レッツノート(Let's Note) S9の評価レビュー

更新日:2010年06月23日

最新のレッツノート S10 のレビュー記事はこちら

バッテリ駆動時間さと頑丈さが魅力


パソコンって壊れやすいですよね? 落として壊れたり、電車で押されて壊れたり、水をこぼして壊れたり、乱暴に扱ってヒンジが壊れたり。

でも、レッツノートは違います。 落としても、ぶつけても、こぼしても壊れにくいかなり頑丈なモバイルパソコンです。 パソコンが故障する原因の多くを、レッツノートは対策済みです。 しかも、軽量で長時間バッテリを兼ね備えており、モバイルノートPCとしての要件のほとんどをクリアしています。 お金が十分にあるならレッツノートがおすすめです。 こんなレッツノートを実際に使って体験したので感想を記載します。



レッツノート S9 の総合評価

レッツノート

レッツノートの頑丈さ


実売価格:約220,000円

パフォーマンス ・・・ 店頭モデルはCore i5-520MのCPUを搭載。Web直販店(マイレッツ倶楽部)ならCore i5-540Mや、Core i7 620M、SSDモデルもあり。

液晶画面 ・・・ WXGA(1280x800)選択可能。視野角は広くはない。

操作性 ・・・ キーの縦幅がやや狭い。ただし問題なく打てる範囲。

頑丈さ ・・・ ボンネット構造のマグネシウム合金採用で非常に頑丈。数々の試験もクリア。キーボードも防滴。

バッテリ ・・・  実測で7時間23分。メーカー公表値で13時間。

重さ ・・・ 実測で1.327g。メーカー公表値で1.34g

薄さ ・・・ 実測で最厚部が44.0mm。メーカー公表値で41.4mm。

価格 ・・・ 店頭モデルで約16万円~。直販モデルで約22万円~。



ここがすごい! - 100kg加圧試験、76cm落下試験等クリア

頑丈さは、モバイルパソコンの中で最も優れていると言ってよいでしょう(ただし、業務用のタフブック等は除外します)。 多少、押されても、落としても、ぶつけても、水をこぼしても平気です。

押されても平気な理由は、左図のように、天板がボンネット構造になっているためです。車のボンネットをイメージすればわかりやすいと思います。100kg加圧試験にもクリアしています。電車の中で押されたりしても平気です。

落としても、ぶつけても平気な理由は、ハードディスクを保護する衝撃緩衝材や、液晶を守るための抱え込み構造(液晶の両端と本体の両端が凹凸になっており、筐体がかみ合うようになっている構造)などさまざまな工夫をしているためです。一般的なデスクの高さの76cmからの落下試験にもクリアしています。 電源コードに足を引っかけて落としても、満員電車でパソコンが押されても平気です。

水をこぼしても平気な理由は、キーボード部分に防水シートを敷いていることと、侵入した水を本体裏面の穴から逃がす構造になっているためです。これにより内部の基盤への浸食を防ぎ本体を保護しています。

ボンネット構造・防水・衝撃緩衝剤など


レッツノートの頑丈さを体感するために、実際に机の上くらいの高さから落下させるテストと、約75kgの体重で踏みつけるテストを行いました。テストの様子は右の動画をご覧ください。

テストの結果、なんともなかった・・・・・と書きたかったのですが、DVDドライブが故障してしまいました。蓋が開かなくなってしまいました。ちょっと予想外です。真面目に自腹購入なのでショックです。

パナソニックの試験では机と同じ高さの76cmから落下させているのに対し、今回の実験は約1mの高さから落下させています。故障するのは無理もないかもしれません。

でも、液晶部分は綺麗です。踏んだ時にボンネットが反対側にへこんだというのに液晶は何ともありません。その他のパーツも問題ありませんでした。一応、PC診断ツールを実行しましたがエラーは出ませんでした。

同様のテストをThinkPad X201sでやってみたときは故障しませんでした。ただこれは光学ドライブを内蔵していなということもあります。よく持ち歩く人は光学ドライブのないレッツノート N9やThinkPad X201s等もいいと思います。


ここがすごい! - パフォーマンスは高い

レッツノートのWinodowsエクスペリエンス

今回レビューしているレッツノートは店頭モデルであるため、CPUはCore i5-520M vProを使用しています。CPU性能はモバイルノートにしてはかなり良いです。プロセッサのサブスコアは6.5もあります。

メモリのサブスコアも意外に高いです。これはPC3-10600のメモリを搭載しているためです。

また、CPUの末尾が「M」であることから内蔵GPUのクロック数が高く、グラフィックス関連のサブスコアも高いです。

ハードディスクは5400rpmのためかそれほど良くありません。尚Web直販モデルなら、7200rpmのハードディスク及びSSDを選択可能です。



ここがすごい! - 1日使っても平気なバッテリ

バッテリ

見た目からしてバッテリが大きいです。この大きなバッテリを搭載しながら、約1.34kgの重量ですんでいるのは素晴らしいと思います。

では実際にレッツノート S9で、ネット閲覧や、文書作成、ホームページ作成などをほとんど休まずに作業しどの程度バッテリがもつか確認しました。その結果、7時間23分で休止状態へ入りました。

実際には、ほぼ休まず使うことはないので、体感的にはもっと長く感じると思います。


ここがすごい! - 指紋がつきにくい

パームレストの指紋のつきにくさ

レッツノート本体(パームレスト、天版、キー)は、触っても指紋がつきにくいです。

持ち歩くパソコンは指紋が付きやすい材質だと、指紋だらけになってしまいますが、レッツノートなら安心です。


ここがすごい! - 光学ドライブ内蔵

レッツノートの光学ドライブ

重さが約1.34kg(メーカー公表値)の本体にして、光学ドライブが搭載されています。ちなみに、光学ドライブのないレッツノート N9の重さは約1.28kgなので、その差は0.06kgしかありません。光学ドライブを0.06kgの重さで搭載しているかと思うと、いかに軽量化の技術が素晴らしいかわかると思います。

ただし、本体と一体化された光学ドライブなので、光学ドライブのみ故障した場合でも、自分で別のドライブに換装することはできません。即、修理行きです。


ここがすごい - 充実した通信機能

WiMAX

無線LANを内蔵しているのはもちろんですが、WiMAX、ワイヤレスWAN(FOMA回線)、Bluetoothなどの通信モジュールを内蔵している機種もあります。
※ただし、すべての機種には搭載されていません。これらの搭載の有無は事前に仕様をご確認ください。


その他の評価 - 光学ドライブを内蔵しているわりには軽い

レッツノートの重さ

重さを実際に計測してみたところ、1.327kgでした。

光学ドライブを搭載している割には軽いと思います。

軽さの秘密は、パーツやボードの徹底的な軽量化です。下図の左側は、DVDスーパーマルチドライブで、右側はファンですが、それぞれ数十gしかありません(図はW8のパーツです)。

軽量化された部品


その他の評価 - 液晶は普通

液晶ディスプレイは、他社のモバイルパソコンと比較して普通の見やすさです。

ディスプレイは、12.1型のノングレア液晶(非光沢液晶)です。一般的な15.4型のディスプレイよりも小さいため、見にくくなるのは仕方ありませんが、流行りのミニノートPCと比べると画面が大きいです。 モバイルとしてはちょうど良い大きさです。

ただし、視野角はよくないです。斜めからみるとかなり暗く映ります。正面から見ると問題ないです。ただモバイルノートは視野角が悪いくらいのほうが、周りの人から画面を覗かれにくいので良いのではないかと思います。

レッツノートの視野角

その他の評価 - モバイルPCにしては厚め

高さは44mm

本体の高さは、モバイルパソコンとしてはやや厚めです。 

厚さを実際に測ってみたところ、最厚部で44mmでした。レッツノートは天板がボコボコしていて測りにくいため、天板の上にティッシュボックスを置いて計測しました。ただ、ゴム足の真上の天板からティッシュボックスまでに空間があり、この測り方は”最厚部”と呼べるかわからなかったので、ゴム足から、ゴム足の真上の天板までの高さを測ってみると40.5mmでした。

ちなみに、メーカー公表値の最厚部は41.4mmでした。


その他の評価 - キーピッチは十分だが縦幅が短い

キーピッチは19x16mm

キーボードの打ちやすさは普通です。

横のキーピッチは19mmと十分ですが、縦が16mmと少し短いです。また軽量化をはかっているため、キーボードが少し薄く、押したときに軽さを感じます。

でも、打ちづらいというほどではありません。


その他の評価 - 静音性

レッツノート S9 の動作音は普通です。ただパソコンの負荷が高くなると、ファンの音がややうるさいと感じます。

動作音を計測してみたところ下の図のようになりました。高負荷状態とは、動画の再生とウイルススキャンを同時に実行させたときの状態です。高負荷時の動作音は、他のPCよりもうるさいです。
※部屋をできるだけ静かにして測定していますが、無反響室で測定したわけではないので正確な値ではありません。参考程度にしてください。

レッツノートの騒音

その他の評価 - 価格は高め

メーカーHP

レッツノート S9 の価格は高いです。

店頭モデルで約160,000円、 Web直販モデル(マイレッツ倶楽部)で)約210,000円以上、 SSD搭載で充実した保証内容のプレミアムエディションは約300,000円以上します。

尚、店頭モデルとWeb直販モデルの違いは、CPUやハードディスクの性能、SSDの搭載、保証内容・期間などです。Web直販モデルのほうがパフォーマンス及び保証は良いです。

Web直販モデルの詳細については、こちらをご覧ください。


ここはイマイチ - 液晶ディスプレイの傾き

液晶は140度くらいしか傾かない

レッツノートの液晶ディスプレイは、左の図の角度までしか倒れません。

机の上で作業しているときは、この角度で十分ですが、膝の上に置いて作業をするときや、地面に置いて、しゃがんで作業するときは、この角度だと液晶が見づらいです。

インフラ系SEなんかは、サーバルーム内でノートPCを床に置いて作業する機会も多いと思いますが、レッツノートでは液晶が見づらくなってしまいます。


その他の評価 - 外観 - 厚みは普通

外観は次の通りです。天版がデコボコしているので、パソコンの上のノート用紙を置いて持ち運ぶと、やや滑ります。

レッツノートの外観

レッツノートのキーボード

Sシリーズ以外のレッツノート

今回紹介した Sシリーズ(店頭モデル)以外のレッツノートを紹介します。尚、最も売れ筋なのは(店頭モデル及びWeb直販モデルの)Sシリーズです。

レッツノートのラインナップ
機種 店頭モデル Web直販モデル(マイレッツ倶楽部モデル)
プレミアムエディション
F S N R F S N R S R
仕様比較
液晶 14.1型
ワイド
12.1型
ワイド
12.1型
ワイド
10.4型
ワイド
14.1型
ワイド
12.1型
ワイド
12.1型
ワイド
10.4型
ワイド
12.1型
ワイド
10.4型
ワイド
CPU 高性能 さらに高性能
ハードディスク 5400rpm 7200rpm ×
SSD × 選択可
DVDドライブ × × × × ×
WiMAX × 選択可 × ×
FOMA × × × × 選択可 × 選択可 × 選択可 ×
保証 1年保証(故障) 3年保証
3年特別保証(有償)
3年特別保証プレミアム
サービス
※この他にもCシリーズというコンバーチブルPCがあります

まとめ

レッツノート(Let's Note) S9は、次のような特徴があります。

レッツノート(Let's Note) は、次のような方に向いています。

安さ重視なら店頭モデルがおすすめで、性能と保証内容重視ならWeb直販モデル(マイレッツ倶楽部)がおすすめです。


店頭モデル: レッツノート S9
Web直販モデル:レッツノート S9