パナソニック レッツノート XZ6 の実機レビュー

更新日:2019年1月15日

Core i (U)搭載のセパレート2 in 1

レッツノート XZ6は、キーボードを取り外して、タブレットとしても使用できる12.0液晶搭載のセパレート型2 in 1 パソコンです。

セパレート型2 in 1 パソコンは、タブレット部に負担をかけないように、Core mやAtomの処理性能の低いCPUを搭載していることが多いですが、本製品は珍しくUシリーズのCore i プロセッサーを搭載しており、高性能です。

タブレット部もキーボード部もバッテリーが2種類用意されており、バッテリー駆動時間と質量を考慮しながら、モデルを選ぶことが可能です。

また、アクティブペンも使え、LTEに対応したモデルもあります。

メーカー直販サイト:
Panasonic Store(レッツノート XZ6)


※レビュー機は当サイトでの購入品です

【最終更新内容】2019.1.15 アスペクト比についての誤記を修正

目次

レッツノート XZ6の基本スペック

レッツノート XZ6(2017年春モデル)のスペックです。特徴的な部分は赤字にしています。店頭モデルおよびカスタマイズレッツノートを合わせた仕様を掲載しています。2017年春モデル以外はスペックが異なりますのでご注意ください。

CPU
Uシリーズ第7世代インテルCPUを選択可能です。本機はCore i5-7200Uです。
グラフィックカード
CPU内蔵(インテル HD グラフィックス 620)です。
液晶ディスプレイ
12.0型、2160x1440、広視野角、タッチ液晶です。アンチグレア保護フィルムが貼られています。
メモリ
LPDDR3のメモリで、最大16GBです。本機は8GBのメモリです。
SSD
SATA SSDを搭載しています。最大1TB SSDです。本機は128GB SSDです。
光学ドライブ
非搭載です。
 
バッテリー駆動時間
タブレットのみで最大 約9時間、キーボード接続時で最大 約18.5時間です。モデルによって異なるため詳細は後述します。
その他
質量は、タブレットのみで550g~、キーボード接続時で1.019kg~です。モデルによって異なるため詳細は後述します。

特徴1 - Core i (U)搭載のセパレート型 2 in 1 PC

レッツノート XZ6は、タブレット部(液晶の部分)とキーボード部が分離するセパレート型の 2 in 1 PCです。デタッチャブルPCとも呼ばれます。

多くのセパレート型の 2 in 1 PCは、Core mやAtomを搭載しているケースが多いですが、本製品は処理性能の高いUシリーズのCore i プロセッサーを搭載しており、作業を快適に行えます。メインPCとしても十分使える処理性能です。


セパレート型の 2 in 1 パソコン

特徴2 - バッテリーはそれぞれ2種類

レッツノート XZ6は、タブレット部とキーボード部について、それぞれ2種類のバッテリーが用意されており、モデルによって搭載されるバッテリーが異なります。各モデルの詳細はこちらの記事をご覧ください。

タブレット部はバッテリーの交換ができないため、どちらのバッテリーを搭載したモデルが良いか、慎重に選びましょう。

タブレット部とキーボード部はバッテリーが2種類
タブレット部
キーボード部

 

キーボード部のバッテリーは取り外し可能です。


キーボード部のバッテリーは取り外し可能

キーボード部のバッテリーは、容量の小さいバッテリーパック (S) も、容量の大きいバッテリーパック (L) もサイズは同じで、出っ張りなどはありません。どちらも、バッテリーパックのみ購入することが可能です。購入したモデルのバッテリー駆動時間が足りなかったり、余剰であったりした場合は、後からバッテリーパックのみ追加購入しても良いでしょう。


バッテリーパックの大きさは同じ

特徴3 - バッテリー駆動時間は組み合わせ次第

バッテリー駆動時間は、タブレット部とキーボード部のバッテリーパックの容量次第で変わります。

レッツノート XZ6は、色々なバッテリー容量の組み合わせのモデルが販売されていますが、集約すると下表の3種類となります。タブレット部がバッテリーパック (L) で、キーボード部がバッテリーパック (S) という組み合わせのモデルはありません。

メーカー仕様値のバッテリー駆動時間は下表の通りです。

タブレットのみのバッテリー駆動時間は、バッテリーパック (S) 搭載時だと、ライバル機種と比較して短いです。バッテリーパック (L) 搭載時で普通の駆動時間だと思います。

タブレット+キーボードのバッテリー駆動時間は、タブレット部もキーボード部もバッテリーパック (S) だと、ライバル機種と比較して短めです。キーボード部のみ (L) にすれば、ライバル機種と同等の駆動時間になると思います。両方とも (L) にした場合は、ライバル機種よりも長い駆動時間です。

バッテリー駆動時間(メーカー仕様値、JETIA2.0)
  タブレット(S) タブレット(S) タブレット(L)
キーボード(S) キーボード(L) キーボード(L)
バッテリー
駆動時間
タブレットのみ 約4.5時間 約9時間
タブレット+キーボード 約9時間 約15時間 約18.5時間

 

当サイトで計測した、上とは異なる計測方法でのバッテリー駆動時間は下表の通りです。使い方によって駆動時間は変わるので、下表も参考にして下さい。

バッテリー駆動時間(当サイトの計測値)
  タブレット(S) タブレット(S) タブレット(L)
キーボード(S) キーボード(L) キーボード(L)
バッテリー
駆動時間
タブレットのみ PCMark 8 Home ※1 1時間28分 未計測
PCMark 8 Work ※2 1時間43分 未計測
動画再生時 ※3 3時間00分 未計測
タブレット
+キーボード
PCMark 8 Home ※1 3時間50分 5時間23分 未計測
PCMark 8 Work ※2 4時間06分 6時間16分 未計測
動画再生時 ※3 6時間35分 11時間15分 未計測
※画面輝度は約120cd/m2で計測
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

特徴4 - 質量もバッテリーパックの組み合わせ次第

レッツノート XZ6の質量も、搭載するバッテリーパックによって変わります。

タブレットのみの質量は、バッテリーパック (S) を搭載していると、ライバル機種と同等の質量です。(L) を搭載したときは、ライバル機種よりもやや重いです。

タブレット+キーボードの質量は、タブレット部またはキーボード部のどちらかをバッテリーパック (S) にすれば、比較的軽い重量になります。

質量(メーカー仕様値)
  店頭モデル カスタマイズレッツノート
タブレット(S) タブレット(S) タブレット(L)
キーボード(S) キーボード(L) キーボード(S) キーボード(L)
LTE LTE LTE
質量 タブレットのみ 550g 590g 550g 590g 560g 665g
タブ+キーボード 1.019kg 1.059kg 1.109kg 1.149kg 1.029kg 1.224kg

 

下表は当サイトの計測値です。メーカー仕様値とほぼ同じですが、やや重いケースもありました。

質量(当サイトの計測値)
  店頭モデル カスタマイズレッツノート
タブレット(S) 未計測
キーボード(S) キーボード(L)
LTE LTE
質量 タブレットのみ 553g 未計測 未計測 未計測
タブ+キーボード 1.026kg 未計測 1.109kg 未計測

ACアダプターの重量は、付属のウォールマウントプラグを取り付ければ、他の機種と比較して軽いと思います。


質量の計測値(ACアダプター類)

特徴5 - アクティブペン対応

レッツノート XZ6は、アクティブペンにも対応しています。

ペンは、1,024段階の筆圧検知に対応しています。もちろん、Windows Inkでも使えます。ペンはオプションですので、別途購入する必要があります。


Windows Inkにも対応


1,024段階の筆圧検知に対応したアクティブペン


ペンは電池式

 

また、ワコムのペンと、N-Trigのペンが使えるかどうか試しましたが、筆者の設定が悪いのか、使うことは出来ませんでした。

特徴6 - 豊富な種類の入出力ポート

レッツノート XZ6は、ビジネスシーンでよく使うLANやVGAといったポートも搭載されています。その他にもUSBやHDMIポートも搭載されており、ポートの種類は非常に豊富です。USB Type-Cポートもあります。


豊富な種類の入出力ポート

特徴7 - LTE対応モデルもあり

レッツノート XZ6には、LTEに対応したモデルもあります。格安SIMカードを使えば、月々数百円で、外出先でもデータ通信が可能です。

なお、今回はLTE非対応モデルですので、テストはしていません。

格安SIMカードを提供するMVNOについては「格安SIMカードの比較」ページをご覧ください。


格安SIMが使える

 

ちなみに、他のLTEに対応した個人向けノートパソコンについては、「LTE対応 モバイルノートパソコンの比較」をご覧ください。

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

まず、画面アスペクト比が3:2と、通常の液晶よりも縦の比率が高くなっており、仕事がしやすいです。このアスペクト比は、タブレットとして使うときも、画面が縦長になりすぎず、使いやすいです。


画面アスペクト比は3:2で、仕事がしやすい


3:2は、タブレットでも使いやすい

 

視野角も広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや暖色系の画面ですが、比較的自然な発色です。


ガンマ補正曲線
※ i1Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域はノートPCとしては"やや狭い~普通"といったところです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素の形状等です。下図のようにタッチパネルの電極らしきものがあり、これの影響で、顔を画面に近づけると格子状の線が見えます。作業をしていると、これが若干気になります。


 

液晶の表面には、ノングレア保護フィルムが貼られているため、映り込みは低減されています。


ノングレア保護フィルム


液晶の映り込み

キーボードとタッチパッドのチェック

キーボードのチェックです。

キーピッチはメーカー仕様表を確認すると、横:19mm、縦:16mmとなっています。縦のキーピッチがやや狭く、手が大きいとやや窮屈に感じます。キーストロークは当サイトの計測では約15mmで、底付きの衝撃も少なく、キー自体は押しやすいです。

キー配列としては、「半角/全角」キーが端にないことが気になります。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2


キーの拡大図3

 

タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。ただし、タッチパッドが小さいので、ジェスチャー操作をするときや、マウスポインターを大きく移動するとき等は、やややりづらいです。

クリックボタンは独立しており、軽い力で押すことができます。


タッチパッド&クリックボタン

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

前述した通り、セパレート型の2 in 1 PCとしては珍しく、本製品はUシリーズのCore i プロセッサーを搭載しており、ライバル機種の中では処理性能が高いです。

CPU

UシリーズのCore i5またはCore i7を選択できます。どれを選んでも体感速度はそれほど変わらないと思います。


CPUの性能と用途(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージ

ストレージはSATA SSDを搭載しています。PCIe-NVMe SSDほど速くはないですが、実用面では十分な速度です。


ストレージの性能と用途(筆者の独自判断)

レッツノート XZ6で計測したベンチマーク

以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i5-7200U
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i5-7200U
x265でエンコード (※1) 47分15秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 5分05秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

128GB SSD(MZNTY128HDHP)

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

SDカード挿入後の出っ張りはありません。


SDカードスロットの位置

 

UHS-Ⅱのカードにも対応し、アクセス速度は速いです。


UHS-ⅡのSDカード

 

 

 

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