MSI Creator Z16 A11Uの実機レビュー

更新日:
CPU Core i9-11900H
Core i7-11800H
GPU RTX 3060 Laptop
メモリ 32 / 64GB(DDR4-3200)
ストレージ 1TB PCIe SSD
液晶サイズ 16インチ
液晶種類 WQXGA(2560×1600)
120Hz、グレア、タッチ
質量 約2.2kg
バッテリー 90Whrバッテリー
価格[税込] 29万円台~
高級クリエイターノートPC

MSI Creator Z16 A11Uは、最新の第11世代インテルCore H プロセッサーに、GeForce RTX 3060を搭載したクリエイター向け高級ノートPCです。

黄金比16:10のWQXGA(2560×1600)ディスプレイは、作業領域が広く高精細で、しかもDCI-P3 100%クラスの色域に対応。120Hzの高リフレッシュレートに、タッチ操作にも対応しています。

ボディはルナカラーとアルミ削り出しのデザインがクールで、薄さも15.9mmしかありません。

公式サイトはこちら

購入はこちら

MSIストア限定モデルは2021年8月23日発売予定、その他モデルは8月26日発売予定です。MSI認定のショップのパソコンSHOPアーク(Ark)なら、メモリやストレージのカスタマイズが可能です。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機(Creator-Z16-A11UET-010JP)の構成

Core i9-11900H、32GBメモリ、GeForce RTX 3060、1TB NVMe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Creator Z16 A11Uの特徴」のみお読みください。

 

Creator Z16 A11Uの特徴

16:10、DCI-P3 100%の画面でクリエイターも満足

Creator Z16 A11Uは、クリエイターも満足できるディスプレイを搭載している点が特徴です。

黄金比16:10のWQXGA(2560×1600)で、画面領域が広く、ペイン(枠)が多いクリエイティブ系ソフトが使いやすく、高精細であるため画像なども粒状感なく表示できます。

色域はDCI-P3カバー率 約100%で、Delta-E < 2を満たしており、動画編集などにも最適です。

また、タッチ操作にも対応しており、クリエイターソフトの直感的な操作や、ビジネスシーンで相手に画面を見せながら指で操作するといった使い方もできます。

120Hzの高リフレッシュレートにも対応しており、滑らかな映像で長時間の作業でも目が疲れにくい液晶です。

パネルはグレア(光沢)仕様ですが、反射がやや抑えられており、純粋なグレアパネルよりは映り込みは低減されています。

黄金比16:10のWQXGA(2560×1600)
DCI-P3 100%、Delta-E < 2
タッチパネルにも対応
グレアパネルだが、やや反射が抑えられている

 

また、MSI True Colorのアプリから、sRGB、Adobe RGB、DCI-P3、オフィス、動画などの表示モードへ変更することが出来ます。表示モードを変更すると、ちゃんと色域も変化します。本格的な映像編集をするならDCI-P3モードにしたり、Web掲載用の動画や画像を編集するならsRGBモードにしたりと、用途によって画面の色域を変更できるので便利です。

MSI True Colorで表示モードを変更可能
表示モードごとに色域も変化

 

薄型ボディで持ち運びやすい

Creator Z16 A11Uは、高性能パーツを搭載した16インチのクリエイターノートにしてはわずか15.9mmと薄型設計です。

質量は約2.2kgと片手で持つとずっしりきますが、ACアダプターも小型なので持ち運びが可能な範囲です。

アメリカ国防総省認定MIL規格に準拠した高い耐久性も備えているので、安心して外に持ち運べるでしょう。

わずか15.9mmの薄型設計

 

クールなデザイン

Creator Z16 A11Uは、アルミ削り出しのボディと、ルナグレーのカラーが美しく、派手すぎない落ち着いた雰囲気があるクールなデザインです。背面にはMSIのドラゴンのロゴが印字されていますが、目立ちにくく、オフィスやおしゃれなカフェにも持っていけるノートPCです。

アルミ削り出しのボディ

 

RTX 3060の最大グラフィックスパワーは65W

Creator Z16 A11Uでは、クリエイティブ向けのRTX Studioに対応した、GeForce RTX 3060 Laptop GPU 6GBを搭載しています。

グラフィックス性能を左右する最大グラフィックスパワーを確認すると、65Wでした。

標準でNVIDIA Studioドライバーがインストールされている
NVIDIAのシステム情報で確認した最大グラフィックスパワー

 

GeForce RTX 3060 Laptopの仕様では、GPUサブシステム電力が60-115Wとなっているので、最大グラフィックスパワー65Wというのは、やや抑えられた性能となります。

ただ、ゲームではなく、動画編集用途なら65Wでも十分だと思います。

3DMark Time Spy(DX12) - Graphics score
ハイエンド RTX 3080 16GB 165W 12077
RTX 3080 16GB 140W 11552
RTX 3080 16GB 130W 11361
RTX 3070 130W 10327
RTX 3080 8GB 105W 10258
ミドルレンジ RTX 3070 95W 9220
RTX 3060 130W 8949
RTX 3070 85W 8838
RTX 3060 95W 7519
RTX 3060 75W 7047
RTX 3060 65W 6450
GTX 1660Ti   5667
エントリー RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 3050Ti 40W 4560
GTX 1650Ti   3700
GTX 1650   3494
 :レビュー機で計測したスコア
W(ワット)は最大グラフィックスパワー

 

8コア/16スレッドの第11世代Core i9-11900Hを搭載

Creator Z16 A11Uは、最新のインテル第11世代Core i9-11900Hを搭載しています。下表に示すように、8コア/16スレッドの高性能プロセッサーです。

ベンチマークの結果ではマルチコア、シングルコア両方で非常に高いスコアが出ており、高い処理能力で、クリエイター向けソフトもサクサク動作することでしょう。

クリエイターソフトの処理時間」で掲載している通り、モバイル向けRyzenプロセッサーよりも、インテルプロセッサーのほうが相性がいいクリエイター向けソフトもあります。Core i9-11900Hを搭載したCreator Z16 A11Uなら、ソフトを選ばず快適に使えることでしょう。

インテル第11世代Core(Tiger Lake)Hシリーズ プロセッサー
  コア/
スレッド
Max
Boost
[GHz]
Base
[GHz]
Cache TDP
Core i9-11980HK 8 / 16 5.0 2.6 - 3.3 24MB 45-65W
Core i9-11900H 8 / 16 4.9 2.1 - 2.5 24MB 35-45W
Core i7-11800H 8 / 16 4.6 1.9 - 2.3 24MB 35-45W
Core i5-11400H 6 / 12 4.5 2.2 - 2.7 12MB 35-45W
Core i5-11260H 6 / 12 4.4 2.1 - 2.6 12MB 35-45W
Core i7-11370H 4 / 8 4.8 3.0 - 3.3 12MB 28-35W
Core i5-11300H 4 / 8 4.4 2.6 - 3.1 8MB 28-35W
CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i9-11900H 10983 [本機器で計測]
Core i7-11800H 10593 [MSI Pulse GL66 11Uで計測]
Core i7-10875H 10579
Core i7-10870H 10139
Core i5-11400H 8514
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
CINEBENCH R23(シングルコア)
Core i9-11900H 1585 [本機器で計測]
Core i7-11370H 1519
Core i7-11800H 1507 [MSI Pulse GL66 11Uで計測]
Core i5-11400H 1442
Core i7-10875H 1306
Core i7-10750H 1277
Core i7-10870H 1212

 

ストレージや無線LANも速い

Creator Z16 A11Uは、ストレージにPCI3 Gen 4の高速SSDを搭載しています。読み書きの多いクリエイティブ作業でも、快適に使えることでしょう。

また、無線LANは、次世代規格の「Wi-Fi 6E」に対応しています。

Thunderbolt 4ポートも搭載しており、GPU BOXや外付け高速SSDなどの接続も可能です。

 

やや残念な点

Creator Z16 A11Uは、クリエイター向けノートPCという位置づけですが、フルサイズのSDカードスロトがありません。micro SDカードのスロットはありますが、一眼レフカメラなどでは、フルサイズのSDカードが使われることがほとんどなので、フルサイズのSDカードスロットがあれば良かったです。

 

各用途の快適度

Creator Z16 A11Uの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
快適に動作します。アスペクト比16:10の16型液晶なので、画面も見やすく、作業がしやすいです。
動画鑑賞 ディスプレイの色域が広く鮮やかな表示が可能です。また、クアッドスピーカーで音も良く、動画鑑賞は快適です。
オンライン会議 92万画素のWebカメラとマイクが内蔵されており、オンライン会議ももちろん参加できます。
RAW現像
画像編集
当サイトの計測では、Adobe RGBカバー率は94.3%ありDTP用途でも十分使えると思います。また、sRGBモードへ変更することもできるため、Webメディアへ掲載する画像のRAW現像や画像編集にも使えるでしょう。
動画編集 CPUおよびグラフィックス性能が高く、DCI-P3 100%クラスの色域も備え、動画編集も快適です。
ゲーム FHD環境でゲームをするなら十分なスペックです。クリエイター向けPCですが、120Hzの高リフレッシュレートにも対応しています。

 

ディスプレイのチェック

Creator Z16 A11Uのディスプレイの詳細なチェックです。

前述の通り、色域変換も出来る優秀なディスプレイを搭載しています。最大輝度は、当サイトの計測では371cd/m2とやや高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

前述した通り、当製品は、色域を変化させるモードが搭載されています。以下、いくつかのモードで計測したときの色域を掲載します。

MSI True Color
表示モード:sRGB
  カバー率
sRGBカバー率 95.9% 96.1%
DCI-P3カバー率 70.9% 70.9%
Adobe RGBカバー率 71.1% 71.3%
表示モード:Adobe RGB
  カバー率
sRGBカバー率 99.8% 127.6%
DCI-P3カバー率 86.9% 94.1%
Adobe RGBカバー率 94.3% 94.6%
表示モード:DCI-P3
  カバー率
sRGBカバー率 99.7% 133.8%
DCI-P3カバー率 98.1% 98.7%
Adobe RGBカバー率 87.4% 99.2%
表示モード:カスタマイズ
  カバー率
sRGBカバー率 99.9% 139.8%
DCI-P3カバー率 99.1% 103.1%
Adobe RGBカバー率 87.8% 103.7%

各モードのカバー率の実測値がやや低めですが、タッチパネルが搭載されていることや、サンプル機であること、測定機器による誤差があることなどが影響していると思います。

「カスタマイズ」の表示モードで確認したガンマ補正曲線はご覧の通りです。どの色もほぼ揃って直線的なので、自然な発色であることが分かります。なお、「sRGB」と「Adobe RGB」の表示モードでも計測してみましたが、似たような感じでした。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶ですが、反射がやや抑えられています。

画面への映り込み

どの輝度にしても、フリッカーは確認できませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測でキーピッチは約19x19mm、キーストロークは約1.5mmです。キーストロークはそこまで深くありません。キートップはフラットで、普通の打ちやすさです。「Enter」や「Backspace」キーは大きいものの、「半角/全角」キーのサイズが小さいので、日本語入力と、英数字入力の切り替えを行う場合に、押し間違えることがあるかもしれません。「Enter」キーは端にないものの、十分な大きさがあるので、打ち間違えることは少ないでしょう。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

タッチパッドはワイドで表面はサラサラで動かしやすいです。クリックボタンも普通に押せます。


タッチパッド

 

キーボードには世界初のMini LEDによるバックライトが搭載されています。従来のLEDバックライトに比べて消費電力が低く、色鮮やかです。

キーボードバックライト

 

キーボードのバックライトの調整は、SteelSeriesの専用ソフトウェア 「SteelSeries Engine」から行います。発光パターンやキーごとの色を設定することができ、マクロも組むことができます。


RGBキーボードバックライトの設定

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

MSI Creator Z16 A11Uでは、MSI Centerで動作モードを変更することができます。用意されているのは、下の画像にある4つのモードです。ここでは、標準モードの「バランス」と、パフォーマンス優先の「ハイパフォーマンス」の2つのモードで計測を行いました。

MSI Center

 

今回、Core i9-11900Hを搭載していますが、バランスモード時と、ハイパフォーマンスモード時のPL1は、次のようになっています。このCPUのTDP-upは45Wなので、50Wおよび65Wというのは高い設置値です。

バランス
ハイパフォーマンス

 

CPU

CPUにはCore i9-11900H搭載モデルと、Core i7-11800H搭載モデルがあり、本機は上位のCore i9-11900Hを搭載しています。マルチコア、シングルコアともに高いスコアです。また、バランスモードよりもハイパフォーマンスモードの方がスコアが高いです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-11900H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Ryzen 9 5900HS 13236
Ryzen 7 5800H 12604
Core i9-11900H 10983 [ハイパフォーマンス]
9792 [バランス]
Core i7-11800H 10593
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 9592
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11375H 1618
Core i9-11900H 1585 [ハイパフォーマンス]
1558 [バランス]
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1507
Ryzen 9 5900HS 1494
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800H 1435
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

グラフィックス

グラフィックスには最大グラフィックスパワーが65WのRTX 3060 Laptopを搭載しています。

低めのグラフィックスパワーですが、まずまずの性能です。また、バランスモードよりもハイパフォーマンスモードの方がスコアが高いです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 3060 Laptop
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 3080
  17064
デスクトップ用
RTX 3070
  13393
デスクトップ用
RTX 3060Ti
  11526
RTX 3080 16GB 130W 11361
RTX 3070 130W 10432
RTX 3080 8GB 105W 10258
RTX 3060 140W 9537
RTX 2080   9456
RTX 3070 95W 9220
RTX 2070
SUPER
  8322
RTX 3060 130W 8302
RTX 2080
Max-Q
  8068
RTX 2070   7778
RTX 3060 95W 7519
RTX 2070
Max-Q
  7216
RTX 3060 75W 6984
RTX 3060 65W 6450 [ハイパフォーマンス]
5601 [バランス]
RTX 2060   6163
RTX 2060 Max-Q   5676
GTX 1660Ti   5667
GTX 3050Ti 60W 5292
GTX 1650Ti   3700
GTX 1650   3494
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

GPU-Zで確認したGeForce RTX 3060 Laptop GPUの情報は次の通りです。GPU ClockやBoost Clockがやや抑えられています。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4の1TB SSDを搭載しており、非常に高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6312
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しています。カードを挿してもあまり出っ張らないので、挿したまま持ち運ぶことができると思います。アクセス速度は速いです。ただ、クリエイター向けPCなので、フルサイズのSDカードスロットが搭載されていれば良かったです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「ハイパフォーマンス」で計測した結果のみ掲載します。CPUもグラフィックも性能が高く、搭載メモリも多いので、いずれも速い処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i9-11900H
16GBメモリ
44秒
Core i9-11980HK
64GBメモリ
46秒
Core i9-11900H
32GBメモリ
47秒
Core i7-11800H
16GBメモリ
53秒
Apple M1
16GBメモリ
66秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i9-11900H
RTX 3080(140W)
3分36秒
Core i9-11980HK
RTX 3080 (165W)
3分45秒
Core i7-10870H
RTX 3070 (130W)
4分36秒
Core i9-11900H
RTX 3060 (65W)
4分45秒
Core i7-10750H
RTX 2060
4分51秒
Ryzen 9 5900HX
RTX 3080 16GB
4分55秒
Core i7-10870H
RTX 3060 (130W)
5分04秒
Core i7-11800H
RTX 3050Ti (60W)
5分08秒
Ryzen 7 4800H
GTX 1650Ti
6分15秒
Core i7-10750H
GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7 14分12秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間
Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Ryzen 9 5900HS 8分59秒
Ryzen 7 5800H 9分07秒
Ryzen 7 4800H 10分17秒
Core i9-11900H 10分24秒
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Core i7-10875H 11分54秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 24分17秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

ゲームのベンチマークスコア、または実際にゲームをプレイし、Frapsで計測したフレームレートを掲載します。また、今回16:10比率の解像度で計測しています。

最大グラフィックスパワー65WのRTX 3060 Laptopを搭載しており、FF14などの中程度の重さのゲームなら2560x1600解像度でも高フレームレートで快適に動作します。重い部類のゲームなら1920x1200解像度なら、高めのフレームレートで快適に動作するでしょう。

以下のゲームのフレームレートについて
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています。
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
解像度 品質 平均fps
1920x1200 ウルトラ 10106 / 73 fps
2560x1600 4236 / 49 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1200 最高品質 75 fps
2560x1600 48 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1200 最高品質 14309 / 100 fps
2560x1600 9806 / 67 fps

 

その他のゲーム

上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「約2.2kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値とほぼ同じ結果となりました。

16インチの高性能クリエイターノートにしては比較的軽いです。ACアダプターは小型で軽いので、持ち運びができる範囲だと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.194kg
ACアダプター 520g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、90Whと大容量です。バッテリー駆動時間は公表されていませんが、当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになりました。

軽めの作業なら6時間と長く持つので、外出先での作業にも安心です。ゲームでも2時間は持つので、負荷の重いクリエイターソフトもある程度の時間は使用できると思います。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法
(2) PCMark 10 Modern Office 6時間47分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 10 Gaming 2時間03分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

Prime95実行時のCPU電力/CPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。

バランスモードの時はCPU電力は最初60Wまで上がりますが、すぐに45W前後に落ち着きます。CPU温度は90℃前後で高めの温度です。

ハイパフォーマンスモードの時はCPU電力は最初80Wまで上がりますが、徐々に下がり53Wあたりに落ち着きます。CPU温度は95℃あたりになり、さらに高くなります。

  • バランス
  • ハイパフォーマンス
CPU電力
CPU温度
CPU電力
CPU温度

 

Premiere Proエンコード時のCPU温度/GPU温度

Premiere Proで4Kの動画をエンコードした時のCPU温度およびGPU温度の推移を確認します。

この処理はCPU使用率が約100%になってしまうので、CPU温度は95℃前後と高めですが、GPU温度は75℃と問題ない温度です(バランスモード時)。

  • バランス
  • ハイパフォーマンス
CPU温度
GPU温度
CPU温度
GPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。Premiere Proで動画編集をしているときも、それほどうるさくは感じません。書き出すときはやや騒音値が上がりますが、そこまで気になる騒音値ではありません。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2番目:Adobe Premiere Proプレビュー再生
左から3番目:Adobe Premiere Proによる4K動画の書き出し時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

アイドル時は問題ありませんが、Premiere Proで動画編集をしていると、パームレスト部分がやや熱く感じてきます。薄型PCなので、このあたりは欠点かなと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。

アイドル時の消費電力は低いです。高性能CPU、外部グラフィックスを搭載しているため、一般向けノートよりは高い消費電力ですが、ゲーミングノートと比べると低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Creator Z16 A11Uの外観のチェックです。

アルミ削り出しのボディが落ち着いた雰囲気のあるクールなデザインに仕上がってます。

 

天板にはMSIのドラゴンのエンブレムが印字されていますが、あまり目立ちません。また、表面はすごくサラサラしていて、メタル感があり、触り心地が良いです。

 

天板にはマグネットが埋め込まれており、吸い込まれるようにパチッとしっかり閉じることができます。ただし、開くときは普通のノートよりも力がいるので、片手では難しいです。

 

液晶を開くと本体が浮くリフトアップヒンジを採用しています。これにより底面から吸気しやすくなり、冷却性が上がります。また、キーボードがやや傾斜することで、手首に負担がかからずタイピングできるようになります。

 

電源ボタンはキーボード右上に配置されています。

 

Webカメラは、液晶画面の上側中央にあります。

 

閉じた時の画像はご覧の通りです。

 

側面のポートです。Thunderbolt 4 Type-C×2、USB3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、micro SDカードリーダー、Hi-Res対応のヘッドホン出力に、マイク入力があります。LANポートはありません。

 

液晶が開く最大の角度です。180度開きます。

 

スピーカーは背面にあります。DYNAUDIOの4つのスピーカーを搭載しており、臨場感のあるサウンドで、最大音量も大きいです。音質はノートPC基準で、10点満点で採点すると7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

底面です。

 

ネジの1つに「FACTORY SEAL」が貼られています。このシールを剥がすと、保証対象外となります

 

ACアダプターは薄型です。

 

電源コネクタはサイドに配置されており、排熱口を避けて接続することができるので安心です。

 

ACアダプターは180Wです。

 

まとめ

以上が、Creator Z16 A11Uのレビューです。

16:10のWQXGA(2560×1600)解像度で、DCI-P3 100%クラスの色域を備えたディスプレイを搭載している点が大きな特徴です。表示モードを変更することで、色域も変えることが出来ます。

第11世代インテルCore H プロセッサーに、GeForce RTX 3060を搭載し、パフォーマンスは高く、ほとんどのクリエイターソフトが快適に動作します。

この高いスペックでも本体は非常に薄く、ルナグレーのカラーとアルミ削り出しのボディは非常にクールです。

ただし、SDカードスロットが、micro SDカードのみ対応となっており、フルサイズのSDカードに対応していない点が、クリエイター向けPCとしては残念です。

また、薄型のボディのため、高負荷時のパームレスト周りの温度がどうしても高くなります。高い負荷をかけているときはやや気になるかもしれません。

 

高級クリエイターノートPC

MSI Creator Z16 A11U

特徴

  • 16:10/WQXGA/100%DCI-P3相当のディスプレイ
  • 最新インテルCPUにRTX 3060を搭載
  • 薄型のボディ

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