon RX Vega 10を搭載するRyzen 7 3700Uです。

一方、Surface Laptop3 15インチのプロセッサーは、グラフィックスが強化された特別なエディションとなっています。具体的にはRyzen 5 3500UのプロセッサーにRadeon Vega 9のグラフィックスを搭載した Ryzen 5 3580U Microsoft Surface Editionに、Ryzen 7 3700UのプロセッサーにRadeon RX Vega 11を搭載したRyzen 7 3780U Microsoft Surface Editionが選択可能です。

下表は、Ryzen 5 3580Uのグラフィックス関連のベンチマークスコアですが、グラフィックスが強化されたIce LakeのCore i7-1065G7よりも高いスコアでした。ライトにゲームをする場合や、GPUアクセラレーションに対応したクリエイター向けソフトを使うときに効果的です。

ただし、Mac OS用ならFinal Cut ProなどRadeonのGPUアクセラレーションに対応したクリエイターソフトは多いのですが、Windows向けのクリエイターソフトはRadeonと相性が悪いソフトも多いので、各ソフトの推奨GPUや評判などを調べておくといいでしょう。

3DMark Night Raid - Graphics score
GeForce MX250 15406
Radeon Vega 9
(Ryzen 5 3580U)
10999 [レビュー機で計測]
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
9530
Intel UHD 620 5274

 

タッチパッドおよびペンに対応

Surface Laptop3 15インチは、クラムシェル型のPCですが、タッチ操作に対応しており、別売りのSurfaceペンの使用も可能です。Surfaceペンは、4,096段階の筆圧感知、傾き検知に対応しており、本格的な描画も可能なペンです。ただ、液晶がフラットにはならないのが残念です。イラスト制作目的ならSurface Pro 7 のほうがいいです。

タッチパッドおよびペンに対応

 

スピーカーの音質が良い

Surface Laptop3 15インチは、ノートパソコンの中では、音質が非常に良いです。動画を視聴したり、音楽を聴いたりすることが多い方におすすめです。

スピーカー音がいい

 

インターフェイスは少ない

Surface Laptop 3 15インチのインターフェイスは、通常サイズのUSB-Aと、USB Type-C、ヘッドフォンジャックと、非常に限られています。HDMI出力やSDカードリーダーはありません。

なお、簡単に試した限りでは、USB Type-Cポートは外部ディスプレイ出力およびPower Deliveryにも対応していました。

インターフェースは少ない

 

Microsoft Office H&Bバンドル

Surface Laptop 2と同じく、Surface Laptop 3にもOffice Home & Business 2019がバンドルされています。

ただ、Office 365などを契約していて、Officeソフトのライセンスをすでに持っているユーザーや、Officeソフトを使用しないユーザーのために、Officeをバンドルしないモデルもあれば良かったです。

Microsoft Office H&Bバンドル

 

コスパはそれほど良くない

Surface Laptop 3 15インチのRyzen 5 3580Uのモデルは14万円台(税別)ですが、Ryzen 7 3780Uのモデルは21万円台(税別)まで跳ね上がります。

21万円を出せるなら、HシリーズCoreプロセッサーにGeForce GTXシリーズを搭載したノートPCが買えてしまいます。Surface Laptop 3 15インチは、他のWindows機と比べるとコスパは悪いです。

ライバル機種との比較
  CPU GPU メモリ 質量 価格[税別]
Surface Laptop 3
15インチ
Ryzen 5 3580U Radeon Vega 9 8GB 1.542kg 146,800円
Ryzen 7 3780U Radeon RX Vega 11 16GB 210,800円
Inspiron 15 7000 Core i7-9750H GTX 1650 16GB 1.59kg 132,783円
XPS 15 (7590) Core i7-9750H GTX 1650 16GB 1.8kg~ 199,183円
ThinkPad X1 Extreme Core i5-9300H GTX 1650 Max-Q 16GB 1.7kg~ 212,160‬‬‬‬円
GCR1660TGF-QC Core i7-9750H GTX 1660Ti 16GB 1.87kg 189,980円
※いずれのPCも、他の構成を選択可能です
※2019年10月13日現在の価格です

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
液晶のアスペクト比が3:2と縦の情報量が多く、スペックも十分で、快適に作業できます。ただし、液晶が光沢であるため映り込みがあります。
動画鑑賞 スペックは十分です。液晶のアスペクト比は動画向きではないものの、液晶自体は綺麗です。また、スピーカー音もいいです。
イラスト制作 Windows PCとしてはペン性能が高いです。ただ、液晶がフラットにならないため、描きづらいです。
RAW現像
画像編集
液晶のsRGBカバー率は98.4%あり、Web向けのコンテンツのRAW現像・画像編集に適しています。ただし、Adobeソフトとの相性が良くないというのもありますが、Adobe Lightroomでの現像時間は長めでした。
動画編集 内蔵GPUにしてはやや高めのグラフィック性能ですが、動画編集をするならもう少し高い性能が欲しいです。また、Adobe Premiere Proなど、Radeonとの相性があまり良くないソフトも多いため、使用したいソフトがRadeonを推奨しているかなど確認しておくといいでしょう。DaVinci Resolveなんかは相性がいいと聞きます(使ったことはありません)。
ゲーム Radeonを搭載することで、軽めのPCゲームやブラウザゲームならできると思います。ただし、本格的にやるなら、GeForce GTX 1650以上の外部グラフィックスを搭載したPCをおすすめします。

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

型番は「LQ150P1JX51」となっていました。なお、別の型番の液晶が搭載されることもあるため、ご注意下さい。

前述しましたがアスペクト比3:2となっているのが特徴で、解像度も2496x1664と高いです。最大輝度も、当サイトの計測で380cd/m2と高めです。ただし、光沢液晶である点は好みが分かれると思います。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.4%、Adobe RGBカバー率は98.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃っており、ほぼ1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきは感じません。

画面拡大

光沢液晶ですので、映り込みがあります。

画面への映り込み

今回確認した限りでは、フリッカーは感じませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

Surface Laptop 3のキーボードは、キーピッチが約19mm、キーストロークが約1.3mmです。Surface Laptop 2は、キーストロークが約1.5mmだったので、やや浅くなりました。キー配列は標準的ですが、「\」と「Backspace」キーがやや小さいです。打ちやすさは普通だと思います。

タッチパッドは、ガラス製で、サイズは115mm x 76.66mmです。Surface Laptop 2でも大きめでしたが、さらに20%大きくなっており、操作がしやすくなっています。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

バックライトキーボードも搭載しています。

バックライトキーボード

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

通常のノートパソコンの電源モードは「高パフォーマンス」になっていますが、Surface Laptop 3 の電源モードはデフォルトで「推奨」になっていました。

「推奨」だと処理性能がやや落ちてしまうので、ここでは、他のノートPCと同様に「高パフォーマンス」にして各種ベンチマークスコアを計測しています。


電源モード

 

CPU

CPUは、グラフィックスが強化されたMicrosoft Surface専用のRyzenプロセッサーを搭載しています。今回は、「Ryzen 5 3580U Microsoft Surface Edition」でベンチマークを計測しました。

CINEBENCH R20は、第10世代のCore i7と同じくらいのスコアでした。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 ~
Ryzen 5 3580U Microsoft Surface Edition
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3405
Core i7-9750H 2640
Core i5-9300H 1921
Ryzen 5 3580U 1515 [レビュー機で計測]
Core i7-1065G7 1484
Core i5-1035G4 1464
Core i5-1035G1 1424
Core i5-10210U 1418
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-8145U 952
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

今回は、Ryzen 5 3580U内蔵のRadeon Vega 9でベンチマークを計測しましたが、インテルのCore i7-1065G7に搭載されたIntel Iris Plusよりも、ややスコアが良かったです。とは言っても、GeForce MX250よりも劣るスコアで、重いPCゲームが快適に動いたりするような性能はありません。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~

Radeon Vega 9(Ryzen 5 3580U)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce MX250 15406
Ryzen 5 3580U
(Radeon Vega 9)
10999 [レビュー機で計測]
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
9530
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
9188
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
7248
Intel UHD 620 5274
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 2031 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

実際のソフトで計測した処理時間

実際のソフトウェアで計測した処理時間は次の通りです。

今回、Adobeのソフトを試していますが、AMDとは相性が悪いこともあってか、想像以上に処理が遅かったです。Davinc Resolveの動画編集ソフトはAMDと相性がいいという話も聞くので、こういったソフトならもう少し期待した速さが出るのではないかと思います。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

AMDのプロセッサーと相性が悪いこともあり、Lightroomでの現像時間はかなり遅いです。

Core i9-9880H
32GBメモリ
69秒
Core i7-8700
32GBメモリ
71秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
82秒
Core i7-8565U
16GBメモリ
130秒
Ryzen 5 3580U
16GBメモリ
172秒 [レビュー機で計測]
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere Proは書き出しも遅いです。Premiere Proに関しては、CUDAが使えるNVIDIAのグラフィックスを搭載している製品のほうがいいです。

Core i7-9750H/16GB
RTX 2060
41秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
47秒
Core i5-9300H/8GB
GTX 1650
103秒
Core i7-8565U/16GB
GeForce MX250
147秒
Core i7-8650U/16GB
Intel UHD 620
473秒
Ryzen 5 3580U/16GB
Radeon Vega 9
782秒 [レビュー機で計測]
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

x256によるエンコード時間もそれほど速くなかったです。ただ、VCEによるハードウェアへンコードは速かったです。

  Ryzen 5 3580U
x265でエンコード (※1) 36分34秒
QSVでエンコード (※2)
NVENCでエンコード (※3)
VCEでエンコード(※4) 1分44秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
x265でのエンコード時間
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-8750H 16分40秒
Core i5-1035G4 27分31秒
Core i7-1065G7 28分26秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Ryzen 5 3580U 36分44秒 [レビュー機で計測]
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

急激に落ちるわけではないですが、徐々にCPUクロックが下がっているのが気になります。冷却性能が良いPCならもう少し処理が速かったのかもしれません。

Ryzen 5 3580U
内蔵GPUによるエンコード時間
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
1分43秒
Radeon Vega 9
(Ryzen 5 3580U)
1分44秒 [レビュー機で計測]
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3700U)
1分51秒
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
1分54秒
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
2分13秒
Intel UHD 620 3分17秒

 

ゲームベンチマーク

ゲームベンチマークのスコアです。

Radeon Vega 9は、3DMarkではCore i7-1065G7よりも高いスコアでしたが、ドラクエ10ではCore i7-1065G7よりも劣るスコアでした。ゲーム自体は快適にできると思います。

FF14は、カクつくときもありますが、なんとかプレイできるかなといった感じでした。

中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 4127 / 28 fps
1280x720 標準(ノート) 6562 / 48 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 6707(快適)
他のグラフィックスとの比較
GTX 1650 19246
GeForce MX250 11900
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3700U)
7373
Radeon Vega 9
(Ryzen 5 3580U)
6707
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
6368
Intel UHD
(Core i5-1035G1)
5655
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
5306
Intel UHD 620 4655
※約5500で60fps

 

質量のチェック

質量は、メーカーサイトでは1.542kgとなっています。

当サイトで計測した質量は次の通りです。15インチクラスのノートパソコンとしては軽いと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.564kg
ACアダプター(+電源ケーブル) 293g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー容量は45Whです(ソフト上から確認したので誤差があるかもしれません)。

バッテリー状態のデフォルト設定も、電源モードは「推奨」となっていました。そのため、ここでは他のノートPCと合わせるために「高パフォーマンス」にしてバッテリーを計測しました。


バッテリー駆動時の電源モード

 

バッテリー駆動時間は次のようになっています。やや長めの駆動時間だと思います。ただ、動画再生時のバッテリー駆動時間は、液晶解像度が高いため、それほど長くありませんでした。

バッテリー駆動時間
  [電源モード]
高パフォーマンス
(1) 通常のデバイス使用時間 最大11.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office 7時間33分
(3) 動画再生時 7時間9分
(4) PCMark 8 Work 7時間16分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測した充電時間は次の通りです。速い充電速度です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
77%
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 


 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

低負荷時はほぼ無音です。高い負荷をかけても、騒音値は比較的低めです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:動画再生時(解像度:720x480で実行)
左から3番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から4番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

低めの温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボブースト時は90℃近くまで温度が上がりますが、その後は70℃前後→60℃前後→50℃台とCPU温度が下がっており低めの温度だと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

非常に負荷の高いエンコード時は手の平が暖かく感じ、やや不快です。ただ、それ以外は問題ないです。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

外観のチェックです。

シンプルですが、薄いボディでベゼルも狭く、アルミニウム素材を採用し、メタリック感のある美しい外観です。

 

天板もシンプルです。Windowsのロゴマークは、アルファベットが入っていないので好きです。

 

スピーカーは、下図のような位置にあります。音質は良く、勝手に点数をつけると、10点満点で7~8点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

液晶は、次の角度まで開きます。

 

非常に薄いボディです。剛性も高くひねりに強いです。

 

側面には、USBポート、USB Type-C、ヘッドフォン、Surfaceコネクトポートがあります。また、無線LANは11ac(Wi-Fi 5)対応で、Wi-Fi 6には対応していません。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

Surface Laptop 3 15インチは、約1.542kgと15インチクラスのノートPCとしては軽量で、大画面ノートを持ち歩きたいといった方に適しています。

液晶は、アスペクト比が3:2、解像度が2496x1664で、色域もsRGBカバー率:98.4%(当サイト計測)と比較的広いです。品質の良い液晶で見やすいと思います。

アルミニウムを採用した剛性の高いボディは、質感も良く素敵なデザインです。

ただし、Surface専用のAMD Ryzenプロセッサーの性能は思っていたほど高くはありませんでした。クリエイターソフトを使うにはやや物足りない性能です。特にWindowsのクリエイターソフトはRyzenおよびRadeonとの相性が悪いケースがあり、ソフトを選びます。クリエイターが使うには、やや中途半端なノートPCであると感じます。

クリエイター向けではなく、一般ユーザー向けノートPCとしてなら、軽くて液晶も綺麗で優秀だと思います。

 

軽量15インチノート

Surface Laptop 3 15インチ

特徴

  • 15インチノートとしては軽い
  • アスペクト比3:2の液晶、解像度も高い
  • スピーカー音がいい

こんなあなたに

  • 大画面ノートを持ち歩きたい方
  • 価格14万円台[税別]~
  • 一言GeForceを搭載したほうが
    良かったと思う
公式サイトはこちら

 

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