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mouse X5シリーズの実機レビュー

更新日:2020年5月1日
APU Ryzen 5 3500U
Core i7-10510U
GPU Radeon Vega 8
Intel UHD
メモリ 8 ~ 32GB
ストレージ SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD 非光沢
質量 約1.40 / 1.39kg
バッテリー 約15.4 / 20.5時間
価格[税別] 8万円台~
テレワークにもピッタリの15.6型軽量ノート

mouse X5シリーズは、15.6型なのに、質量が約1.39kg~と軽量で、持ち運びにも適したノートPCです。

大画面ノートを外へ持ち持ち運んだり、別の部屋へ移動したりする方に最適でしょう。テレワークにもピッタリです。

バッテリー駆動時間もかなり長いです。

Ryzen 5を搭載したモデルなら、8万円台から購入できる安さも魅力的です。Core i7モデルは10万円台からとやや高くなりますが、Power Deliveryに対応していたり、Wi-Fi 6に対応していたり、バッテリー駆動時間が長かったりとメリットがあります。

マグネシウム合金素材の外装は、耐久性にも優れており、質感も高いです。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

なお、Ryzen 5モデルは「mouse X5-B」、Core i7モデルは「mouse X5」という製品名になります。

レビュー機の構成

mouse X5-B Ryzen 5 3500U 、8GBメモリ、256GB SSD

mouse X5 Core i7-10510U、8GBメモリ、256GB SSD NEW!

 

 

このページをご覧の方だけに

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目次

お忙しい方は、「mouse X5シリーズの特徴」のみお読みください。

 

mouse X5シリーズの特徴

持ち運べる質量の15.6型ノートPC

mouse X5シリーズの最大の特徴は、15.6型の大画面PCでありながら、約1.39kg~と非常に軽いことです。他の15.6型ノートPCは2kg前後が多いので、その軽さは際立っています。

軽量15.6型ノート

 

また、ボディの奥行きが短く、全体的なサイズも比較的コンパクトです。

小さなカバンだと厳しいかもしれませんが、通常サイズのビジネスバッグであれば、入ることでしょう。モバイルPCとして、どこでも取り出してサッと使えるかと言うと微妙ですが、出張や、会社と自宅間の移動などに適しており、テレワークなどにも活用できそうです。

15型ノートPCの「質量」の比較
mouse X5(X5-B) 約1.39kg~
dynabook ZZ 約1.399kg~
Surface Laptop 3 15 約1.542kg
HP 15s-du1000 約1.7kg
Ideapad S540(15) 約1.8kg
VivoBook S15(S531FA) 約1.85kg
15型ノートPCの「サイズ」の比較
  奥行 高さ
mouse X5(X5-B) 356 233 17.9
Surface Laptop 3 15 339.5 244 14.69
dynabook ZZ 359 250 17.6
HP 15s-du1000 358 242 22
Ideapad S540(15) 358 245 16.9
VivoBook S15(S531FA) 357.2 230.3 18.5
※ 単位はmm

 

長時間のバッテリー駆動が可能

mouse X5シリーズは、91.24Whのバッテリーを搭載し、一般的な15.6型ノートPCの約2倍の容量となっています。Core i7モデルなら20.5時間、Ryzen 5モデルでも約15.4時間のバッテリー駆動(メーカー仕様値)が可能となっています。後述しますが、バッテリー駆動時間の実測値も長く、バッテリー駆動で朝から晩まで使用できそうです。

バッテリー容量

 

マグネシウム合金ボディ

mouse X5シリーズは、アルミよりもさらに軽量で、剛性も高いマグネシウム合金が外装素材として使用されています。価格を抑えつつ、持ち運びに適した耐久性を備えるという点でも優れています。

マグネシウム合金で、ブラック&レッドのRyzen 5モデル
マグネシウム合金で、シルバーのCore i7モデル

 

安くSSD容量を増やせる

mouse X5シリーズは、初期構成では256GB SSD、8GBメモリの構成ですが、カスタマイズも可能です。

メインPCとしての使用も考えているならば、ストレージは512GBや1TBのSSDに変更するといいでしょう。アップグレードにかかる費用も安めです。

メモリは最大32GBまで搭載できます。ただし、メモリスロットは1つしかありません。後から自己責任で増やせるとしても、増設ではなく換装になります。

ストレージのカスタマイズが可能

 

デュアルストレージにもできる

カスタマイズ画面からは1台のSSDしか選択できませんが、自分で増設すれば、デュアルストレージにすることもできます。ただし、メーカー動作保証外となりますので、増設は自己責任でお願いします。

M.2スロットが2つ

 

LANやmicroSDリーダーも搭載

mouse X5シリーズは、コンパクト・軽さを求めたノートPCですが、インターフェイスは充実しています。USB3.0 Type-Cを含めると、合計4つのUSBポートを備えており、USB接続で不足を感じることはないでしょう。LAN端子や、microSDカードリーダー、HDMIポートも備えています。

なお、Ryzen 5モデルは、USB Type-Cは、Power Delivery、映像出力、Thunderbolt 3には対応していません。Core i7モデルはPower Deliveryのみ対応しています。

インターフェイス構成

 

持ち運ぶなら「破損盗難保証」も

mouse X5シリーズは、持ち運びを想定した機種です。そこで、心配なのが、持ち運び時の落下などによる破損、盗難のリスクです。

マウスコンピューターのPCは、少しの金額で、破損盗難保証サービスを追加できます。なお、保証期間は、本体延長保証期間と同じです。

破損盗難保証サービスも追加可能

 

Ryzen 5モデルとCore i7モデルの比較

Ryzen 5モデル(X5-B)と、Core i7モデル(X5)を搭載したX5の主な違いは次の通りです。

CPU性能については、各種ベンチマークやソフトの処理時間を計測すると、Core i7-10510Uのほうが上です。ただし、グラフィックス性能についてはRyzen 5 3500Uのほうが上です。

バッテリー駆動時間、質量はCore i7モデルのほうが優れており、USB PowerDeliveryにも対応し、外へ持ち出すならCore i7モデルのほうがいいと思います。

Ryzen 5とCore i7モデルの比較
  Ryzen 5モデル
(mouse X5-B)
Core i7モデル
(mouse X5)
画像
プロセッサー Ryzen 5 3500U Core i7-10510U
内蔵グラフィックス Radeon Vega 8 Intel UHD
カラー レッド&ブラック シルバー
USB PowerDelivery 非対応 対応
無線LAN 11ac 11ax(Wi-Fi 6)
HDMI 最大4K/60Hz 最大4K/30Hz
質量 約1.40kg 約1.39kg
バッテリー 約15.4時間 約20.5時間

 

ライバル機種との比較

ライバル機種との比較を行います。

15型の液晶を搭載しつつ、質量が1.5kg台以下の機種として、マイクロソフトのSurface Laptop 3 15と、dynabook ZZとの比較を行いました。

Surface Laptop 3 15は、グラフィックス性能をより強化したRyzenプロセッサーを採用しています。また、2496x1664の高解像度のタッチ液晶を搭載し、アクティブペンも使用できます。液晶にこだわる方に適しています。ただし、価格はかなり高めです。

mouse X5は、dynabook ZZとスペックおよび価格が近いですが、CPUの世代が新しく、コストパフォーマンスの高さが目立ちます。

メーカーや外見などのブランドバリューを気にしなければ、mouse X5はバランスがよく、かなり魅力的な機種です。

ライバル機種との比較
  [本製品]
mouse X5
マイクロソフト
Surface Laptop 3 15
dynabook ZZ
画像
CPU Core i7-10510U Ryzen 5 3580U
Ryzen 7 3780U
第8世代Core(U)
液晶種類 FHD 非光沢 2496x1664 タッチ FHD IGZO 非光沢
質量 約1.39kg 約1.542kg 約1.399kg~
バッテリー 約20.5時間 最大 約11.5時間 約19時間
ライバル機種との価格比較
  [本製品]
mouse X5
マイクロソフト
Surface Laptop 3 15
dynabook ZZ
CPU Core i7-10510U Ryzen 5 3580U Core i5-8265U
メモリ 8GB
ストレージ 256GB SSD
価格[税別] 109,800円 161,480円 111,800円
価格は2020年4月27日のものです。価格は変動します

 

各用途の快適度

mouse X5シリーズの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面が見やすく、スペック十分で、作業は快適にできます。
動画鑑賞 同上です。スピーカー音は普通です。
RAW現像
画像編集
Core i7モデルのほうが、Ryzen 5モデルより、現像時間がかなり速かったのでおすすめです。Core i7モデルは色域も十分広いです。ただし、メモリがシングルチャンネルであるため、他のPCよりもやや時間がかかっていました。RAW現像などをするなら、Core i7モデルがおすすめです。
動画編集 外部グラフィックスを搭載していないので、動画編集向きではありません。特にRyzen 5モデルはPremiere Proとの相性も悪いです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありませんが、「Intel UHD 630でどこまでゲームができるか?」で記載したような軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。なお、Ryzen 5モデルのほうが、Core i7よりもやや高めのフレームレートが出ると思います。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

Ryzen 5モデル

まずまずの色域で、比較的見やすい液晶です。最大輝度は当サイトの計測では301cd/m2と普通です。以下詳細を記載します。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域はやや広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は90.1%、sRGB比は99.2%でした。一般的な作業なら十分な品質でしょう。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや寒色系の画面であることが分かりますが、ほとんど気になりません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほとんど気になりません。

画面拡大

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、フリッカーは感じませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

Core i7モデル

sRGBをほぼ100%カバーする色域で、クリエイターでも使えるディスプレイです。最大輝度は当サイトの計測では310cd/m2と普通です。以下詳細を記載します。ただし、必ずしもこのパネルが搭載されるとは限りませんので、ご了承下さい。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.7%、sRGB比は101.8%でした。クリエイターでも使える色域です。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや青の出力が弱いですが、わずかですのでほとんど気にはなりません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほとんど気になりません。

画面拡大

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、フリッカーは感じませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Ryzen 5モデル

Ryzen 5モデルキーボードは、キートップのサイズが大きめで、角ばったデザインです。キーとキーとのすき間が小さいものの、特別小さいキーもなく、等間隔なので、それほどタイプミスはありません。

キーピッチは約18mm、キーストロークは約1.4mmと標準的です。

タッチパッドの操作性は普通です。また、タッチパッドの左上部をダブルタップすることで、タッチパッドのONとOFFを簡単に切り替えることができます。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

バックライトも備えているので、薄暗い場所でもタイプしやすいです。

バックライトキーボード

 

Core i7モデル

Core i7モデルのキーボードも上と同様です。

キーボード全体図

 

ただし、バックライト点灯時の「Backspace」などのキーが見にくかったです。また、色がシルバーであるため、明るい部屋でバックライトをつけっぱなしにしていると、刻印が見にくいです。

やや見にくいバックライトキーボード

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

なお、本製品は、Control Centerというソフトで、「オフィスモード」と「ハイパフォーマンスモード」が選べます。「オフィスモード」だと他のPCよりも処理に時間がかなりかかるため、ここでは「ハイパフォーマンスモード」で計測しています。

Control Center

 

CPU

CINEBENCH R20については、Core i7のほうがRyzen 5よりもやや高いスコアでした(特にシングルコアのスコア)。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
Ryzen 5 3500U
Core i7-10510U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3552
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1880
Core i7-10510U 1484 [レビュー機で計測]
Ryzen 5 3500U 1419 [レビュー機で計測]
Core i5-10210U 1418
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-10110U 922
Celeron 3867U 294
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックス性能は、Ryzen 5のほうがCore i7よりも高いです。ただし、外部グラフィックス(例えばローエンドのGeForce MX250)と比べると性能はかなり落ちるので、あまり期待しない方がいいです。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~
Radeon Vega 8(Ryzen 5)
Intel UHD Graphics(Core i7)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce MX250 15406
Radeon RX Vega 10 11274
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
9530
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
7744 [レビュー機で計測]
Intel UHD
(Core i7-10510U)
4839 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです

 

ストレージ

ストレージは、SATA SSDもしくはPCIe-NVMe SSDを搭載することが可能です。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
256GB SATA SSD(Ryzen 5モデル)
256GB SATA SSD(Core i7モデル)
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe SSD 約1500~3000
SATA SSD 434~532 [レビュー機で計測]
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。なお、いずれも「ハイパフォーマンスモード」で計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Core i7モデルについては、メモリを8GBから16GBへ換装したときの現像時間も掲載しています。

Core i7モデルのほうが、Ryzen 5よりもかなり速いです。また、メモリは8GBよりも16GBにしたほうが速くなります。ただし、メモリがシングルチャンネルであるためだと思いますが、他のCore i7-10510U搭載PCよりもやや遅かったです。

Core i7-9700
16GBメモリ
69秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
79秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
86秒
Core i7-10510U
16GBメモリ(デュアル)
109秒 [他のPCで計測]
Core i7-10510U
16GBメモリ(シングル)
125秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10510U
8GBメモリ(シングル)
174秒 [レビュー機で計測]
Ryzen 5 3500U
8GBメモリ(シングル)
281秒 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

こちらも、Ryzen 5のほうが高い性能のグラフィックスを搭載しているにも関わらず、Core i7-10510Uのほうが処理が速かったです。ただし、こちらもメモリがシングルチャンネルであるため、他のデュアルチャンネルのCore i7-10510U搭載PCよりも遅かったです。

Core i7-9750H/16GB
RTX 2070 Max-Q
42秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
47秒
Core i5-9300H/8GB
GTX 1650
103秒
Core i7-8565U/16GB
GeForce MX250
147秒
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
416秒 [他のPCで計測]
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
516秒 [レビュー機で計測]
Core i7-10510U/8GB
Intel UHD
614秒 [レビュー機で計測]
Ryzen 5 3500U/8GB
Radeon Vega 8
776秒 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

Core i7のほうが、Ryzen 5よりエンコードは高速です。ただし、ハードウェアエンコードについては、Ryzen 5(VCE)のほうが速かったです。

  Ryzen 5 3500U Core i7-10510U
x265でエンコード (※1) 32分33秒 26分39秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分35秒
VCEでエンコード(※4) 2分14秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 Intel CPU内蔵のハードウェアエンコーダー(Intel Media SDK)
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
x265でのエンコード時間
Core i7-9700 12分21秒
Core i9-9980HK 12分25秒
Core i7-9750H 15分37秒
Core i7-10710U 21分43秒
Core i7-10510U 26分39秒 [レビュー機で計測]
Core i5-10210U 28分53秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i5-8265U 32分07秒
Ryzen 5 3500U 32分33秒 [レビュー機で計測]
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック
Ryzen 5 3500U
Core i7-10510U

 

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートの動作チェックです。

Ryzen 5モデルのX5-Bは、Thunderbolt 3、Power Delivery、映像出力には対応していません。

Core i7モデルのX5は、Power Deliveryには対応しており、以下のような機器が使用できました。30W の充電器は、充電したりしなかったりと動作が不安定でした。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト(X5)
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック × ×
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × × ×
PD充電器
※1
65W ZHOULX充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower充電器
18W cheero充電器 ×
5V充電器 ※2 5V/2.4A ANKER充電器 ×
5V/2.4A AUKEY充電器 ×
モニター
※3
EIZO ColorEdge CS2740 × ×
Philips 258B6QUEB/11 × ×
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

メーカー仕様値では、Ryzen 5モデルが約1.40kg、Core i7モデルが約1.39kgです。当サイトの計測値は下表の通りで、どちらもほぼ同じ質量です。

ACアダプターは、通常のノートPCよりもやや重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  Ryzen 5モデル Core i7モデル
PC本体 1.382kg 1.388kg
ACアダプター 372g 375g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー容量は、91.24Whと大容量です。

バッテリー駆動時間は非常に長いです。モバイルノートPCと謳っている製品よりも長く、極端に負荷のかかる作業をしなければ、朝から晩までバッテリー状態で作業できるのではないかと思います。

バッテリー駆動時間
  Ryzen 5モデル Core i7モデル
(1) JEITA2.0 約15.4時間 約20.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 12時間35分 15時間41分
(4) PCMark 8 Work 11時間23分 11時間17分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

カメラ・マイク・スピーカーのチェック

Webカメラ、マイク、スピーカーのいずれも、ノートPCとしては標準的な性能です。ストリーミング配信などには物足りない性能ですが、オンライン会議などであれば問題なく使えるでしょう。

Webカメラ

Webカメラについては、やや赤みが強く感じ、画像もやや粗いですが、ノートパソコンとしては標準的な画質だと思います。ただし、1万円台の少しいいWebカメラと比較すると、画質は落ちます。

なお、オンライン会議などで使用すると、アプリによって画質が落とされます。下の画像よりももっと荒くなるためご注意下さい。

Webカメラの前にマネキンなどを置いて、Windows 10標準のカメラアプリで撮影
Webカメラの画質
左:本製品、右:Logicool StreamCam

 

マイク性能

マイク性能については、チャットワークのアプリでビデオ通話をしたときの音声を確認しました。ややエコーがかかったような状態になりますが、十分オンライン会議などで使えると思います。ただし、1万円台の少しいいマイクと比べると、音質はやや落ちます。

チャットワークのビデオ通話を使用し、離れた場所から聞いたときの音
本製品のマイク
[参考]1万円台のマイク
audio-technica AT2020USB+
※音声を再生するには、audioタグをサポートしたブラウザが必要です。

 

スピーカー

スピーカーは底面に配置されています。音質は普通で、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

Ryzen 5モデルはアイドル時でもやや動作音が聞こえます。全体的に普通の騒音値です。Core i7モデルはアイドル時はほぼ無音で、エンコード時もRyzen 5モデルより静かです。

  • Ryzen 5モデル(X5-B)
  • Core i7モデル(X5)
騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

どちらのモデルも問題ない温度です。

  • Ryzen 5モデル(X5-B)
  • Core i7モデル(X5)
CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度
CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

どちらのモデルも低めの温度なので、快適に使えます。

  • Ryzen 5モデル(X5-B)
  • Core i7モデル(X5)
PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

Ryzen 5モデルは、Core i7モデルより、消費電力がやや高いです。

  • Ryzen 5モデル(X5-B)
  • Core i7モデル(X5)
消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

外観のチェックです。

Ryzen 5モデル(X5-B)

ボディ素材はマグネシウム合金です。正面側からはほぼブラックですが、レッドの部分も少し見えているところがかっこいいです。

 

天板はレッドのカラーです。MacやSurfaceを意識しているのか、真ん中にチーズのロゴが配置されています。

 

顔認証カメラを搭載しており、パスワードなしでのログインが可能です。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

インターフェースは、一般的なポートは揃っていますが、SDカードはmicro SDのみ対応です。

 

底面です。

 

底面カバーを取り外したときの画像です。底面カバーは、まずネジを外し、不要になった固めのカード類を、底面カバーとPC本体の隙間に入れて一周動かすと爪が外れて簡単に取れます。

 

メモリスロットは1つです。

 

M.2 SSDです。右隣にもスロットがあるので、もう1つ増設できるのではないかと思います。なお、Ryzen 5モデルのX5-Bでは試していませんが、Core i7モデルのX5では増設できました。

 

ACアダプターは小型で持ち運びやすいです。容量は65Wです。

 

Core i7モデル(X5)

Core i7モデルも、ボディ素材はマグネシウム合金です。カラーは無難なシルバーです。

 

天板もシルバーとなっており、ロゴは小さめです。

 

底面もシルバーで統一されています。

 

底面カバーを取り外したときの画像です。基本的なパーツの配置は、Ryzen 5モデルと一緒です。Core i7モデルでは、試しにM.2 SSDを追加してみましたが、問題なく認識されました。また、メモリも8GBから16GBへ換装してみましたが、問題なく認識されました。

 

ACアダプターは小型で持ち運びやすいです。容量は65Wです。

 

外観は下の動画にもまとめています。

 

まとめ

mouse X5シリーズは、15.6型の大画面を備えているのに、モバイルPCに近い、約1.39kg~という軽さが特徴的なノートPCです。

バッテリー駆動時間も長く、外出先でもバッテリーを気にせず、大画面PCを使用できるのも大きなメリットです。

液晶の色域も広く、Core i7モデルなら、sRGBカバー率がほぼ100%あったため、クリエイターでも使える色域です。RAW現像や画像編集をするような方でも使えると思います。

マグネシウム合金素材の外装は、剛性と質感が高く、持ち出しての使用に適しています。

ACアダプターがやや重いですが、Core i7モデルならType-CポートがPower Deliveryに対応しているので、外出時などは別の充電器を使用するといいでしょう。Ryzen 5モデルはPower Delivery非対応です。

また、Ryzenプロセッサーは、Adobe系のソフトのように相性の悪いソフトもあります。クリエイターの方はCore i7モデルのほうが無難だと思います。一般ユーザーでRyzen 5モデルでも問題ありません。

また、メモリはシングルチャンネルであるため、処理によっては、やや時間がかかります。

テレワークにもピッタリの15.6型軽量ノート

mouse X5

特徴

  • 15.6型なのに約1.39kg~と軽量
  • かなり長いバッテリー駆動時間
  • 色域も比較的広い

こんなあなたに

  • 持ち運んでの使用でも大画面がいい!
  • メインと持ち出し用を1台でまとめたい方

 

 

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