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NEC LAVIE Direct DT(2017年夏モデル)の実機レビュー

更新日:2017年8月10日

デザイン刷新し奥行短くなった

LAVIE Direct DTは、国内メーカー「NEC」が販売するスリムタワーデスクトップPCです。

2017年夏モデルで、デザインが刷新され、奥行きがより短くなりました。圧迫感が少なくなり、奥行きの狭いデスクにも設置可能です。

また、第7世代インテルCoreプロセッサーも選択可能になりました。

国内メーカーということで、安心感もあります。


※レビュー機はメーカーからの貸出機です

目次

LAVIE Direct DT (2017年夏モデル) の基本スペック

カスタマイズモデル LAVIE Direct DT(2017年夏モデル)のスペックです。特徴的な部分は赤字にしています。

CPU
第7世代インテルCore またはCeleronを搭載可能です。本機はCore i7-7700です。
グラフィックカード
CPU内蔵グラフィックスまたは、GeForce GT730です。 本機は前者です。
SSD
なし or 256~512GB PCIe SSDです。本機は搭載していません。
HDD
500GB~3TB HDDです。本機は1TB HDDです。
メモリ
DDR4のメモリを最大32GBまで選択可能です。本機は8GBです。
光学ドライブ
ブルーレイディスクまたはDVDスーパーマルチドライブです。

特徴1 - 安心の国内メーカーのデスクトップ

NEC LAVIE Direct DTは、安心できる国内メーカーのデスクトップPCです。

価格面だけを見れば、海外メーカーのデスクトップパソコンの方が安いですし、ハードウェアの面でも海外メーカーのほうが性能の高いパーツを選べたりしますが、サポート面から、国内メーカーのほうが安心して購入できるという方も多いと思います。

本製品は、数少ない国内メーカーのデスクトップPCで、CPUには第7世代インテルCoreプロセッサーを搭載でき性能も比較的高いです。グラフィックスは高い性能のパーツを選べませんが、ゲームや3D制作などをしないなら、CPU内蔵のグラフィックスで十分だと思います。

また、海外メーカーは最大で3年の保証であるケースが多いですが、本製品は最大5年の保証が可能です。保証には「メーカー保証サービスパック」と「あんしん保証サービスパック」があり、後者であれば、火災や落雷などの天災、落下や水こぼしなど不注意による破損・損傷でも修理してくれます。


国内メーカーのデスクトップ

特徴2 - 奥行きが短くなった

LAVIE Direct DTは、2017年夏モデルからPCケースがモデルチェンジしています。

新しいPCケースでは奥行きが短くなり、従来モデルよりも約8.6cmも縮小しているそうです。

下図は、一般的なスリムタワーPCケースと本製品とを並べて撮影した画像です。本製品のほうが奥行きがかなり短くなっていることが分かると思います。奥行きの短いテーブルにも設置できますし、机の上に置いた時の圧迫感も少ないです。


一般的なスリムノート(黒)と本機(白)とのサイズ比較

特徴3 - 初心者向けのマニュアルが付属

国内メーカーのNECだけに、マニュアル類も充実しています。

詳しい冊子のマニュアルも同梱されていますし、PC内にも、図解入りの電子マニュアルソフトがインストールされています。パソコンを初めて購入する初心者などに適していると思います。


詳しい冊子のマニュアル


LAVIE アシスト(ハードウェアのマニュアル)

特徴4 - フィリップス製液晶が選択可能に

2017年夏モデルから、NEC製のディスプレイだけでなく、フィリップス製のディスプレイも選択できるようになりました。

今回、「【23.8型ワイド】フィリップス ノングレア AH-IPS液晶」をお借りしており、この液晶について簡単に紹介します。

こちらの液晶の型番は 241S6QHAW/11となっています。ちなみに、購入カスタマイズ画面の「他社ディスプレイ(その他)」にて「メーカーサイトへ」をクリックすると、各ディスプレイの型番が分かります。

この液晶は、ホワイトで統一されたカラーで、PC本体のカラーとよく合うと思います。AH-IPSパネルを搭載しており視野角が良いです。ベゼル幅は普通で、スタンドはチルトはできますが、スイーベルと昇降はできません。

映像入力ポートは、HDMI、DVI、D-Subとなっています。PC本体の映像出力ポートはDisplayPortが多いため、液晶側にもDisplayPortがあれば良かったなと思います。ただし、DisplayPort-DVI変換アダプターが付属するため、DVIケーブルで接続することは可能です。


【23.8型ワイド】フィリップス ノングレア AH-IPS液晶(241S6QHAW/11)


スタンドはチルト(角度調節)のみ可能。スイーベル(左右回転)、昇降は不可


映像入力ポートはHDMI、DVI、D-Sub


OSDボタン。スピーカーもあり

前述の通り、AH-IPS液晶を搭載しているため視野角は良いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼずれが無く、1:1の直線となっており優秀です。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域はデスクトップ用液晶ディスプレイとしては普通です。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

ギラつきも、ほとんど感じません。

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

筆者の独自判断ではありますが、下図に選び方を記載したので、参考にしてください。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージ

ストレージはHDDを搭載しており、追加でPCIe SSDも選択できます。HDDとSSDでは体感速度が大きく違うため、SSDの搭載もおすすめします。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)

LAVIE Direct DTで計測したベンチマーク

以下、本機でのベンチマークスコアです。

今回、CPUに大きな負荷を長時間かけるとサーマルスロットリングが発生していました。そのため、エンコード時間などは、通常よりもやや長めでした。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i7-7700
CINEBENCH R15
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i7-7700
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i7-7700、インテル HD グラフィックス 630
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i7-7700
x265でエンコード (※1) 19分20秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分13秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

1TB HDD

キーボードおよびマウスのチェック

キーボードは、十分なキーストロークがあり、打ちやすいです。


キーボード全体図


キーの拡大図

 

マウスは普通です。ホイールを左または右に傾けるとメニューバーが表示されます。PC本体のボディカラーがホワイトなので、マウスもホワイトのほうが良かったとは思います。


マウス

 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

本機の動作音(静音性)のチェック結果です。

低負荷時はデスクトップPCとしては比較的静かです。ただし、エンコード時は高めの動作音です。


騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※選択したCPUやGPUが異なると騒音値は変わってきます


【PCの状態】
左から1番目の図:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目の図:PowerDirector の編集画面でエフェクトを追加しプレビュー再生
左から3番目の図:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード時(x265)

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコードのようにCPU使用率が100%になるような負荷をかけると、CPU温度はほぼ100%になり、サーマルスロットリングが発生しました。一般的な作業なら、CPU使用率が100%になることは少ないため問題ないですが、エンコードのような処理はあまりやらないほうが良いと思います。


消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

高性能なCPUを搭載しているため、それなりに高めの消費電力です。


外観のチェック

外観のチェックです。

ボディはホワイトのカラーで清潔感があります。

 

光学ドライブはスリムタイプです。

フロント側にはUSB3.0ポートや、マイク、ヘッドホンの端子、SDカードスロットなどがあります。

天面はフラットです。

 

右側面と左側面です。吸気口はなく、前面のみから吸気します。

 

台座はちょっと変わっていて、最初は左図のように板状になっています。これを組み立てると右図のようになります。

 

台座にPCを乗せると、下図のようになり、安定感が増します(地震などに強くなります)。

 

底面にはゴム足もあるので、無理に台座は使わなくても大丈夫です。

 

背面です。

 

背面のポート類です。

オンボードの映像出力は、VGAとDisplayPort x2となります。HDMIとDVIポートはありません。

ケースの内部のチェック

ケース内部の画像です。

 

HDDや光学ドライブが設置されている部分は、下図のように開くことが可能です。内部が狭いスリムタイプのPCですが、割とメンテナンスはしやすいです。

 

前面には吸気ファンはありません。ストレージ(3.5インチ)は1台のみ搭載できます。

 

マザーボードの拡大図です。メモリスロットは4つ、PCI Express x16が1つ、PCI Express x1が2つあります。さらに最近では珍しいPCIスロットも1つあります。なお、ロープロファイルのカードのみ増設可能です。

 

CPUファンの拡大図です。集めた空気をケース内に漏らさず外へ排気できるようにダクトが設置されています。トップフロートのCPUファンなので、サイドパネルに吸気口があっても良かったなと思います。

 

本製品はPCIe SSDも選択できます。M.2 スロットを探したところ、下図のような位置にありました。

 

ただ、このスロットにM.2 SSDを挿すと、マザーボードからかなりはみ出てます。ネジで固定するところもありません。どうやって設置しているのか、イマイチ不明です。少なくとも、HDDのみ搭載された製品を購入し、後からM.2 SSDを増設するのは難しいと思います。

 

電源は最大210Wと容量は少なめです。

まとめ

以上が、NEC LAVIE Direct DTのレビューです。

2017年夏モデルから、ボディが刷新され、奥行きがより短くなり、設置場所の自由度が上がったと思います。CPUも、第7世代インテルCoreプロセッサーが選択できるようになり、性能もアップしています。

海外メーカーでは不安があり、国内メーカーのデスクトップパソコンのほうが安心できるという方に適した製品です。最大で5年の延長保証があるのも魅力です。

ただし、筆者が確認した個体では、エンコードのようにCPU使用率が100%になる処理を長時間かけ続けると、サーマルスロットリングが発生し、クロック周波数がダウンしていました。仕事で使うなら、CPU使用率が100%になることは滅多にないため問題ないですが、エンコードのような処理はあまりしないほうが良いと思います。

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