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VAIO Pro 13の実機レビュー
バランス抜群のウルトラブック
VAIO Pro 13は、全ての機能が比較的優れ、欠点が少なくバランスの良い13.3型ウルトラブックです。
重量は1kgを切る軽さでありながら、バッテリ駆動時間は最大13時間という長さです。
液晶にはフルHDのIPSパネルを搭載し、高精細、高視野角な画面となっています。
ストレージは最大約1000MB/sのPCIeのSSD、メモリは最大8GB、CPUはインテル第4世代プロセッサーを搭載し、処理性能にも比較的優れています。
カラーには本レビューに使用しているブラックと、シルバーそして限定カラーのレッドが用意されています。
メーカー直販サイト:ソニーストア(VAIO Pro 13)
※レビュー機は当サイトでの購入製品です
目次
VAIO Pro 13の基本スペック
VAIO Pro 13の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2013年7月1日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Uシリーズの第4世代インテルCPUを選択可能です。本機はCore i5-4200Uです。 |
グラフィックカード CPU内蔵のGPU(インテル HD グラフィックス4400)です。 |
液晶ディスプレイ 13.3型ワイドのフルHD液晶です。タッチパネル搭載モデルは光沢に近いですが、非タッチパネルはハーフグレアに近いです。 |
メモリ 4GBまたは8GBです。オンボードであるため換装はできません。本機は4GBです。 |
ハードディスク/SSD SSDまたはハイスピードSSD(PCIe)を選択できます。本機は256GBのハイスピードSSDを搭載しています。 |
光学ドライブ 内蔵型光学ドライブは搭載していません。 |
バッテリ駆動時間 メーカー公表値で約10.5~13時間です。実測値は後述します。 |
テレビチューナー 内蔵のテレビチューナーは搭載していません。ただし、ナスネを利用すればTV視聴可能です。 |
特徴1 - あらゆる性能に優れバランスが良い
VAIO Pro 13は、あらゆる面で高性能なウルトラブックです。
タッチパネルを搭載しなければ1kgを切る重量でありながら、バッテリ駆動時間は最大13時間と非常に長く、軽さとバッテリ駆動時間という相反するものを両立しています。
また、液晶には13.3型のフルHD、IPSパネルを搭載し、高精細、高視野角な画面です。"テキストやその他の項目の大きさ"を100%にするのであればやや文字が小さくなりますが、高解像度が好きな方は、100%でも作業できる方も多いと思います。
ウルトラブックはキーストロークが浅いものが多く、本製品も浅めのキーストロークではありますが、キーピッチは約19mmを確保し最低限の打ちやすさを確保しています。
ディスクについては、PCIeに対応した最大約1000MB/sの高速SSDを搭載しており、PCの起動やシャットダウンが超高速です。
バランスの良い構成
あえて欠点を書くとすれば、液晶にギラつきをやや感じる点と、LANポートを搭載していない点、そして主観ですが他のPCと比べて頑丈さに欠けていそうな点かなと思います。
ただし、液晶についてはギラつきはあるものの高精細でザラつきがないため、他のPCと比べて特に見劣りする液晶ではありません。むしろ視野角、色域が良いため、他のPCよりも見やすいと感じる方も多いと思います。
LANポートについては、他社PCについてもモバイル用ウルトラブックはほとんど無くなっています。
頑丈さについては、ThinkPadなんかはMIL規格をパスするほどですし(その代わりちょっと重い)、dynabook V632やMacBook Airなどは一枚板のように見た目からして外圧に強そうです。一方、VAIO Pro 13はボディをひねると割と曲がりやすく、液晶もかなり薄っぺらく、中の基板がやや心配になります。ただし、ボディにはUDカーボンを用いており必要十分な堅牢性はあると思います。
この見出しで、ほとんどVAIO Pro 13の特徴を書いてしまいましたが、これ以降では詳細を説明していきたいと思います。
特徴2 - 軽量なボディ
まずは重量のチェックです。
タッチパネルを搭載しないモデルの場合、PC本体の実測値は932gでした。かなり軽い部類に入ります。
また、本製品は拡張用シートバッテリーを搭載することが可能で、このときの重量の実測値は1221gでした。これでも他社のウルトラブックと同等の軽さです。
非タッチパネル液晶搭載PCの重量
タッチパネルを搭載したモデルの場合、PC本体の実測値は1062gでした。タッチパネルを搭載していないモデルよりも130g重くなっています。
タッチパネル液晶搭載PCの重量
なお、拡張用シートバッテリーはVAIO Pro 11と共通となっています。画像を下記に掲載します。
拡張用シートバッテリーを装着したときの画像。
一回り小さいPro 11にぴったり合うように作られているため、Pro 13に装着するとやや小さいです。
なお、拡張用シートバッテリーはブラックしかないため、他のボディカラーに装着すると色が浮きます。
キーを打って作業をするときは、手前側は高くならないため、それほど違和感はありません。
横から見た画像。放熱が悪くならないように、本体とバッテリに隙間があります。
本体とバッテリに隙間があるため、天板の上から荷重をかけると上記3か所に圧力が集中します。
満員電車などで押されるときは注意。
特徴3 - 内蔵バッテリーのみで最大13時間駆動
VAIO Pro 13は、内蔵バッテリーのみで最大13時間も駆動することが可能です。
ただし、各メーカーが実施しているJEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.1.0)は、かなりの好条件下での測定であるため、バッテリ駆動時間は比較的長めに表記されています。
また、多くの雑誌やメディアではBBenchを使い、定期的なWeb巡回&自動キー入力でバッテリー駆動時間を計測しています。しかし、文書作成、表計算の利用などの仕事の用途で使う場合や、動画を鑑賞する場合は、BBenchによるバッテリー駆動時間よりも、もっと短くなることが多いです。
そこで、ここでは、次の2つの負荷をかけて、バッテリー駆動時間を計測しました。結果は次の通りです。仕事の用途で使う場合は、PCMark 8 のバッテリーライフテストの結果に近くなると思います。
負荷内容 | Core i5-4200U、128GB SSD | |
---|---|---|
内蔵バッテリー | 内蔵バッテリー + 拡張用シートバッテリー | |
動画再生時 ※1 | 6時間49分 | 13時間42分 |
PCMark 8 のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間0分 | 未実施 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
また、タッチパネル搭載モデルでも、内蔵バッテリー&PCMark 8 のバッテリーライフテストのみ計測しましたが、結果はほとんど変わりませんでした。
負荷内容 | Core i5-4200U、128GB SSD、タッチパネル液晶 | |
---|---|---|
内蔵バッテリー | 内蔵バッテリー + 拡張用シートバッテリー | |
動画再生時 | 未実施 | 未実施 |
PCMark 8 のバッテリーライフテスト | 4時間5分 | 未実施 |
特徴4 - 選択式のタッチパネル
VAIO Pro 13は、タッチパネルを搭載することも、しないことも可能です。
パソコンにはタッチパネルを必要としないと考える方も多いと思いますし、タッチパネルを搭載すると約130g重くなります。一方、せっかくのWindows 8 だしタッチパネルを搭載したいと考える方もいると思います。どちらかを選択できるのは良いと思います。
ちなみに、筆者はタブレット形状にならないパソコンは、タッチパネルはなくても良い派です。
なお、タッチパネルを搭載しない場合、ボディカラーはブラックのみとなりますのでご注意ください。
タッチパネルなし・・・ハーフグレア液晶、ベゼルと液晶の境目あり、ブラックのみ
タッチパネルあり・・・光沢液晶、ベゼルと液晶の境目がない、約130g重くなる
特徴5 - フルHD・IPS液晶搭載
VAIO Pro 13は、フルHD(1920x1080)の解像度の液晶を搭載しています。作業域が広く仕事をしやすいです。
以前は13.3型に1920x1080ドットだと文字が小さいと感じていましたが、高解像度液晶ブームで、3200x1800ドットなどの液晶を多く見ているせいか、このくらいの文字でも大丈夫かなと思いはじめてきました。
なお、デフォルトでは、コントロールパネルにある"テキストやその他の項目の大きさ"の項目が125%に拡大されています。そのため、デフォルトの文字は比較的大きくなっており、文字が小さいと感じることはありません。ただし、125%に拡大している場合、画像も拡大されてぼやけたり、アプリによって一部の文字が拡大されなかったりすることもあります。同項目が100%がいいか125%がいいかは悩ましいところです。
作業域の広いフルHD液晶を搭載
特徴6 - 極薄ボディ
VAIO Pro 13は非常に薄いボディです。
メーカー公表スペックでは、次のようになっています。タッチパネルを搭載すると、やや厚くなります。また拡張用シートバッテリーを搭載すると背面側が持ち上がるせいか、正面側が少し薄くなっています。
PC本体のみ | PC本体+拡張用シートバッテリー | |
---|---|---|
タッチパネルなし | 11.3~15.8 mm | 9.9~33.8 mm |
タッチパネルあり | 12.8~17.2 mm | 11.3~35.2 mm |
ここでは、タッチパネルなしモデルの最厚部を、ゴム足を含めた状態で実測しました。結果は、PC本体のみのときで16.5mm、PC本体+拡張表シートバッテリーのときで33.5mmでした。
非タッチパネル液晶搭載PCの高さ
また、タッチパネルありモデルでの高さは下図の通りで、18mmでした。
タッチパネル液晶搭載PCの高さ
特徴7 - nasne(ナスネ)を使えばTVを視聴できる
nasne(ナスネ)を使えば、VAIO Pro 13からワイヤレスでテレビを観ることができます。
詳細については「ナスネ(nasne)の実機レビュー」をご覧ください。
nasne(ナスネ)を使用すれば、VAIOパソコンからテレビのライブ視聴、録画予約、録画番組再生などの操作が可能
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
まず視野角ですが、IPS液晶を搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、RGBともほぼ均一で正確な発色です。
色域は、ノートパソコンの中ではやや広めです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
非タッチパネル液晶の画素の形状は次の通りです。この画像だけだと特に問題なさそうに見えますが、ややギラつきを感じます。ただし、ドットが小さいためザラつきは感じません。
非タッチパネル液晶の場合、液晶表面はハーフグレアに近いです。なお、タッチパネルなしモデルは、Web直販店のソニーストアでのみ販売しています。
一方、タッチパネル液晶の場合、純粋な光沢液晶に比べるとややぼやけ感はありますが、ほぼ光沢液晶に近い映り込みです。
非タッチパネル液晶はハーフグレアに近い
タッチパネル液晶は光沢に近い
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチは実測で、横:19mm、縦:18.5mmと十分な間隔です。キーストロークはメーカー公表スペックで約1.35 mmとなっておりやや浅めです。キートップは少しだけ滑る素材で、わずかに湾曲しています。
ウルトラブックとして、普通の打ちやすさだと思います。キーを軽く押すように心がけると打ちやすいと思います。VAIO Pro 11よりは、キーピッチが広い分、打ちやすいです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
タッチパッドの操作性は普通です。
タッチパッド
キーボードバックライトも搭載しています。飛行機などの暗い場所でも作業できます。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPUはウルトラブックで使用される末尾がUシリーズの第4世代インテルプロセッサーです。ストレージにはPCIe対応のSSDを搭載でき非常に高速です。メモリは8GBまで搭載可能ですが、オンボードの1枚挿しとなります。デュアル転送対応です。
Core i5-4200U、メモリ4GB、PCIe対応SSD 256GBを搭載した本製品のベンチマーク結果は次の通りです。ストレージ関連のスコアがかなり良いです。
※赤字部分修正 2013/11/28
Windows エクスペリエンス インデックス
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※ ICE STORM:Direct 9相当ベンチ、CLOUD GATE:Direct 10相当ベンチ、FIRE STRIKE:Direct 11ベンチ
PC Mark 8
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。
Core i5-4200Uのエンコード時間を下の表に掲載します。Core i7-4500Uを選択すれば、もう少し良いスコアになると思います。
Core i5-4200U | |
---|---|
x264でエンコード | 42分51秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 17分12秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
PC起動・シャットダウン時間のチェック
PCの起動・シャットダウン時間と、ディスクのベンチマーク結果です。
PCの起動、シャットダウン時間は次の通りです。かなり高速です。スリープ/復帰と間違うほどの速さです。なお、工場出荷状態でのテストですので、アプリをたくさんインストールしていくと時間は遅くなっていくと思います。
テスト内容 | 時間 |
---|---|
PC起動時間 | 6秒 |
PCシャットダウン時間 | 7秒 |
CrystalDiskMarkのベンチマーク
PCIe対応のSSDのCrystal DiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。かなり高速です。
SSDのベンチマーク結果
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターの対応カードと速度のチェックです。
スロットは本体の右側面にあります。挿入後、SDカードの出っ張りはほとんどありません。このままカバンへ入れてもSDカードが邪魔になることはありません。
また、抜き差しもしやすいです。PUSHすればカードが出てきます。
SDカード挿入後の外観
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。それほど速くはありません。