※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
VAIO Zの実機レビュー
高性能 2 in 1 モバイルPC
VAIO Zは、高性能パーツを搭載した13.3型の2 in 1 モバイルノートパソコンです。
TDP28Wの第5世代インテル Core i プロセッサーを搭載しておりCPU性能が高いです。また内蔵グラフィックスもインテル Iris グラフィックス 6100と高性能です。さらに高速なPCIe接続のSSDも搭載しています。
また、タブレットへも変形可能な 2 in 1 パソコンとなっています。持ちあげずに、テーブルに置いたまま変形することが可能です。
デジタイザースタイラスペンも付属しています。タブレット形状で、イラストを描いたり、パソコンを使った打合せ中に図を挿入したりすることが可能です。
メーカー直販サイト:ソニーストア(VAIO Z)
※レビュー機は当サイトの購入品です
目次
1 VAIO Z の基本スペック | 2 特徴1 - 高い処理性能 |
3 特徴2 - タブレット形状へ変形可能 | 4 特徴3 - デジタイザースタイラスペン付属 |
5 特徴4 - 比較的長いバッテリー駆動時間 | 6 液晶ディスプレイのチェック |
7 キーボードおよびタッチパッドのチェック | 8 パフォーマンスのチェック |
9 ゲームベンチマーク | 10 重量のチェック |
11 カードリーダー/ライターのチェック | 12 静音性のチェック |
13 パーツの温度のチェック | 14 表面温度のチェック |
15 消費電力のチェック | 16 外観のチェック |
17 まとめ |
VAIO Zの基本スペック
VAIO Z(2015年春モデル)のスペックです。特徴的な部分は赤字にしています。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU TDP28WのUシリーズの第5世代インテルCPUを選択可。本機はCore i5-5257Uです。 |
グラフィックカード インテル Iris グラフィックス 6100です。 |
液晶ディスプレイ 13.3型ワイド(2560x1440)のタッチパネル対応光沢液晶です。 |
メモリ 8GBまたは16GBです。本機は8GBのメモリです。 |
SSD 128~512GBの第二世代ハイスピードSSDです。本機は128GB SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵光学ドライブは非搭載です。 |
バッテリー駆動時間 15.2 - 15.5時間です(JEITA2.0測定法)。 |
その他 薄さ15.0-16.8mm、重量約1.34kgです。 |
特徴1 - 高い処理性能
本製品は、一般的なモバイルノートパソコンよりもCPU、グラフィックスなどの性能が高いです。
Uシリーズ Core iでも高性能なCPU
CPUは、一般的なモバイルノートパソコンと同様にUシリーズのCore i プロセッサーを搭載しています。ただし、一般的なモバイルノートパソコンはTDP15WのCPUであるのに対し、VAIO ZはTDP28WのCPUであり、動作周波数等が高くなっています。
下表はVAIO ZのCPUと、一般的なモバイルノートパソコンのCPUの比較です。VAIO Zに搭載できるCore i5-5257Uは、一般的なモバイルノートパソコンに搭載されているCPUのPassmark CPU スコアを上回っています。Core i7-5557Uであればさらに高いスコアが出るはずです。
VAIO ZのCPU | 一般的なモバイルPCのCPU | |||
Core i7-5557U | Core i5-5257U | Core i7-5500U | Core i5-5200U | |
コア / スレッド数 | 2 / 4 | 2 / 4 | 2 / 4 | 2 / 4 |
ベース動作周波数 | 3.1GHz | 2.7GHz | 2.4GHz | 2.2GHz |
Turbo Boost時周波数 | 3.4GHz | 3.1GHz | 3.0GHz | 2.7GHz |
キャッシュ | 4MB | 3MB | 4MB | 3MB |
TDP | 28W | 28W | 15W | 15W |
Passmark CPU スコア | ? | 4653 | 4039 ※1 | 3688 ※1 |
ワンランク上の内蔵グラフィックス「インテル Iris グラフィックス」
グラフィックスも、一般的なモバイルノートパソコンより高性能です。VAIO Zのグラフィックスはインテル Iris グラフィックス 6100であるのに対し、一般的なモバイルノートパソコンはインテル HD グラフィックス 5500です。
下表の通り、3D Mark や FF XIV、ドラクエ Xといったベンチマークスコアは、インテル Iris グラフィックス 6100のほうが高いです。
VAIO ZのCPU | 一般的なモバイルPCのCPU | |||
Core i7-5557U | Core i5-5257U | Core i7-5500U | Core i5-5200U | |
プロセッサー・グラフィックス | インテル Iris グラフィックス 6100 | インテル HD グラフィックス 5500 | ||
定格周波数 | 300MHz | 300MHz | 300MHz | 300MHz |
最大動作周波数 | 1.1GHz | 1.05GHz | 950MHz | 900MHz |
3DMark - CLOUD GATE | ? | 6141 | 5425 ※1 | 5313 ※1 |
FF XIV 新生(1280x720,標準(ノートPC)) | ? | 4742 | 4061 ※1 | 4161 ※1 |
ドラクエ X Ver.1.00(1280x720,標準品質) | ? | 5617 | 4017 ※1 | 4297 ※1 |
1000MB/sを超えるスピードのPCIe接続SSD
ストレージも高速です。VAIO Zは、メーカーが"第二世代ハイスピードSSD"と呼んでいるPCIe接続のSSDを搭載しています。こちらのストレージはSATA接続のSSDはもちろん、通常のPCIe接続のSSDよりも高速です。
下表の通り、VAIO Zの128GB SSDは、一般的なSSDよりも、シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスのいずれも高速です。
SSDの比較
最大16GBのメモリ
メモリも最大16GBと大容量です。
なお、一般的なモバイルノートパソコンは、8GBという仕様が多いです。
特徴2 - タブレット形状へ変形可能
VAIO Zは、タブレット形状へ変形することが可能です。
変形可能なパソコンはいくつかありますが、VAIO Zはやや変形方式が変わっています。下図のように、液晶が、横の中央を軸として、反転するようになっています。
変形時の様子の動画
この変形方法のメリットとしては、パソコンをテーブルに置いたまま変形できる点が挙げられます。また、液晶を180度回転させる方式(レノボ Yogaシリーズなど)と違い、タブレット形状にしたときにキーボード面が隠れます。
デメリットとしては、下図のように背面側が厚くなり持ちにくいという点です。ただ、本製品は重量も1kg以上あることですし、どちらにしろ、手に持って使うことはあまりないと思います。テーブルに置いてタッチする使い方が主になると思います。
タブレット時は厚みがある
また、横位置表示(画面が横長になるように表示)にしたときは、画面が斜めになって見やすいのですが、縦位置表示(画面が縦長になるように表示)にしたときは、左右どちらかに傾くため、やや見にくいです。
左右の高さが異なる
特徴3 - デジタイザースタイラスペン付属
VAIO Zはデジタイザースタイラスペンを搭載しており、イラストを描いたり、メモをとったり、画面上の小さいリンクを正確にクリックしたり等することが可能です。公式には公開されていませんが、N-Trig製のデジタイザースタイラスペンです。
N-Trig製のデジタイザースタイラスペンを搭載
授業や、セミナー、会議などで、図を記入する
授業やセミナー、会議など、パソコンで文字入力しているときに、図やイラストをペンで描きたいときがあるかと思います。本製品でMicrosoft One Noteなどのソフトを用いれば、文章はキーで入力し、イラストはペンで描くといったことが可能です。
One Note でメモを取っているときの様子
イラスト描きに
Adobe PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどのイラスト制作ソフトを使って、イラストを描くことも可能です。
CLIP STUDIO PAINTでイラストを描いているときの様子(図はVAIO Duo 13)
特徴4 - 比較的長いバッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間のチェックです。
フリーソフトでバッテリー容量を確認すると58,280mWhでした。大きな容量です。ただし、高性能なパーツに、高解像度液晶を搭載しているため、バッテリー駆動時間はそこまで延びていません。"普通よりやや長め"といった程度です。
なお、メーカーが公表しているJEITAバッテリー動作時間測定法(Ver2.0)での駆動時間は、15.2 - 15.5時間となっています。
当サイトで実測した結果は、下表の通りです。
バッテリー駆動時間 | |
---|---|
動画再生時 ※1 | 10時間50分 |
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間25分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 | 6時間10分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
まず、最大輝度が実測で380cd/m2と非常に高いです。
液晶解像度は、2560 x 1440もあり、写真を綺麗に表示できます。ただし、高精細な液晶にはメリットもあればデメリットもあります。詳細は、「高DPI液晶搭載PCのメリット・デメリット」をご覧ください。
高解像度(2560 x 1440)液晶を搭載
視野角は良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線です。比較的、自然な発色であることが分かります。
ガンマ補正曲線
※ i1Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください
色域は広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。タッチパネルを搭載している影響で、(ほとんど気になりませんが)わずかにギラつきを感じます。
光沢液晶であるため、周囲の物が画面へ映り込みます。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチの実測値は、横19mm、縦18.5mmと十分な間隔です。キーストロークは、約1.2mmとやや浅めです。キートップはわずかに凹んでいるように見えますが、ほぼフラットに近いです。キー配列はオーソドックスです。
キーストロークの浅さがやや気になりますが、慣れれば普通に打てると思います。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーボードバックライトも搭載しています。
キーボードバックライト
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。クリックボタンはやや固めです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
前述した通り高い処理性能です。各ベンチマークスコアは次のようになります。
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※ FIRE STRIKE:高性能GPU向け、SKY DIVER:ミドルレンジGPU向け、
CLOUD GATE:一般ノート向け、ICE STORM:タブレットやスマホ等のモバイル向け
PCMark 8 - Home accelerated
動画のエンコード時間
Core i5-5257U | |
---|---|
x264でエンコード | 23分53秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 9分50秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
ストレージのベンチマーク
128GB SSD(PCIe)
ゲームベンチマーク
いつものレビュー記事では、モバイルノートパソコンの場合はゲームベンチマークを計測しないのですが、今回は、インテル Iris グラフィックス 6100のグラフィックスを搭載しているということで、いくつか計測してみました。
ドラゴンクエスト X ベンチマーク
ドラクエXは、標準品質、1280x720の解像度なら快適に動作します。
ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア ベンチマーク
FF XIVは、標準品質(ノートPC)、1280x720の解像度という低いグラフィック品質で、38.7 fpsというフレームレートでした。動作はしますが、カクつくこともあると思います。
重量のチェック
重量のチェックです。
13型クラスのモバイルノートパソコンとしては、普通の重量だと思います。
ACアダプターは、やや軽めです。
重量の実測値
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
SDカード挿入後の出っ張りはあまりありません。
SDカードスロット挿入後の画像
カードリーダー/ライターの速度はあまり速くありません。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)