マイクロソフト Surface Book 3 15インチの実機レビュー

更新日:2020年6月2日
CPU Core i7-1065G7
GPU GTX 1660Ti Max-Q  /
Quadro RTX 3000
Max-Q
メモリ 16GB / 32GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15インチ
液晶種類 3240x2160 タッチ
質量 約1.905kg
バッテリー 最大約17.5時間
価格[税込] 28万円台~
高性能でペンも使える

Surface Book 3 15インチは、クリエイティブワークに対応できる15型 2 in 1 PCです。

Surface Book 2 15インチから、CPU、GPUが刷新され、特にグラフィックス性能が大きく向上し、動画編集などの作業に強くなりました。また、法人モデルでは、CADソフトなどの使用に適したQuadro RTX 3000 Max-Qも選択できます。

画面アスペクト比が3:2となっており仕事がしやすく、Surfaceペンも使えます。ペンが使えるノートPCとしては無双のスペックだと思います。 

ただし、グラフィックス性能が高めの割には、CPU性能が高くありません。また、価格が29万円台からと高価です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、日本マイクロソフトからの貸出機です。また、マイクロソフトアフィリエイトプログラムを利用し収入を得ています。

レビュー機の構成

Core i7-1065G7、32GBメモリ、GeForce GTX 1660Ti Max-Q、512GB SSD

 

目次

お忙しい方は、「Surface Book 3 15インチの特徴」のみお読みください。

 

Surface Book 3 15インチの特徴

クリエイティブな作業に適したGTX 1660Ti Max-Q搭載

Surface Book 3 15インチは、外部グラフィックスとしてGeForce GTX 1660Ti Max-Qを搭載しています。GPU支援が利用できる動画編集ソフトなどを使う際に効果が出るでしょう。今回、Premiere Proで動画の書き出しを行いましたが、CPU性能がそこまで高くない割には速かったです(書き出し時間の詳細はこちら)。

なお、法人モデルにはQuadro RTX 3000 Max-Qを搭載したモデルもあります。CADなどの業務ソフトを使用する場合は、Quadro搭載の法人モデルを選択するといいでしょう。

動画編集もできるスペック

 

CPUはCore i7-1065G7と性能はやや低め

Surface Book 3 15インチは、Core i7-1065G7を搭載しています。

Core i7-1065G7は、一般的なノートPCに採用されるCPUですが、クリエイター用ノートPCとしては、それほど性能が高くはありません。薄型のタブレット部分(液晶部分)にCPUが搭載されているので仕方のない部分ですが、クリエイター向けソフトによってはCPUがボトルネックになり、処理が遅く感じるケースもあることでしょう。

お使いになるクリエイターソフトが、このCPUでもストレス無く動くかどうかが、このPCを購入するときの大きなポイントになると思います。

 

タブレット部分とキーボードが分離可能

Surface Book 3 15インチは、下図のように、タブレット部分とキーボード部分を外して使うこともできます。

ただし、タブレット側のバッテリー容量は少ないので、タブレット部分だけでバッテリー状態で長時間使うことはできないでしょう。また、本体側にCore i7-1065G7、キーボード側にGTX 1660Ti Max-Qを搭載しているので、性能を十分に発揮するためにも、通常は本体とキーボードを一体で使用した方がよいです。

本体とキーボードを分離可能

 

ペンでの作業を行うような場合は、下の画像のように、本体をキーボードに反対向きにはめて、タブレット形状で使用することができます。

本体を反対向きにドッキング

 

ペンにも対応

Surface Book 3 15インチは、高めのスペックを備えながら、上述のようにタブレット形状で使用できペン入力にも対応しています。もっと高い性能のクリエイター向けノートPCはありますが、この3つの条件を同時に満たしている機種は、他にはありません。

イラスト制作ソフトはそこまで高いスペックは要求されませんが、イラスト制作の他に配信や動画編集なども行うような方であれば、他のPCでは満足できないことでしょう。

高い性能かつペンにも対応

 

使いやすいアスペクト比3:2の高解像度液晶

Surface Book 3 15インチの特徴的な点は、画面アスペクト比が3:2であるという点です。

他のノートPCよりも縦方向の比率が高いため、縦スクロールする必要があるWebページや文書ファイルが見やすくなります。また、一眼レフなどのカメラ写真の比率も3:2であるため、写真編集などにも使用しやすいと思います。A4サイズも3:2の比に近いです。

解像度も3240x2160と高く、精細な表示が可能な点も、クリエイター向けノートPCとして適している要素の一つとなっています。

3:2の高解像度液晶

 

唯一無二のデザイン

Surface Book 3 15インチは、デザインも特徴的です。ジャバラ状のヒンジを採用し、独特の形状をしています。また、ボディをひねっても曲がることが無く、押しても凹みにくく、頑丈そうなつくりです。

ジャバラ状のヒンジ
剛性の高いボディ

 

高級機種ゆえに価格がネック

Surface Book 3 15インチの最大のデメリットは、最小構成でも29万円台という価格の高さです。また、最小構成ではストレージ容量などが物足りませんが、メモリとストレージ容量を倍にするだけで、35万円台にまでアップしてしまいます。

個人的な趣味用のノートPCとしては、ちょっと手を出しにくいです。

Surface Book 3 15インチの個人モデルのラインナップ
  Surface Book 3 15インチ
CPU Core i7-1065G7
GPU GeForce GTX 1660Ti Max-Q
メモリ 16GB 32GB
ストレージ 256GB 512GB 1TB
価格[税込] 292,380円 351,780円 374,880円

 

アクセサリでより快適に

Surface Book 3 15インチは、アクセサリを使用することで、その能力を最大限に発揮することができます。Surfaceペン、Surface Dial、Surface Dockといった既存のアクセサリをそのまま使用することが可能です。

加えて、Surface Dock 2、Microsoft USB-C Travel Hubという新しいアクセサリも同時に発表されています。

Surface Dock 2は、Mini DisplayPortがUSB-Cになり使い勝手がよくなりました。

Microsoft USB-C Travel Hubは、小型であるため持ち運びがしやすく、出張先やクライアントのオフィスなどでも、作業を行いやすくなると思います。

Surface Dock 2(ACアダプターが結構大きいかも)
Surface Dock 2のインターフェース

 

新旧モデルの比較

Surface Book 3 15インチと、旧モデルのSurface Book 2 15インチを比較してみました。

Surface Book 3 15インチは、CPUとGPUが順当にアップグレードされ、特にグラフィックス性能が大きく向上しています。32GBメモリを搭載できるようになったのも嬉しいです。また、表には載せていませんが、Wi-Fi 6にも対応しており、より高速でのネット接続も行えます。ボディサイズなどには変化はありません。

新旧モデルの比較
  [本製品]
Surface Book 3 15インチ
[既存モデル]
Surface Book 2 15インチ
画像
CPU Core i7-1065G7 Core i5-8350U
Core i7-8650U
GPU GeForce GTX 1660Ti Max-Q /
Quadro RTX 3000 Max-Q
Intel HD Graphics 620 /
GeForce GTX 1060
メモリ 16GB / 32GB 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15インチ
液晶種類 3240 x 2160 タッチ
インターフェイス USB 3.1 x2
USB 3.1 Type-C
(USB Power Delivery対応)
Surface Connect ポート x2
SDカードリーダー
バッテリー 最大約17.5時間 最大約17時間
(ビデオ再生時)
サイズ [幅]343
[奥行]251
[高さ]15-23
質量 約1.905kg

 

ライバル機種との比較

最後に、Surface Book 3 15インチと、15型のクリエイター向けノートPCである他機種との比較を行います。比較機種は、デルのXPS 15と、GIGABYTEのAERO 15 OLEDです。3機種とも、質量は同等レベルで、15型のクリエイター向けノートPCとしては軽量です。

Surface Book 3 15インチは、これらの2機種と比べると、CPUやグラフィックスのスペック面では見劣りします。しかも、群を抜いて価格が高いです。ただし、ディスプレイが3:2である点、タッチにも対応し、Surfaceペンも使用でき、タブレットとしても使えるというメリットがあります。ペンの使用を含めた総合的な使い勝手が重要であれば、SurfaceBook 3 15インチがいいでしょう。

ライバル機種との比較
  [本製品]
Surface Book 3 15インチ
デル
XPS 15 (9500)
GIGABYTE
AERO 15 OLED
画像
CPU Core i7-1065G7 Core i5-10300H
Core i7-10750H
Core i9-10875H
Core i7-10875H
Core i9-10980HK
GPU GTX 1660Ti Max-Q GTX 1650Ti Max-Q GTX 1660Ti
RTX 2060
RTX 2070 S Max-Q
RTX 2080 S Max-Q
メモリ 16GB / 32GB 8GB~32GB 16GB~64GB
液晶サイズ 15インチ
(3:2)
15.6インチ
(16:10)
15.6インチ
(16:9)
液晶種類 3240 x 2160 タッチ FHD+
UHD+
UHD AMOLED
バッテリー 約60+22Wh 56Wh / 86Wh 94Wh
質量 約1.905kg 約1.83kg~ 約2.0kg
価格比較
  [本製品]
Surface Book 3
15インチ
デル
XPS 15 (9500)
GIGABYTE
AERO 15 OLED
CPU Core i7-1065G7 Core i7-10750H Core i7-10875H
GPU GTX 1660Ti Max-Q GTX 1650Ti Max-Q GTX 1660Ti
メモリ 16GB
ストレージ 256GB SSD 512GB SSD 512GB SSD
液晶種類 3240 x 2160 タッチ UHD+ UHD AMOLED
価格[税込] 292,380円 219,984円 219,780円

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な性能で、画面アスペクト比も3:2と縦の比率が高く、縦長のWebページやWordファイルなどが見やすいです。
動画鑑賞 画面アスペクト比は動画向きではないものの、色域は比較的広く見やすいです。タブレットを反対向きに取り付けて「L」字型の形状で見ることもできます。音質は普通です。
イラスト制作 ペン性能が高くイラストは描きやすいです。ただし、室温や他に起動しているソフトにもよりますが、タブレット部分の温度がやや高く、手のひらがやや熱く感じました。
RAW現像
画像編集
液晶色域は、当サイトの計測でsRGBカバー率 94.8%で、Web用コンテンツの編集になら使えると思います。CPU性能はそれほど高くないため、書き出しはやや遅いですが、編集・現像自体はそれほどストレスはありません。ペンが使えるので、編集作業がしやすいケースもあります。また、高速フルサイズSDカードスロットも搭載しているので、一眼レフで撮影した画像・動画を取り込みやすいです。
動画編集 CPU性能がやや低めであるため、処理によってはCPU使用率が100%になり、やや待たされたり、カクついたりすることもあります。ただし、外部グラフィックスを搭載しており、書き出し時間はまずまずの速さです。
ゲーム 高リフレッシュレートの液晶ではありませんが、ミドルレンジ帯の外部グラフィックスを搭載しており、グラフィック品質を高めにしても、60fpsなら出るゲームが多いです。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

前述の通り、3:2の液晶であるためWebページや文書ファイルなどの縦長のコンテンツは使いやすいです。色域もまずまずで解像度も高いです。ただし、光沢液晶なので周囲のものが映り込みます。MacBookなどのように低反射の液晶だと嬉しかったです。最大輝度も当サイトの計測では390cd/m2とやや高めです。液晶の詳細な特性については、下のタブをクリックしてご覧下さい。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域はやや広めです。ただ、この価格帯のPCなら、sRGBカバー率100%は欲しいところでした。各カバー率は、当サイトの計測では次の通りです。

sRGBカバー率 94.8%
DCI-P3カバー率 69.9%
Adobe RGBカバー率 70.1%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線は、各色とも比較的まっすぐで、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきは感じません。

画面拡大

光沢液晶であるため、周囲のものや自分の顔が映り込みやすいです。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、フリッカーは確認できませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードについては前述した通り、バタフライ構造からシザー構造に変わっています。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストローク約1.7mmです。いずれも十分な数値です。"たわみ"がほとんどなく、底付きの衝撃も低減されており、タイピングしやすいキーボードだと思います。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

バックライト

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

普通の性能CPUです。一般的なユーザーが使うには十分な性能ですが、クリエイターが使うにはやや物足りない性能ではあります。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
Core i7-1065G7
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i9-10980HK 3643
Core i7-10875H 3557
Core i7-10750H 2777
Core i7-10710U 2211
Core i7-1065G7 1685
1597 [レビュー機で計測]
Core i5-1035G4 1378
Core i3-10110U 922
Ryzen 3 3200U 751
Pentium Gold 5405U 516
Celeron N4100 459
A4-9125 260
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックスには、GeForce GTX 1660Ti Max-Qを搭載しており、エントリークラスとミドルクラスの間くらいの性能です。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~

GeForce GTX 1660Ti Max-Q
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 2080Ti 12388
RTX 2080 SUPER 10674
RTX 2070 SUPER 9583
ノート用 RTX 2080 9456
ノート用 RTX 2080
Max-Q
8068
ノート用 RTX 2070 7778
ノート用RTX 2070 SUPER Max-Q 7425
ノート用 RTX 2070
Max-Q
7216
ノート用 RTX 2060 5686
ノート用 RTX 2060 Max-Q 5676
ノート用 GTX 1660Ti 5667
ノート用GTX 1660Ti Max-Q 4735 [レビュー機で計測]
ノート用GTX 1650Ti 3700
ノート用 GTX 1650 3494
ノート用 GTX 1050Ti 2201
ノート用 GTX 1050 1689
Intel UHD 380
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

GPU-Zで確認したGeForce GTX 1660Ti Max-Qの情報は次の通りです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージの性能です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 2311 [レビュー機で計測]
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しており、速度も速いです。

SDカードスロット性能
~ CrystalDiskMark ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Core i7-10750Hなどと比べると速度はそこまで速くありません。

Core i7-9700
16GBメモリ
69秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-10750H
16GBメモリ
76秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
85秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-1065G7
32GBメモリ
102秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

以下は2020年にアップデートされたPremiere Proで計測したデータです。Premiere Proがアップデートされてから、GeForceのグラフィックスを搭載したノートPCは非常に高速で、本製品はRadeon Pro 5500M(8GB)を搭載したMacBook Pro 16インチよりも高速でした。

Core i7-9750H/16GB
GeForce RTX2070 Max-Q
4分01秒
Core i5-10300H/16GB
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-1065G7/32GB
GeForce GTX 1660Ti Max-Q
6分21秒 [レビュー機で計測]
Core i9-9980HK/16GB
Radeon Pro 5500M(8GB)
8分15秒 (MacBook Pro 16インチ)
Core i5-10300H/8GB
GeForce GTX 1650
8分21秒
Core i7-1068NG7/32GB
Intel Iris Plus
19分35秒
Core i7-1060NG7/16GB
Intel Iris Plus
26分57秒
Core i7-10510U/8GB
Intel UHD
58分06秒
※テストに使う元動画およびエフェクト内容を変更しました
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

普通の速度です。Core i7-10750Hと比べると大分遅いです。

  エンコード時間
x265でエンコード (※1) 29分44秒
NVENCでエンコード (※2) 1分16秒
QSVでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265でのエンコード時間
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Core i7-10875H 11分54秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Core i7-10750H 13分22秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i5-10300H 18分13秒
Core i7-10710U 19分05秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
Core i7-1065G7 29分44秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Core i3-8130U 45分24秒
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

ややクロックが安定しない点は気になります。

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

本製品をゲーム目的で購入する方は少ないと思いますが、参考までにゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。フルHDに近い解像度なら、割と高めのグラフィック設定で、60fps以上出るゲームが多いです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 7865 / 78 fps
標準品質 6513 / 65 fps
高品質 5063 / 50 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2080 Max-Q 83 fps
RTX 2070 80 fps
RTX 2070 Max-Q 70 fps
RTX 2060 65 fps
GTX1660Ti 63 fps
RTX 2060 Max-Q 62 fps
GTX1660Ti Max-Q 50 fps [レビュー機で計測]
GTX 1650Ti 43 fps
GTX1060 41 fps
GTX 1650 40 fps
GTX1050Ti 26 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 14070 / 117 fps
高(ノート) 13078 / 101 fps
最高品質 11321 / 80 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 114 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
RTX 2060 98 fps
GTX 1660Ti 95 fps
RTX 2060 Max-Q 91 fps
GTX 1660Ti Max-Q 80 fps [レビュー機で計測]
GTX1650Ti 73 fps
GTX1650 64 fps
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 非常に低い 106 fps
101 fps
ウルトラ 87 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、ウルトラ)
RTX 2080 160 fps
RTX 2080 Max-Q 145 fps
RTX 2070 134 fps
RTX 2060 Max-Q 120 fps
RTX 2060 116 fps
GTX 1660Ti 110 fps
GTX 1660Ti Max-Q 87 fps [レビュー機で計測]
GTX 1650Ti 82 fps
GTX 1650 69 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
1920x1080 高設定 89 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、高設定)
RTX 2080 190 fps
RTX 2080 Max-Q 148 fps
RTX 2070 138 fps
RTX 2070 Max-Q 120 fps
RTX 2060 116 fps
RTX 2060 Max-Q 113 fps
GTX 1660Ti 113 fps
GTX 1660Ti Max-Q 89 fps [レビュー機で計測]
GTX 1650Ti 76 fps
GTX 1650 70 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 16248(すごく快適)
※約5500で60fps
[以上のゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートについて]
※グラフは、ノート用グラフィックスのみで比較しています
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

質量のチェック

質量のチェックです。

15インチクラスの分離型の2 in 1 PCは他にないので、他と比較しにくいのですが、このサイズにしては重くはないと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
タブレットのみ 816g
タブレット+キーボード 1911g
ACアダプター 463g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー容量は、タブレット部が約22Wh、キーボード部が約60Whです(ソフト上で確認したので誤差がある可能性があります)。

バッテリー駆動時間は、メーカーサイトでは「通常のデバイス使用時間は最大 17.5 時間」と記載されています。

当サイトの計測によるバッテリー駆動時間は次の通りです。タブレットのみだとかなり短いです。キーボードをドッキングすると、一般的なノートPCと同等の駆動時間になります。

バッテリー駆動時間
  タブレットのみ タブレット+
キーボード
(1) メーカー仕様値 17.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 1時間46分 8時間56分
(4) PCMark 8 Work 1時間10分 4時間38分
(1) Webブラウジング、Office、アイドル状態のアプリを使用し、150nitでテスト
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
※(2)~(4)の画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス

 

カメラ・マイク・スピーカーのチェック

Webカメラ、マイク、スピーカーのチェックです。

Webカメラ

フロントカメラで撮影した画像を確認すると、2560x1440となっていました。他のノートPCよりも高い解像度です。画質は下の通りで、やや赤みが強いですが、きめ細かい部分まで表示できています。

Webカメラの前にマネキンなどを置いて、Windows 10標準のカメラアプリで撮影
Webカメラの画質
左:本製品、右:Logicool StreamCam

 

マイク性能

マイク性能については、Zoomのアプリでビデオ通話をしたときの音声を確認しました。ややこもった感じに聴こえますが、十分オンライン会議などで使えると思います。ただし、1万円台の少しいいマイクと比べると、音質はやや落ちます。

Zoomでミーティング中の音声を録音
本製品のマイク
[参考]1万円台のマイク
audio-technica AT2020USB+
※音声を再生するには、audioタグをサポートしたブラウザが必要です。

 

スピーカー

スピーカーは左右の両端に配置されています。音質は普通で、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。CPUのみに高めの負荷がかかった場合は比較的静かです。GPUにも負荷がかかるとややうるさく感じます。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proで4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時(1/2画質)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。ここでは以下の2つの状態の温度のみ掲載します。

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。ターボ―ブースト後、5分間くらいは90℃台で推移しますが、そこからクロックが落ちて80℃台まで落ちます。そこから12分後くらいにはさらにクロックが下がり、温度は70℃まで下がりますが、その後またクロックが上がり80℃になっています。クロックおよび温度とも、安定しない印象です。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細

下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。70℃後半で推移しています。キーボード部分ではGPUのみ冷却しているためか、問題ない温度になっています。

GPU(グラフィックス)温度
FF XIVベンチ(最高品質、fps制限なし)実行中のGPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

タブレット部にCPU、キーボード部にGPUがあるので、負荷によって、熱くなる箇所が異なります。ソフトウェアエンコードなどはCPUのみ負荷がかかるので、タブレット部がかなり熱くなりますが、パームレスト部分はほとんど温度が変わらず手のひらは熱くなりません。ゲームのようにGPUに負荷がかかる場合は、パームレストが熱く感じます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。一般的なノートPCよりは高い消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Surface Book 3 15インチの外観写真を掲載します。

マグネシウム合金を採用したボディです。

 

天板はシンプルで、中央にWindowsロゴがあります。

 

ヒンジ部分は特徴的です。

 

液晶は、下図の角度まで開きます。

 

天板には、背面カメラもあります。プレゼンテーションなどのスライド画面などを撮影するときに便利です。

 

タブレット部の上側面には音量ボタンと電源ボタンがあります。

 

右側面にはヘッドフォン端子があります。

 

キーボード上部に通気口があります。

 

インターフェースは、USB-Aが2つ、USB-Cが1つ、フルサイズのSDカードスロットが1つ、SurfaceConnectポート(電源)があります。

 

底面は通気口やネジが無く、非常に美しいです。

 

ACアダプターの画像です。

 

127Wの容量です。

 

まとめ

Surface Book 3 15インチは、Surfaceシリーズで最高のスペックを備えた、クリエイターのための15型 2 in 1 PCです。

デザインは旧モデルから変化がありませんが、CPUとGPUが新しくなり、処理性能が向上しています。とりわけ、グラフィックス性能の向上幅が大きいので、GPU支援が使えるクリエイターソフトで処理が速くなるでしょう。

ハイスペックで、より安いクリエイター用ノートPCは他にもありますが、タブレットとしても使用できる点や、高性能ペンを使用できる点は、他機種で替えがきかないと思います。

ただし、価格の高さは大きなハードルとなります。

また、薄いタブレット側にCPUが入っているため、高い性能のCPUは搭載されていません。Core i7-1065G7でも問題ないかどうかが、この製品を選ぶときの大きなポイントとなるでしょう。「CPU性能はあまり必要としないソフトを使う」という方や、「多少処理が遅いケースがあっても、これ以上高性能のペン対応2 in 1 PCは他に無い」と考える方には良いと思います。

 

高性能でペンも使える

Surface Book 3 15インチ

 

特徴

  • GeForce GTX 1660Ti Max-Q搭載
  • 第10世代Core Ice Lake搭載
  • 価格が高い

こんなあなたに

  • ペン必須のクリエイティブワークに使用する
  • 既存のSurfaceシリーズからの買い替え
  • 価格28万円台[税込]~
  • 一言もう少し安かったらなぁ・・ 
公式サイトはこちら

 

関連動画

Surface Go 2の動画を作成しました。こちらも合わせてご覧ください。

 

関連ページ