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サイコム 静音PC Silent Master NEO B550A Miniの実機レビュー
CPU | AMD Ryzen 5000 シリーズ等 |
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GPU | 最大RTX 3070 |
メモリ | 最大128GB |
ストレージ | 最大 PCIe Gen4 SSD | 価格[税込] | 10万円台~ |
今回、新しい筆者のメインPC用に、Silent Master NEO B550A Miniを購入しましたので簡単にレビューします。
筆者は、動作音がうるさいと気が散ってしまうため、できるだけ静音性の高い製品が欲しかったというのが、この製品に決めた大きな理由です。
静かであるだけでなく、スペックもある程度高く、冷却性も十分です。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
CPU | Ryzen 9 5900X |
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ケース | CoolerMaster Silencio S400 |
前面ケースファン | Noctua NF-A14 FLX |
背面ケースファン | Noctua NF-S12A FLX |
マザーボード | ASRock B550M Steel Legend |
CPUファン | Noctua NH-U12S |
メモリ | 64GB[16GB*4枚] CENTURY MICRO DDR4-3200 |
グラフィックス | ASUS DUAL-RTX3060TI-O8G |
ストレージ | CFD CSSD-M2B2TPG3VNF [M.2 PCI-E GEN4 SSD 2TB] |
光学ドライブ | DVD; ASUS DRW-24D5MT+ 書込みソフト |
電源 | Fractal Design ION+ 760P[760W/80PLUS Platinum] |
合計(税込) | 326,980円 |
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目次
お忙しい方は、「Silent Master NEOの特徴」のみお読みください。
Silent Master NEOの特徴
非常に高い静音性
筆者は、パソコンの動作音がうるさいと、作業に集中できないタイプなので、パソコンの静音性は非常に重視しています。そんな筆者のメインパソコンとして今回購入したのが、このSilent Master NEOです。
アイドル時は耳をパソコンに近づけないと、動作音を聞こえないレベルの静かさで、PC本体をデスクの下に設置している方であれば、動いていることに気づかないレベルでしょう。
PCケースには複数の遮音材を使用
PCケースには、特定の周波数を正確に打ち消すために、ソフトで厚みのあるフォーム材や、高密度ビニールなど、複数の遮音材を貼り付けています。
ファンには静音性の高いNoctua製を使用
フロントファンには、静音性が高く人気あるNoctua製のファンを使用しています。「Noctua NF-A14 FLX 1200rpm」、リアファンには「Noctua NF-S12A FLX 1200rpm」、CPUファンには「Noctua NH-U12S」が搭載されています。
ビデオカードはセミファンレス
ビデオカードは、複数ある中から選べるので、そのカードによって仕様が異なりますが、今回はセミファンレスのASUS製GeForce RTX 3060Tiを搭載しています。ビデオカードに負荷がかかっていないときは、ファンが停止するので動作音が聞こえません。高い負荷がかかったときは、きちんとファンが回るので安心です。ただし、高負荷時はそれなりの騒音値になります。
電源ユニットもセミファンレス
電源ユニットも、セミファンレスのFractal Design ION+ 760P(760W/80PLUS Platinum)を搭載しています。Zero RPMモードはOnになっており、低負荷時はファンが止まるようになっています。
計測した騒音値
では、実際に騒音値を計測してみましょう。なお、精度の高い騒音計を使用していますが、無響室で計測したわけではないので、数値は正確ではありません。下に掲載している「使用計器の騒音値の目安」と見比べながら、参考程度にご覧ください。
アイドル時はかなり静かです。顔をPC本体に近づけなければ、音が聞こえないレベルです。低めの負荷(Filmoraで動画をプレビュー)をかけるとやや騒音値は上がりますが、それでもかなり静かです。エンコードのようなCPU使用率が100%近くなる高い負荷をかけると騒音値は上がりますが、それでも他のPCと比べると静かです。FF15のゲームのベンチマークを実行すると、ビデオカードのファンが高回転になるので、そこまで静かというわけではありません。ただし、これは搭載するビデオカードによって変わってきます。
当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安は次の通りです。
他のメジャーなBTOデスクトップパソコンと比較したのが下のグラフです。アイドル時の騒音値は他のデスクトップパソコンよりもかなり静かです。エンコード時の騒音値は、Ryzen 9 5900Xの高い性能のプロセッサーを搭載しているにも関わらず、こちらもかなり静かです。FF15またはFF14ベンチマーク実行時の騒音値は、他のPCと大差ありません。ただし、これはビデオカードが主な騒音源となっているためで、他のエントリー向けのビデオカード(初期構成のGIGABYTE GEforce GTX 1660など)なら、もっと静かになる可能性があります。
冷却性、信頼性も問題なし
「静音性が高いPCだと、冷却性に問題があるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、フロントファンはFULL固定で回っており、サイドフローのCPUファンを通ってリアファンから排気する、直線的なエアフローで、十分高い冷却性です。今回、Ryzen 9 5900Xの非常に高い性能のプロセッサーを搭載していますが、CPU使用率が100%になるような高い負荷をかけても、80℃以下のCPU温度に収まっていました。
また、筆者は4年前に、この製品の旧モデルを購入し、今までメインPCとして使ってきました。電源をオフにすることは滅多になく、いつでもすぐに作業を始められるように、スリープにもほとんどせず、4年間ほぼ動かしっぱなしにしてきました。途中で最新のグラフィックボードに交換しスペックアップしたこともありました。それでも、故障することなく4年間使い続けることが出来ました。1台だけの実績では何とも言えないかもしれませんが、少なくとも低い信頼性ではありません。
パフォーマンスのチェック
Silent Master NEOのパフォーマンスのチェックです。
CPU
今回は、Ryzen 9 5900Xを搭載しています。マルチコアもシングルコアも非常に高いスコアで、多くのアプリの処理が早く終わることでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
今回は、GeForce RTX 3060Ti 8GBを搭載しています。ミドルスペックのグラフィックスで、ゲームに動画編集に多くの用途で仕様できる性能です。
Silent Master NEOは静音性を重視した製品であるため、GeForce RTX 3090のようなハイエンドビデオカードは選択できません。ただ、静音性重視だからと言って、ノートPC用のパーツを使っているわけではないので、多くの方には十分高い性能の構成で、PCを組むことができるでしょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはDDR4-3200を搭載しており、十分な速さです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen3の他に、PCIe Gen4のM.2 SSDも搭載可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載していますが、アクセス速度は速くありません。
ゲームベンチマーク
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。
今回、GeForce RTX 3060Tiを搭載しています。レイトレーシング機能をONにしても、60 fpsを超える高い平均フレームレートが出ています。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 138 fps |
高 | オフ | 90 fps | |
ウルトラ | オフ | 77 fps | |
レイトレ:中 | 自動 | 74 fps | |
レイトレ: ウルトラ | 自動 | 60 fps |
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
高 | オフ | オフ | 119 fps |
最大 | オフ | オフ | 78 fps | |
中 | 高性能 | 84 fps | ||
最大 | 高性能 | 79 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準品質 | 154 fps |
高品質 | 112 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 高(デスク) | 175 fps |
最高品質 | 163 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 高設定 | 250 fps |
最高設定 | 200 fps |
その他のゲームのベンチマーク
上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。他のPCでの計測値ではありますが、ほとんど変わらないので参考になるかと思います。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
Lightroomの書き出しは爆速です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
動画の書き出し時間も非常に速いです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するx265エンコードですが、Ryzen 9 5900Xであれば、かなり速いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPUの温度の推移を確認します。
CPU電力は120Wで推移しており、途中でCPU電力が下がったりすることもありません。CPU温度は最初のほうは70℃台、15分くらい負荷をかけ続けても約80℃となっています。よほど高い負荷をかける続ける処理をしなければ、問題ないと思います。
ゲーム時のCPU/GPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のGPU温度は下図の通りです。70台℃で推移しており、問題ない温度でしょう。
外観のチェック
外観のチェックです。
スチール遮音パネルのPCケースで、シンプルな見た目です。
天面はフラットで、通気口も無いため、モノを置くことも可能です。また、USBポート、イヤホン端子、SDカードスロットもあります。
フロントパネルには緩衝材が貼られています。
フロントのフィルターは取り外しが可能なので、掃除が楽です。
底面のインシュレーターはやや小さめです。もう少し高さがあるものでも良かったかなと思います。
底面のダストフィルターも取り外し可能です。
背面の画像です。
PCケース内部です。ミニタワーなので、ビデオカードの下は余裕がなく、何かカードを増設しようと思ったときは、抜き差ししづらいと思います。メンテナンス性を考えるなら、Silent-Master NEOのミドルタワーモデルがいいと思います。
反対側のケースの内部です。
こちら側に3.5インチベイがあります。マウンターも付いているので増設は簡単です。
2.5インチストレージを、側面に取り付けることも可能です。
PCケース、マザーボード、電源ユニットなどの余った付属品はちゃんと付いてくるので、何か増設するときにも安心です。
まとめ
Silent Master NEOは、静音性に優れたデスクトップPCです。
遮音性の高いPCケースに、動作音の静かなNoctua製のケースファンおよびCPUファン、セミファンレスの電源ユニットおよびビデオカードを搭載しています。机の下などに設置すれば、アイドル時は、電源が入っていることに気づかないほど静かです。
静音性の高いデスクトップPCですが、高い負荷がかかった時には、各種ファンが回転または回転数を上げてくれるので、冷却性も問題ありません。
静かな環境で作業をしつつ、冷却もきっちりと行ってくれるPCをお探しの方におすすめです。
GeForce RTX 3090のようなハイエンド・ビデオカードを搭載することはできませんが、RTX 3070クラスなら選択できます。静音性の高いPCだからといって、ノートPC用のパーツを使ったりすることもないので、スペックも十分です。
とても静かなデスクトップPC
Silent Master NEO
特徴
- 優れた静音性
- 冷却もしっかりと行う
- スペックも十分
こんなあなたに
- 静かなデスクトップPCが欲しい方
- 静かでもある程度高いスペックが必要な方
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。