MSI Prestige 15 A11 の実機レビュー

更新日:2021年3月12日
CPU Core i7-1185G7
GPU GTX 1650Ti Max-Q
メモリ 16GB ~ 32GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD / 4K 非光沢
質量 約1.69kg
バッテリー 最大 約16時間
価格[税込] 17万円台~
持ち運びしやすい大画面クリエイター向けノート

Prestige 15 A11は、第11世代Core i7-1185G7と、GeForce GTX 1650Ti Max-Qを搭載しながら、約1.69kgと軽く、持ち出しやすい15.6型のクリエイター向けノートPCです。

FHD液晶でも色域は広めですが、4K液晶ならAdobe RGB相当のさらに広い色域のディスプレイです。

また、高いデザイン性の薄型ボディ、82Whの大容量バッテリー、高速読み書きが可能なストレージやmicoSDカードリーダーなど、クリエイターが気持ちよく使えるように、細部にもこだわっています。

公式サイトはこちら
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MSIは直販サイトがありません。MSIのゲーミングノートを購入するなら、パソコンSHOPアーク(Ark)がおすすめです。MSI認定のショップで、パーツのカスタマイズも可能です。

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レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1185G7、GeForce GTX 1650Ti Max-Q、16GBメモリ、1TB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Prestige 15 A11の特徴」のみお読みください。

 

Prestige 15 A11の特徴

持ち出せる軽さの高スペック15.6型ノートPC

Prestige 15 A11は、クリエイティブな作業を目的とした高めのスペックと、作業がしやすい15.6型液晶を備えながら、質量が約1.69kgと軽く、外にも持ち出しやすい機種です。

高スペックの15.6型ノートながら約1.69kgと軽い

 

MSIのクリエイター向けノートPC(第10世代Core以降を搭載する機種に限定)としては、下図のような位置付けになります。そこまで高い性能ではありませんが、画像編集や、簡単な動画の編集作業なら快適に行えるスペックです。

MSIのクリエイター向けノートPCの比較

 

広色域の4K液晶搭載モデルもあり

Prestige 15 A11は、クリエイター向けノートPCということで、色域が広めの液晶を搭載しています。

今回チェックした実機は、FHD液晶搭載モデルですが、当サイト計測でsRGBカバー率94.1%でした。欲を言えば、もう少し色域が広いとよかったのですが、そこまで厳密に色にこだわらないというのであれば、問題なく使用できるでしょう。

さらに、高解像度、広色域の液晶で画像・動画編集などを行いたい場合は、4K液晶を搭載したモデルを選択することもできます。メーカーの紹介では、4K液晶は、Adobe RGB相当の色域、ΔE<2の色差、CalMAN認証取得となっており、より正確な色表現と、精細な表示が可能となっています。

鮮やかな表示が可能な広色域液晶

 

薄型ボディ

Prestige 15 A11は、高めのスペックを備えたノートPCですが、ボディの厚みは約16.9mmと薄いです。テーブルに置いた状態では、そこそこ厚みがあるように見えますが、底面からの吸気効率を上げるために、長めのゴム足が底面に付けられてるからです。

手にしてみると、厚みは気になりません。ただし、カバンに入れると、ゴム足の部分がややボコボコして邪魔です。

約16.9mmの薄型ボディ
ゴム足が高め

 

アクセントのあるデザイン

Prestige 15 A11は、高級感のあるデザインも特徴となっています。

表面はサンドブラスト加工がされており、落ち着いた感じがします。また、天板やタッチパッドの縁部に施されているブルーに光るダイヤモンドカットが、アクセントとなっており、かっこいいです。

ダイヤモンドカットデザイン

 

大容量バッテリーを搭載

Prestige 15 A11は、パフォーマンスが高めで、大きめの15.6型液晶を搭載したノートPCですが、82Whの大容量バッテリーを搭載しており、最大約16時間のバッテリー駆動が可能です。

さすがに、重めの負荷がかかる処理をすると、バッテリー駆動時間はかなり短めになりますが、ライトに使う分には、外出先でもバッテリー残量をそれほど気にすることなく使用できるでしょう。

バッテリー駆動時間も長め

 

横長のSilky Smoothタッチパッド

Prestige 15 A11は、下の画像のように横に長いタッチパッドを搭載しています。Silky Smoothタッチパッドと名付けられ、表面はシルクのようにスムーズな手触りで、カーソル操作がしやすくなっています。

横に長いタッチパッド

 

確かに、タッチパッドの面積が増え、操作性はアップしているのですが、タイピング時は右手がタッチパッドに当たってしまうので、違和感を感じます。慣れると問題ないのかもしれませんが、人によっては気になると思います。

右手がかぶる

 

快適に使うためのこだわり

Prestige 15 A11は、Windows Hello対応の顔認証カメラと、タッチパッドの左上部の指紋センサーを備えており、顔認証・指紋認証でのWindowsへの簡単ログインが可能です。外出先ではマスクをしていることが多いコロナ禍では、指紋と顔認証のどちらにも対応しているのは便利です。

さらに、ストレージには読み書き速度が速い、PCIe Gen 4 x4対応のSSDを搭載、USB-Cポートはデータ転送速度の速いThunderbolt 4対応、非常に高速の読込・書込に対応したmicroSDカードリーダーを搭載するなど、快適に使用できるよう、細部にもこだわりが見られます。

顔認証対応
指紋認証対応

 

やや残念な部分

Prestige 15 A11は、薄型のボディに、高めのスペックを備えているため、高負荷時のCPU、GPUの温度が高めです。排気口もボディと液晶の間に位置しており、そこまで冷却性能が高くないように感じます。使用してみても、ゲームなどの高い負荷をかけるとCPU温度が高めで、パームレストの温度も上がります。ただし、サーマルスロットリングまでは発生していませんでした。

排気口の位置

 

ライバル機種の紹介

Prestige 15 A11のライバルとなりそうな機種と簡単に比較します。

ここでは、軽いクリエイター用ノートPC、マウスコンピューター DAIV 5Pと比べてみます。

DAIV 5Pは、質量が約1.53kgとより軽く、バッテリー駆動時間が約18.5時間とより長いです。モビリティの高さでは、Prestige 15 A11を上回っています。また、出来るだけ条件を揃えて比較すると、価格も安いです。ただし、メモリがシングルチャンネルなので、処理内容によっては意外と時間がかかることがあります。

一方、Prestige 15 A11には、4K液晶モデルがあり、高解像度の写真編集などには有利です。また、メモリがデュアルチャネルなので、DAIV 5Pより処理が速いケースが多いです。多くの用途で無難に使えるため、扱いやすいと思います。

ライバル機種との比較
  [本製品]
Prestige 15 A11
[ライバル機種]
DAIV 5P
画像
CPU Core i7-1185G7 Core i7-10750H
GPU GeForce GTX 1650Ti Max-Q GeForce GTX 1650
メモリ 最大64GB 最大32GB
液晶種類 15.6型 FHD 非光沢 / 4K 非光沢
15.6型 FHD 非光沢
質量 約1.69kg 約1.53kg
サイズ [幅] 356.8
[奥行] 233.7
[高さ] 16.9
[幅] 356
[奥行] 233
[高さ] 17.9
バッテリー 最大 約16時間 最大 約18.5時間
価格の比較
  [本製品]
Prestige 15 A11
[旧モデル]
DAIV 5P
CPU Core i7-1185G7 Core i7-10750H
GPU GeForce GTX 1650Ti Max-Q GeForce GTX 1650
メモリ 16GB
ストレージ 512GB SSD
液晶種類 15.6型 FHD 非光沢
価格[税込] 177,800円 153,780円

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、快適に動きます。
オンライン会議 オンライン会議に特化した機能はありませんが、普通に使用できます。Webカメラは92万画素と普通の性能です。
動画鑑賞 15.6型の液晶を搭載し、ディスプレイの表示も綺麗なので、動画鑑賞は快適です。
RAW現像
画像編集
液晶の色域がsRGBカバー率94.1%と比較的広いです。CPUはHシリーズではありませんが、RAW現像も比較的速かったです。RAW現像や画像編集にも十分使えるでしょう。
動画編集 GTX 1650Ti Max-Qを搭載し、FHD動画の書き出しは速いです。ただし、4K動画の編集や、凝ったエフェクトを使用することが多い場合は、もう少し高めのスペックの方が快適だと思います。
ゲーム グラフィックを調整することで、多くのタイトルをプレイできますが、本格的にゲームをするなら、GF65GP66などの機種のほうがいいでしょう。

 

ディスプレイのチェック

Prestige 15 A11のディスプレイのチェックです。

今回チェックしたモデルは、FHD液晶搭載です。パネルは、「N156HCE-EN1」でした。

メーカー仕様表ではsRGB相当と表示されています。当サイトの計測ではsRGBカバー率94.1%でした。色域広めの液晶ですが、クリエイター向けノートPCということなので、欲を言えばもう少し色域が広かったらよかったです。最大輝度は、当サイトの計測では307cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は94.1%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

標準でインストールされている「TRUE COLOR」のソフトを用いれば、sRGBモード、オフィスモードなどから、表示モードを変更することもできます。

表示モード

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ揃って直線的になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきは、ほぼありません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度設定13%以下でフリッカーが発生していました。ただし、かなり低い輝度でなければ発生していないため、普通の輝度で使用していれば問題ないと思います。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Prestige 15 A11のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約1.5mmです。一つの枠に2つのキーが配置されていたり、サイズが小さいキーがあります。また、通常は左の「ctrl」キーの隣ある「Fn」キーが、右の「alt」キーと「ctrl」キーの間に配置されています。少しクセのある配置ですが、キーの打ちやすさは普通です。ただ、キーを押した後の戻る力がやや弱い感じがします。また、「Enter」キーを打つと、ペチペチと音が鳴ります。

タッチパッドはかなり横に長いです。そのため、前述の通り、タイピング時に右手がタッチパッドに当たり、違和感があります。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Prestige 15 A11のパフォーマンスのチェックです。

本製品では、MSI Centerで動作モードを変更することができます。用意されているのは、下の画像にある4つのモードです。ここでは、標準モードとなる「Balanced」と、パフォーマンス優先の「High Performance」の2つモードで計測を行いました。

MSI Center
動作モード

 

CPU

Prestige 15 A11のCPUは、第11世代Core i7-1185G7です。

CINEBENCH R23のスコアは、以下の通りです。マルチコアのスコアでは、Core i7-1165G7よりも高い値が出ていました。同じCore i7-1185G7を搭載した別機種で計測したスコアと比べると、やや低めではありますが、十分な処理性能だと思います。ただ、シングルコアのスコアは意外と伸びておらず、Core i7-1165G7よりも少し低いスコアでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1185G7
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 9592
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
5801 [High Performance]
5115 [Balanced]
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11370H 1519
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
Core i7-1185G7 1517
1432 [High Performance]
1411 [Balanced]
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、DDR4-3200の8GBを2枚搭載しています。なお、パソコンSHOPアークなら、もっと容量を増やすことも可能です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~

今回、Sandraを実行するとPCが落ちるので、帯域の実測値は未計測です。

他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
最大 約68.2GB/s (34.1GB/s x2)
DDR4-3200
デュアルチャネル
最大 約51.2GB/s (25.6GB/s x2)
DDR4-2666
デュアルチャネル
最大 約42.6GB/s (21.3GB/s x2)
DDR4-3200
シングルチャネル
最大 約25.6GB/s
 :本製品で選択できるメモリ

 

グラフィックス

グラフィックスには、GeForce GTX 1650Ti Max-Qを搭載しています。エントリークラスのグラフィックスですが、動画編集などもそこそこ快適に行える性能です。

Max-Qデザインなので、3DMark Time Spyのベンチマークにおいては、GTX 1650よりもやや低いスコアでした。「Balanced」モードでも、「High Performance」モードでも、ほとんどグラフィックス性能には差がなかったので、「Balanced」モードでの使用でよさそうです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce GTX 1650Ti Max-Q
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 3080
17064
デスクトップ用
RTX 3070
13393
デスクトップ用
RTX 3060Ti
11526
RTX 3080 16GB 11361
RTX 3080 10258
RTX 2080 9456
RTX 3070 8693
RTX 2070
SUPER
8322
RTX 2080
Max-Q
8068
RTX 2070 7778
RTX 2070
Max-Q
7216
RTX 2060 6163
RTX 2060 Max-Q 5676
GTX 1660Ti 5667
GTX 1650Ti 3700
GTX 1650 3551
GTX 1650Ti Max-Q 3180 [High Performance]
3170 [Balanced]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650 Max-Qの情報は次の通りです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、非常に高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
4870
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は非常に速いです。

カードを挿した時は、下の画像のように少し出っ張りがあります。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

LightRoom Classicの書き出し速度は、Core i7-10750Hを超えており、意外と速かったです。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

比較的重い機能を実行しましたが、多くの機能を快適に使用できます。ただし、AIを使ったニューラルフィルター(JPEGのノイズ削除)には、やや時間がかかります。ちなみに、RTX 30シリーズだと、この処理が非常に速くなります。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約22秒
ニューラルフィルター(スタイルの適用) 約7秒
コンテンツに応じた塗りつぶし 約3秒
被写体を選択 約5秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

4K動画の書き出しは少し待たされますが、使えなくはありません。カット編集や、トランジションの追加といった簡単な編集なら問題なく行えます。

FHD動画なら、書き出しは十分速く、編集作業も快適です。

4K動画の書き出し
Core i7-10750H
RTX 2060
4分51秒
Ryzen 9 5900HX
RTX 3080 16GB
4分55秒
Core i7-10870H
RTX 3070
5分15秒
Core i5-10300H
GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GTX 1650
8分21秒
Core i7-1185G7
GTX 1650Ti Max-Q
8分55秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
21分19秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650Ti Max-Q
2分24秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分5秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
6分14秒
Ryzen 3 4300U
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i5-1035G4
Intel Iris Plus
7分43秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※FHD/30p動画(約10分)に対して、上と同様にして書き出したときの時間

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。

「ファイナルファンタジー 15 (DX11)」のような負荷の高いゲームでも、画質を落とせば平均フレームレートがぎりぎり60fpsを超えています。中程度の重さや、軽い部類のゲームであれば、タイトルによっては、最高設定や高設定でのプレイも可能でした。

ゲーミングノートPCではありませんが、必要に応じて画質を調整することで、息抜きにライトなゲームプレイも可能です。

以下のゲームのフレームレートについて
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 軽量品質 6241 / 62 fps
標準品質 4896 / 48 fps
高品質 3392 / 33 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 3080 16GB 102 fps
RTX 3080 8GB 95 fps
RTX 2080 95 fps
RTX 2070 SUPER 88 fps
RTX 3070 87 fps
RTX 2070 81 fps
RTX 3060 71 fps
GTX 1660Ti 63 fps
RTX 2060 61 fps
GTX 1650Ti 43 fps
GTX 1650 40 fps
GTX 1650Ti Max-Q 33 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 標準(ノート) 13192 / 99 fps
高(ノート) 11759 / 82 fps
最高品質 8964 / 61 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 3080 8GB 137 fps
RTX 3080 16GB 135 fps
RTX 2070 SUPER 127 fps
RTX 3070 120 fps
RTX 2080 SUPER Max-Q 118 fps
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 3060 111 fps
RTX 2070 110 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
GTX 1660Ti 96 fps
RTX 2060 95 fps
GTX 1650Ti 73 fps
GTX 1650 64 fps
GTX 1650Ti Max-Q 61 fps
軽い部類のゲーム
フォートナイト
解像度 品質 平均fps
1920x1080 低設定 132 fps
高設定 77 fps
最高設定 56 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、最高設定)
RTX 3080 16GB 159 fps
RTX 2070 SUPER 151 fps
RTX 3080 8GB 145 fps
RTX 3070 138 fps
RTX 3060 130 fps
RTX 2060 110 fps
Radeon RX 5500M 103 fps
RTX 2060 Max-Q 93 fps
GTX 1650Ti 78 fps
GTX 1650 64 fps
GTX 1650Ti Max-Q 56 fps
※バトルラボで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最高品質 19152(すごく快適)
※約5500で60fps

 

その他のゲーム

上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。

Thunderbolt 4に対応しており、USB-Cドック、Thunderbolt 3ドックともに使用でき、外部ディスプレイへの接続もできました。

Power Deliveryにも対応しており、小型の充電器でも充電は可能でした。ただし、45W以下の出力の充電器では警告が表示されたので、実際に使用する場合は、60W以上、できれば90~100Wクラスの充電器を使用した方がいいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル △ ※3
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 警告が表示されるが、充電は可能

 

Thunderbolt 4に対応していますが、4Kディスプレイを1台接続したところ、リフレッシュレートは30Hzになっていました。

4Kディスプレイへ接続したときの詳細

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビットでの表示が出来ていますが、色の形式はYCbCr420でした。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Prestige 15 A11の質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.69kg」とあり、15.6型で、GeForce GTX 1650Ti Max-Qを搭載した機種としては軽めです。当サイトの計測値は下表の通りで、仕様値よりもわずかに重かったです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.715kg
ACアダプター+電源ケーブル 426g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Prestige 15 A11のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は82Whとなっており、15.6型ノートPCとしては、大きめの容量です。

バッテリー駆動時間は下の通りです。重めの作業だと、駆動時間は短くなりますが、軽めの作業であればバッテリー残量をそれほど気にせず使用できそうです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約16時間
(2) PCMark 10 Modern Office 7時間58分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work 2時間34分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

高速充電に対応しており、メーカーによると、15分の充電で約10%の充電ができ、最長2時間のバッテリー駆動が可能となっています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
65%(約50Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの温度およびCPU電力の推移を確認します。

「Balanced」モードでは、CPU電力が25~30W前後で変動しています。それに伴いCPU温度も、80℃台~90℃台で変化します。温度は高めです。

「High Performance」モードでは、CPU電力が概ね約32Wで推移します。ただ、CPU温度は95℃前後と高めのまま下がりません。やや気になる温度です。

サーマルスロットリングは発生していないものの、CPUの温度を考えると、通常は「Balanced」モードで使用した方がいいと思います。

  • Blanced時
  • High Performance時
CPU温度
CPU電力
CPU温度
CPU電力

 

静音性のチェック

Prestige 15 A11の動作音(静音性)のチェック結果です。

「Balanced」モードでの計測ですが、アイドル時でもやや音がします。高い負荷がかかった時は、外部グラフィックスを搭載したノートPCとしては普通の騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:Premiere Proで4K動画の書き出し

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

「Balanced」モードでの計測ですが、負荷のかかる作業をすると、キーボード部やパームレスト部分の温度が上がります。特に、ゲームをしていると手のひらが結構熱く感じます。高負荷作業を行うことが多い場合は、やや不快に感じるかもしれません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

外部グラフィックスを搭載しているので、一般的なノートPCよりも高い消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Prestige 15 A11の外観のチェックです。

ボディカラーは、カーボングレイです。

 

天板には、msiの文字をデザインしたロゴがあります。MSIのゲーミングノートに搭載されるドラゴンのエンブレムではないので、ビジネス用途にも使用しやすいと思います。

 

スピーカーは底面の左右に配置されています。ややこもった感じがしますが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

側面のポート類です。USB3.2 x2、USB-C(Thunderbolt 4、Power Delivery対応)x2、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。過不足のないインターフェイス構成だと思います。

 

液晶は180度開き、フラットになります。対面する相手にも画面を見せやすいです。

 

底面です。吸気しやすいように、メッシュ部分が多いです。

 

ACアダプターは、90W(20.0V、4.5A)です。

 

まとめ

以上が、Prestige 15 A11のレビューです。

Prestige 15 A11は、Core i7-1185G7 + GeForce GTX 1650Ti Max-Qという高めのスペックでありながら、質量が約1.69kgと軽めで、持ち出しやすい15.6型のクリエイター向けノートPCです。

今回は、FHD液晶搭載モデルでしたが、色域も広めで、厳密な色表現にこだわらなければ、ウェブ用の写真や動画の編集にも使用できるレベルでした。もっと高い解像度が必要な場合や、正確な色表現にこだわる場合は、4K液晶を搭載したモデルも選択できます。

CPUやGPUの性能を見ると、RAW現像や画像の編集、FHD動画の編集と書き出しといった作業に特に適していると思います。また、大容量バッテリーを搭載しているので、Officeソフトの使用、プレゼンテーション、作品の微調整といった作業を外出先で行うこともできます。

ただし、4K動画の編集や、3DCG作成など、負荷の高いクリエイティブ作業がメインであれば、CPU・GPUの性能がやや物足りないので、そういった用途で使うなら、GS66 Stealthなどがいいでしょう。

 

持ち運びしやすい大画面クリエイター向けノート

Prestige 15 A11

特徴

  • 約1.69kgと軽い持ち出しやすい15.6型ノートPC
  • Core i7-1185G7 + GTX 1650Ti Max-Qの構成
  • Adobe RGB相当の広色域4K液晶も選択可能

こんなあなたに

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